大学二年から卒業までの三年間を過ごしたこの下宿。
学生時代のこと①
私が卒業して福岡に帰った後もミチコさんとクロパンはこの下宿に住み続けました。
卒業後にミチコさんと再会したのは、二回あります。
一度目は私の新婚時代に父が東京に行ってみたいと言うので、カミさんと三人で上京したときです。
カミさんを連れて、新宿のタカノフルーツパーラーで待ち合わせしてお話ししました。
二度目はその四年後。
私が東京にひと月ほど研修に行ったときに、土曜日の休みを利用してミチコさんの家に遊びに行きました。
その頃はミチコさんも結婚されて、千葉の市川にお住まいでした。
下宿の思い出話に花が咲きました。
話が尽きずその晩は泊めていただき、翌日も夕方までお話して研修の寮へ戻って行きました。
いまでもあの下宿の夢を時々見ます。
読み終わったら、共同炊事場に置いておくというのがルールでした。
ミチコさんと私の部屋はとなりどうし。
窓を開けたら屋根があり、天気がいい日は屋根に布団を広げ干していました。
テレビドラマ「時間ですよ」の堺正章さんと隣の真理ちゃんみたいに窓越しに話をしていました。
四畳半の部屋。
一年のときに住んでいた下宿は二畳半。
学生時代のこと①
勉強机、卓袱台代わりのコタツ、本棚、ファンシーケース、小型テレビ、ステレオデッキに緑のカーペット。
これだけしかないので、引っ越ししてきた当初はものすごく広く感じたものでした。
ミチコさんの部屋には冷蔵庫、ステレオもあり私の部屋に比べて随分狭く感じたものでした。
ミチコさんはお姉さんがいる二人姉妹。
私はオトコ三兄弟。
お互いに弟と姉が欲しかったという話をしたことがあります。
ミチコさんには彼がいて、私にも遠距離恋愛している彼女がいて、お互いに恋愛の悩みを相談しあったこともありました。
お互いにおんな姉妹、男兄弟の環境で育ったので
「男のひとってそんな感じなの?」
「女性ってそんなふうに思うわけ?」
二人でそんなやりとりをしていました。
青春の多感な時代に、ミチコさんと三年間同じ屋根の下で過ごしたことは、私の人生にとってとても貴重なそして楽しい経験となりました。
「還暦同窓会」やってみたいものです(^^)
完