ありがとうは有難いから来た言葉で、滅多にないとか、
奇跡と言うニュアンスです、何が奇跡かと言うと人間
に生まれる事を仏教では有難い出来事として考えます、
どの位有難い事かと言うとお釈迦様が「盲亀浮木(もう
きふぼく)」で説明されました、盲目のウミガメが百年
に一度浮かび上がって、漂流する丸太の穴に頭を突っ込
む確率のことです、正に奇跡です、
この世には草木昆虫など人間の数億倍の生命がありますが
高々人間は現在で七十億です、この希少な存在の人間に生
まれることが「奇跡」なのです、人間が日々生活する事は
奇跡の蓄積なのです、その事に感謝するのが人間としての
存在意義なのです、人間としてどのような状態でも生きて
いることが有難い事なのです、有難いの反対語は「当たり
前」です、日々無事な事が最良の人間生活なのです、仏教
はまず人間として存在している事に感謝する事から初まり
ます、人間の一生は生、老、病、死、の四苦があり、それ
を乗り越えるのが仏教の悟りです、この四苦からは逃れら
ません、逃れられない事を考えても仕方がありません、そ
んな事にこだわるよりも、日々、前向きに生きる事が悟り
の第一歩です。京の仏教遺跡が美しいのは生きる糧として
美が重要である事を示しています。美の発見は生きる糧で
あります、京では発見に勤めて下さい。