道場という場所には、少し特別な空気がある。

扉を開けた瞬間、

どこか静けさが満ちている。

日常のざわめきとは、少し違う。

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同じ空間なのに、

立ち方が変わる。

姿勢が整い、

自然と気持ちが引き締まる。

それは誰かに言われたわけではなく、

身体が覚えている感覚。

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道場は、ただ稽古をする場所ではない。

自分と向き合う場所だ。

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うまくいかない日もある。

打てない。

動けない。

思うようにいかない。

そのすべてを、そのまま持ち込める場所。

ごまかさなくていい。

取り繕わなくていい。

今の自分が、そのまま現れる。

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そしてまた、整え直す。

構えを正し、

呼吸を整え、

もう一度立つ。

その繰り返しの中で、

少しずつ自分を取り戻していく。

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道場には、時間が積み重なっている。

先にここに立っていた人たち。

同じように悩み、

同じように前に出てきた人たち。

その見えない時間が、

静かに流れている。

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だから、安心できる。

一人ではないと感じられる。

言葉がなくても、

どこかでつながっている。

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厳しい場所でもある。

甘くはない。

簡単でもない。

けれど、それでもまた戻ってきたくなる。

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それはきっと、

ここが「自分でいられる場所」だからだ。

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外ではうまくいかないことがあっても、

ここに来れば、もう一度立てる。

評価ではなく、

結果でもなく、

ただ、自分として向き合える場所。

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道場とは、特別な場所ではない。

けれど、

特別な時間が流れている場所だ。

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今日もまた、その場所に立つ。

変わらない空気の中で、

少しだけ変わった自分と向き合う。

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道場という場所の意味は、

きっと一つではない。

けれど、その中にあるものは、

どこか同じだ。

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それは、

「戻ってこられる場所」であるということ。

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そしてまた、そこから前に出ていく場所であるということ。


via 村島弘之's Ownd
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