エリザベート④ ‘16年・宙組 「二人のシシィ...」 | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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My Favorites:
①ちーずちゃん ②はばまいちゃん ③たけちゃん ④こっちゃん ⑤キキちゃん
①20世紀号 ②1789 ③ファントム ④王家に捧ぐ歌
①とうこさん ②あさこさん
①あすかさん ②おはなさま 

三井住友VISAカード ミュージカル 『エリザベート-愛と死の輪舞-』
脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ  音楽/シルヴェスター・リーヴァイ
潤色・演出/小池 修一郎 演出/小柳 奈穂子
平成28年7月31日 宝塚大劇場 午前15時公演 1階29列センターやや下手側A席


この観劇の22日前に、日本での『エリザベート』上演史上、最高のシシィ、最高レベルの公演を体験したばかり、正直なところ、かなり見劣りする感じがするのかもしれないと思わないわけではなかったのですが...(「でも、ビジュアルを楽しめばいいや」と思っていたとか、思っていなかったとか (笑))


圧倒的なトリプルタワーのビジュアル力を蹴散らし?、この公演の成功の最大の立役者となったのは、”The Golden Age” 95期生・娘役・入団時トップ成績(全体4番)のこの方


● 『エリザベート』宝塚上演史上、最高の歌唱?

エリザベート  実咲 凜音(95期 「みりおん」「りおん」)  演技 ☆☆☆☆☆  歌唱 ☆☆☆☆☆


先ず少女時代。元来小柄、演技もかわいらしく、おてんばな女の子をよく表していて、さらに声も少し軽めにしている...ある程度、予想通りとはいえ、「さすが、みりおん!」
まぁ様の不調を挟み、その後のフランツとの絡み~二人の並びの美しさ。歌も依然として、軽々とこなしているようにしか聞こえない。続いて、

『最後のダンス』
まぁ様、テーマ曲程ひどくないはものの、依然として不安定。対照的にみりおんは、全くのノーミスでこなしていく。そして、

『私だけに』
意外に静かに軽めの声で入っていく、軽々と歌っているようにしか聞こえない。徐々に盛り上がり、より強い発声が必要となっても揺らがない。感情を徐々に高め、きちんと歌に込めつつ、音程はしっかりととれた見事な歌唱。「さすがに、最後は」と思って聞いていましたが、最後の「私だけに」~「私に」。勿論一番強く、しかも音も一番高い...にもかかわらず、全く揺るぎなく、十分に声を響かせ、十分に声を伸ばして、(余裕をもって?) 歌い切りました (ここは、音程が定かでないような、絶叫調に陥りがちなところなのですが、みりおんの声は、しっかりと音程がとれた美しい歌声になっていることにも感嘆)。みりおんが歌うと、この難曲が簡単な歌のようにさえ感じる。
「......素晴らしい...」

その後も、最後まで、数多くのナンバーがあるにもかかわらず、実に見事な歌唱が続いていく。
『夜のボート』
まかぜっちの頑張りもあって、素晴らしい出来でした。

全ての歌に十分に情感を込めながらも、歌唱のフォルムは全く崩れない (全くのノーミス)。正に、最高レベルの歌唱を堪能させていただきました。
事前に、「史上最高のシシィを聞けるかも?」と予想はしていたのですが、全楽曲を完全に歌いこなす「完璧なシシィが聞ける」とは予想できなかった。もう、これを聞くだけでも、この公演を観劇する価値は十分にあると言っていいでしょう。

芝居はオーソドックスな作り、基本的に、おはなさまの作りなのかな? 少女時代から晩年まで、2回とも変わらぬ完成度でした。

このシシィも、おそらく、もうすでに (公演は始まったばかりなのに)、歌だけでなく、芝居もほぼ完成されているんですよね。
『王家に捧ぐ歌』を観劇した時に思いましたが、ラダメスもアムネリスも、公演が進んでいく中で、芝居も歌も、色々と変化していきましたが、アイーダは、ほぼ変わらなかった。というか、変える必要がないほど、最初から完成されていた。

作品が、難しければ、難しいほど、さらに、その実力が引き出される...。みりおんの底知れぬ実力の凄さを、王家以来、久しぶりに体験させて頂いて、「みりおんアイーダ」と「みりおんシシィ」の両方を実体験できたのは、本当に幸せなことと実感しています。


○ この前のお花さまシシィと比べてみると...

それでも、お花さまの方が一枚上かな。
まず、声質自体、やはりお花さまの方が美しい。”声の響きがより美しく、声の厚みも少し上”。歌唱法的にも、”より感情を込めうるテクニック”を持っている (この辺は、みりおんも、今後の公演で進化してくるかもしれない。アイーダと比べると、少し表現が大人しい雰囲気があったし...。まぁ様の不調を受けて、きちんと歌い切る方を重視の安全運転だったのかもしれない。それでも、あのレベルなら驚異的...。”余裕をもって、歌い切っている”という点では、みりおんの方が上かもしれません) し、前にも書きましたが、”頭声と胸声の差が殆ど分からない”ような歌唱は、ちょっと信じられない位の素晴らしさです。

“皇后エリザベートとしての美”という点でも、やはりお花さまの方が少し上でしょうか (みりおんは、ちょっと痩せすぎだし)。ただし、演技力自体は、そんなに大きな差はないと思います。

でも、こんなにも素晴らしい...、”美しく、しかも、完璧な歌唱のシシィお二人”を連続して聞けるとは...。結構、奇跡的なのでは? もうこれ以上は...(「こっちゃん」だけ? (笑))

8月の博多座~大劇場連続観劇も本当に”今からワクワク”です (あいだ1日だけ空きますけど)


● 観劇おすすめ度  ☆☆☆☆
色々あっても、この日の午前は、久しぶり (前回公演の東京千秋楽以来だから、1年8か月と15日ぶり (笑)) に、生で観劇した宝塚版『エリザベート』
観劇後は、「やっぱりいいなー (ジーン)」でした (午後は、ややテンションが落ちましたけど... (笑))

まぁ様の歌さえ良くなれば、勿論 ☆☆☆☆☆ 絶対必見の素晴らしい公演です。

シシィ
(トートは、どこまで追いつけるか?)




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