トラッキング
マウスの動きをトラッキングするセンサー部分は「レーザーグレードトラッキング（LGT）」となっていて優れたトラッキング性能と長い電池寿命が特徴、と公式サイトでは謳ってます。実際試してみると、透明なガラスの上、木製机、白一色の机、布で確かめてみると正確にトラッキングできています。恐らくトラッキングに関しては不満を感じる人は少ないと思います。
バッテリー寿命
続いてバッテリー寿命は単三 2 本で最大 6 か月とロングバッテリーライフを謳ってます。ただこれに関しては PC の使い方によって大きく変わると思うので 6 か月と言う期間に関してはあまり期待しない方が賢明ですかね。個人的にワイヤレスマウスのバッテリー寿命は単三 2 本で 3 か月持てば合格ラインですが、まだ交換の時期まで使っていないのでバッテリーに関しては保留。ちなみに G700 などは持って 12 時間、スペック的にも使用感的にもいいマウスなんですがバッテリー交換が面倒な常時使うマウスとしては微妙だったマウスもあります。
■ロジクールの「マウスの電池寿命に関する豆知識」ページ
http://www.logicool.co.jp/ja-jp/mice-pointers/articles/6771
ボタンタッチ
タッチマウスなのでボタンは当然ありませんが、左右のクリックはきちんと、正確にできます。マウス上部 2/3 がクリック範囲で、左半分が左クリック、右半分が右クリックの範囲。範囲内であれば指は 1 本でも 2 本でも動作します。
ロジクールのマウスウェア SetPoint で左右のクリックを入れ替えることが可能。
予め設定されている 4 つの Windows 操作に対して有効無効、有効の場合はどのジェスチャで発動させるかを設定できます。正直、自分の場合この 4 つの Windows 操作はキーボードでやってるのでまったく不要な設定なんですが。と言うかここで設定できる操作がこの 4 つしかないのが駄目過ぎでした。
他社製を含めタッチマウスを幾つか使った感じから、タッチマウスのほとんどはハード的には良くできているんですが、それを生かすソフトの機能が乏しいの駄目なところ。この t620 も同じでクリックのカスタマイズに関して全く満足できるレベルではなかったです。ロジクールだからその辺もしっかり作りこまれているのかなぁと期待していたんですがねぇ。期待していたのは、好きな位置で好きなジェスチャーを設定、これに好きな機能を割り当てる、これを期待している訳ですね。
もう少し言うと「好きな位置」、これに関してはそう細かく制御するのは難しいと思うのでせめて「タッチ部下部の右、真ん中、左」の 3 箇所くらいは用意してほしいですね。この場所でクリックなのかダブルクリックなのか、スワイプなのか「好きなジェスチャー」を設定。このアクションに対して SetPoint でお馴染みの機能やキーストロークの割り当てをする訳です。
そろそろタッチマウスも熟してきた頃なのでフルカスタマイズ可能なハイエンドなタッチマウスが出てきてもいいんじゃないかなぁと思っている今日この頃ですが、ロジクールに期待しては駄目なんですかねぇ……。そんな意味では t620 は残念な仕様でした。
スクロール（スワイプ）
上下左右のスクロールはホイール実体がないにも関わらず気持ち良くできます。この当たりの調整はグッドジョブですね。スクロールはマウス上部 2/3 のクリック範囲であればどこでも可能で、別の指がマウスに乗っていてもスクロールと認識されます。
戻る／進むがフリーの機能割り当てではなく、固定機能としてしか設定できないのが残念ですが一応、1 本指スワイプ、2 本指スワイプが選べます。稀に垂直スクロールと戻るの左スワイプが誤認識して、画面を下にスクロールしたつもりが前ページに戻った、という体験をしたので、今は戻る／進むは 2 本指がお勧めです。
と、マウスウェアの SetPoint で設定できる範囲はこの辺までです。普段、多ボタン仕様のマウスでボタンにキーストロークやら機能やらを設定して使っている人（私も）だとカスタマイズできるところが少ないので物足りなさを感じます。が、マウス本来の動きをトラッキングして左右のクリック、スクロール操作を行うというマウスの基本性能はしっかり正確に動作するので、その点での不満点はありません。
マウスをシンプルに使っている人でタッチジェスチャーなマウスを探している人には是非お勧めしたいマウス。個人的には Windows 環境ならアップルの Magic Mouse よりお勧めしたいです。これを期に多ボタンマウスから離れてみますかねぇ、…自分は無理かなぁ。