ミチコさんは友達も多かったようで、ウィークデーの帰宅時間も遅いようでした。

下宿にはお風呂がないので、銭湯通い。

だから深夜に帰宅ということはありません。

銭湯といえば、こんなエピソードが…

ある雨の夜、ミチコさんが銭湯へ向かっていると傘もささずに歩いている若い男性がいたそうです。

ミチコさん、

「よかったら、途中までご一緒にどうぞ」

相合い傘で、話をしながら銭湯に着きました。
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「じゃあ、私はここで…」

「よかったら、お茶でもいかがですか?」

「いえ、私はお風呂に行きますので」

ミチコさんの部屋でお茶しているときに、そんな話をしてくれました。

「雨に濡れてかわいそうだから、傘に入れてあげただけなのに、男の人ってそんなふうに勘違いするものなのかしら?」

優しいミチコさんらしいエピソードです。

そんな風に若い女性から傘をさしかけられたら、私だったらどうするかな?

そんなミチコさんには、いろんなところへ連れて行ってもらいました。

新宿にあった「カンタベリーハウス」というディスコには、クロパンと三人で行きました。

私にとってのディスコ初体験でした。

その夜ミチコさんは緑のマキシスカート、私はベルボトムのジーンズといういでたちでした。
(当時人気だった青春ドラマ)

ミチコさんの提案で、日曜日に遊園地へ三人で出かけたこともありました。
ミチコさんがお弁当を作ってくれました。

場所はよみうりランドだったかな?

三人で出かけようとしてたときに、玄関先で大家さんの奥さんとばったり会いました。

ミチコさんが
「今から三人で遊園地に行ってきま~す」

「一緒に写真撮りましょう」

大家さん

「ちょっと待っててね。
    せっかくだからお化粧して来るわね」

そんな若々しい気さくな大家さんでした。

「下宿のみんながそんなふうに仲良くしてくれるとうれしいわ~」

ミチコさんと二人で出かけた思い出は
 「スタイリスティックス」のコンサート。

「チケット手に入ったから一緒に行かない?」

ビンボー学生だった私が四年間の学生時代に唯一見に行ったコンサートでした。

場所は確か新宿だったと思いますが、コンサートが終わった後、食事でもしたのかまっすぐ下宿に帰ったのか記憶にありません。


続く