前回、福祉施設で作るお菓子について考えたことを書きました。
続編。というか自分での整理です。振り返り。
福祉施設へパティシエとして入って、じゃあどんなお菓子を作っていく?というところで
今はどんなお菓子を作っていて
どんなところに問題点があって
どうなっていきたいかをリサーチしました。
●作っていたのはマーガリンと市販のグラノーラを使ったクッキー。
●問題点
買い物にわざわざちょっと遠いコストコまで行っている
時間をかけてわざわざ特定の人が買いに行かなければならないのはよくないと思いました。買いに行く時間もコストだからです。そしてその人が買いに行かないと回らないとか、リスクです。頼らず、回せるほうがいいと思います。
原価と利益があやふや
ありがちですがもちろんよくない。施設利用者さんにお給料として還元されるのでここはしっかりしたいです。
家庭で作るクッキーというイメージ
家庭のクッキーと比べられてしまいます。魅力が少ない。買うか買わないかのフィールドに立ちにくい。掴みどころがない。買う理由が少ない。
複合原材料を使用しているので裏に貼る原材料名が多くなるが、きちんと表示されていない。
裏の材料がびっしり書いてあったら、何これ?となりませんか?大手の商品にはよくありますが、大手の商品と並んだら絶対に負けますよね。買う魅力が少ない。なんか添加物もいっぱい入ってる!とかマイナス要因だし。まず表示がきちんとされてなければ信用も下がります。期待されない。
売れていない。
せっかく取り組んだ商品なのに売れずに苦労が時間が水の泡になったら残念ですね。利益がないばかりか、作らないほうが材料費や時間というコストを使わずに済みます。遊びならいいですが、施設利用者さんのお給料にしなくてはいけない。
売れないのはいろんな理由でお客さんがついていないのです。
私は飛び抜けてすごいアイデアを出せませんが、上記をリサーチして考えて、施設に提案しました。
お客さんにとって価値があるものをフェアトレードで売りましょう。
健常者ではなくハンディキャップを持った方々が作業するので、特別な技術がなるべく少ないものを作る。作業を完全マニュアル化する。
ママの手にとってもらえるよう、なるべく安心安全な材料で作ること。
工場とは並ばない、手作り感。
普通のお菓子屋さんと並ばない、卵や乳製品を使用せず作るお菓子。
アレルギー対応、という必要性。
価値を上げるため、信用を上げるため、材料にある程度こだわる。
原価を安定仕入れで確定し、適正価格にする。
この施設のストーリーを大事にする。
美味しく作る。安定して作る。
そう決めて、試作と試食の日々が始まったのでした。充実の楽しすぎる毎日。