(4)「野菜はなぜ認知症に良いのか」のつづきです。
きのこ
きのこはご存知の通り、真菌、つまりカビの仲間です。重金属などの解毒に役立つ硫黄を含み、ビタミンBやβ-グルカンも豊富です。 β-グルカンは、免疫機能を高め、認知機能低下の改善に役立つと考えられています(補足:主要なβ-グルカンの効果発現機序は、①マクロファージ上のレセプターと結合して細胞内グルタチオン濃度を上昇させること、②IFN-γ産生亢進などを経由してTh1応答を活性化させることのようです。参考:加齢に伴う免疫力低下とβ-グルカンの是非。なお、β-グルカンは分子量により作用が変わるという特徴があり、真菌などに含まれる高分子β-グルカンは炎症性腸疾患の症状悪化につながり、コンブやワカメに含まれる低分子β-グルカンがそれを抑制するという報告もあります。日本人にはきのこより海草の方が良いのかもしれません。参考:低分子βグルカン摂取により炎症性腸疾患を予防,改善する昆布がお腹の調子を整える!—腸内細菌を介した分子機構の解明—)。
免疫改善効果は、白マッシュルーム、クレミニマッシュルーム、ポルトベロ、シタケ、レイシ、アンズタケ、オイスターマッシュルーム(ヒラタケ)その他、ほとんどすべてのキノコに存在します。きのこは熱に安定しているため、ニンニク、玉ねぎ、野菜と一緒に調理すると風味を増し、栄養価も高くなります。
ハーブとスパイスは抗ウイルス作用・抗微生物作用があり、ほとんどが果物や野菜よりもより多くの抗酸化物質を含んでいます。より栄養価が高い新鮮でオーガニックな
ものを選ぶようにしましょう。
食物繊維と難消化性でんぷんは、野菜を多く含む食事に含まれています。食物繊維と難消化性でんぷんは腸内の善玉菌によって消化されて優れたエネルギーとなるSCFA(短鎖脂肪酸)やケトン体を産生し、腸内壁の補修や免疫システムの調節に関与します。また、食物繊維と難消化性でんぷんを摂ることによって満腹感を得られやすくなり、腸の機能調整に役立ちます。
次回は果物についての解説です。
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