こんばんは。

 

 ここ何回か先月行われた気象予報士試験(第48回)の実技試験問題に関して感想と言うか、思った事を書いています。今回は実技試験2について何度かに分けて書きたいと思います。

 

◎実技試験2

 1.ストーリー

  時期は某年4月上旬の3日間で、北海道付近にある低気圧の推移、トラフの位置、日本の南海上に位置する停滞前線の推移、関東地方の風や気温の実況と良い言い方をすればバラエティに富んだ、悪く言えば各設問の繋がりが無くストーリーをイメージ出来ない問題構成となっています。

 そして個人的には、大問が3問だと難解で苦戦した事が多かったと記憶しています。

 

2.各問題

【1】問1

(1)穴埋め問題 

 前半は気象衛星画像から十種雲形を読み取り、地上   天気図から前線の種類や海上警報を埋める問題、後半は高層天気図から気温や強風軸と緯度の関係、更には寒冷渦の鉛直方向(500hPaと300hPa)の気温から圏界面の様子を問う問題となっています。

一つ一つの設問は基本的な事を問うており、配点は小さいと思いますが(多分各問1点ですかね。)、出来れば満点を狙いたい所です。

 

(2)気象衛星画像読取り 

 気象衛星画像から指定されている雲域がどの雲形かを選ぶ問題です。設問は単純ですが、例えば雲域CとかDはどこに属するか画像を見ただけでは迷うのではないかと思いました。そんな時は地上天気図を見るとヒントが隠させている事があります。雲域C付近には上層雲の一種である巻雲の記号があるので、それに気づいた方は解答できたのではないでしょうか。

 

(3)高層天気図読取り

 850hPa、700hPa図から各気象要素が読み取れるかを問うた問題です。

 見たままを答えれば良い問題が多い中で、高気圧性循環の位置や相当温位の分布と言わずに「湿度」と置き換えた設問があるのが印象的でした。

 高気圧性循環は風向が周辺と比べて不規則で時計回りに吹いている箇所ですが、解答例に幅が無いのでこれのみが正解だとすると差が出るかもしれません。

 相当温位を湿度に置き換えた設問ですが、相当温位が南側は330K程度、北側が300K程度となっています。「相当温位が高い=湿っている」、「低い=乾いている」、「等相当温位線が混んでいる=勾配が急」と連想出来るかどうかでしょうか。

 

(4)前線描画など

 前線を位置を決める根拠となるのは850hPaの等相当温位線又は等温線です。

 今回は850hPa相当温位図(図5)が12時間予想図しか提示されていないので等温線の混み具合で決めるのかと思いましたが、よ~く見ると、850hPa相当温位図(図5)は初期時刻8日21時に対する12時間後の予想図、つまり図5は9日9時の様子を示した天気図となりこの時の等相当温位線の混み具合で前線の位置を判断する事が出来ると思います。850hPa等温線が描かれている図4だと寒冷前線は何となく描画出来ますが閉塞している箇所や短い温暖前線を導き出すのは難しいのではないでしょうか。

 また最後に湿数の分布の様子を問うていますが、解答例通りに答えるのは気づくかどうかと言う観点から見ると中々難しいかなと思います。

 

 問1で差が付くとしたら解答に時間が取られるであろう事も併せて(4)辺りかなあと、個人的には思います。

 

 今回はここまでです。次回は問2について書きたいと思います。

 

 

 

 

 


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