本来は中国の茶の産地、天目山の寺院で使われて
いた茶碗の中で、窯で焼かれた時に星の様な模様
ができたもを「曜変」と名付けて東山御物の中で
最高級の大名物で日本にしかなく、それも、本当
の曜変は国宝三つだけです、
本来、窯で焼かれたときの突然変異は「窯変」と
言いますが、天目だけは光り輝くと言う意味から
「曜変」と書きます、日本ではこの窯変が珍重さ
れ、失敗ではなく、偶然の産物として珍重されま
した、備前の火襷(ひだすき)等が代表です、
天目の漆黒の釉薬に光り輝く星空を思わせる景色
はやはり人知の及ばぬものがあります、しかし
侘び茶の進化は違った方向に進み、華麗から質素
に変換します、最終、利休は漆黒の一色に至りま
す、黒楽茶碗です、景色とは一体何なのでしょう。
今回の曜変天目は油滴天目と言われる物で全体に
斑点が浮かび上がった景色のものです、
因に国宝の茶碗は八椀だけでその内の五椀が天目
です、国産の茶碗は二椀で朝鮮産が一椀で井戸茶碗
「喜左衛門」です、唯一作者が解っているのは、銘
「不二」の本阿弥光悦作です。