簡裁代理権の存亡の危機に向けて | 横浜 コーディアル司法書士 所博之

横浜 コーディアル司法書士 所博之

LECと伊藤塾を通じて司法書士講師業25年のキャリアを活かしたブログ

年の瀬も迫り、忙しいこともあり、ブログの更新もできなくなっていましたが、いかがお過ごしでしょうか。

おかげさまで、娘のサッカー部は選手権全国大会へコマを進めましたが、残念ながら息子のサッカー部はPKでの予選敗退となりました。息子には、この悔しい思いをバネに、新チームでの活躍に期待したいところです。

 

業務では、警察や家裁まで巻き込み、家族が誰ひとりとして身元引受人となってくれない方の後見業務もようやく目処が立ち、落ち着きつつありますし、人証として尋問を経験した損害賠償訴訟では当方の主張を全面的に認めた勝訴判決を得ることもでき、裁判業務での貴重な経験をまた積むこともできました。

 

また、今年の年末年始も、横浜公園での医師や弁護士等と連携した「反貧困年末相談会」、横浜市中区寿町生活者のための「年末年始法律相談会」へ参加予定のため、生活保護などを含めた、さまざまな法律問題に絡む相談を受ける予定でいます。前回の寿町での法律相談には、思いがけず山本太郎参議院議員も駆けつけてくださり、ご挨拶や名刺交換などをさせていただきました。

 

さて、12月4日には、有期雇用契約者の2018年問題をテーマにした労働問題ワーキングチームでの講義も無事に終えることができ、ホッとしているところですが、来週には司法書士会の裁判事務推進委員として、「裁判事務ペーパードライバー(ここだけの話)1回」も企画しています。

 

これは、平成28年度簡易裁判所取扱事件数32万9379件のうち、司法書士が代理した事件数が全体の1%にも満たない状況で、司法書士の簡裁代理権等関係業務は存亡の危機を迎えていることに鑑みての企画です。

 

この状況において、私自身も労働問題ワーキングチームの委員長、そして簡裁代理権取得のための特別研修委員(チューターなど)を担当していること及び多くの解決した裁判事例を持つこともあり、裁判事務推進委員に任命された次第です。

 

この委員会の活動の一環として、司法書士向けの裁判事務に関連する研修会を定期的に開催し、今更他人に聞くことが憚れる基礎的知識から各事件の諸論点、実務上の技法、依頼獲得の手法、担当した司法書士の報酬内容やその基準など、いわゆる教科書には載っていない部分にも目を向け、あくまで司法書士の視点での講義をすることになっています。

嬉しいことに100名の定員でしたが、すぐに満たし、応募は締め切りとなっています。

 

今、合格者の多くが成年後見業務に関心を持っていますが、折角の特別研修を経て簡裁代理権を取得しても、裁判事務の経験を積むことや情報共有及び情報提供が難しいこともあってか、裁判離れは進んでいます。

 

こういった状況下で、若手の司法書士が、この企画をもとに、裁判事務にも関心を持ってもらい、ペーパードライバーで終わることなく、経験値の高い司法書士との共同受任や報酬等の助成を検討し、裁判事務も受任してもらえるようにしていきたいと願っています。

かつて簡裁代理権取得に向けて、法律家としての高い志を持ったあのときを思い出せるように。

 

 

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