タイヤ、のはなし。 | バイクとサーキットと旅と生活。

バイクとサーキットと旅と生活。

のんびり、マイペース。
真実だけではなく虚構も入り混じっております。
チラシの裏の落書き程度にご覧くださいませ。

今回はタイヤのお話しです。


本当に長いです。

内容も自己責任のもと判断して下さい。

私は責任を負えませんので、、、チーン



まず、タイヤの事を知る前に、バイクと言う乗り物は

『リアタイアに引っ張られてフロントタイヤが作動する』

と言う事を覚えて下さい。

これはバイク乗りが一度は聞くであろう『セルフステア』と言う言葉と関係が有ります。


セルフステアを分かり易く体験するには自転車が効果的です。自転車を走らせる必要も無いんです。


方法としては、まず自転車を直立させリアタイアの上の荷台辺りを持ち、左右どちらかに倒してみて(バンクさせて)下さい。

すると、倒した方向にステアリングが切れてタイヤに舵角が付くはずです。

当たり前でしょ!って思うかもしれませんが、

では自転車を直立させた状態でステアリングのみを切ってみて下さい。フロントタイヤが左右どちらかに向いてもバンク角はつきません。


これで、リアタイアのバンク角によってフロントタイヤに舵角がつくのが解ると思います。この動きがセルフステアなのです。


だからこそ、バイクに乗っているときは上半身の力を抜きハンドルに力を入れない(セルフステアの動きを邪魔しない)と言うのが大切になります。


そして、基本的にバイクはリアタイアにエンジンの駆動力が伝わり動きます(ごくまれに2駆のバイクが有るので、、、)。

リアのバンク角がフロントタイヤに影響を与えるのでリアタイアがフロントより大きく太くなるのです。

また、バイクのタイヤが凸型になっているのもバンク角を出す為でも有ります。




では、ここからはタイヤを上手く使う方法です。


タイヤは風船と同じで空気が入っています。

空気の分子はゴムの分子より小さいため、徐々にタイヤの中の空気が抜けて萎みます。

なので、最低でも1月に1度は空気圧のチェックをするのが良いです。

なぜ、適性空気圧が必要なのか?

それはタイヤの構造を守る事と異常発熱から来るバースト等を防止するためです。


タイヤは『面』で地面に接触しているように感じますが、実は走行中は『点』で接触しています。

ただ、点の集合体の様なモノが面のように働くので

面で接触していると捉えても間違いでは無いです。

タイヤはその形を維持するために空気で形を維持していますが、空気が抜けるとタイヤがたわみ易くなります。

そうなると点(面)で路面に接触している所に今まで以上に力が加わり発熱が高くなるんです。


タイヤのたわみを人間の屈伸運動に置き換えてみましょう。

タイヤの内圧が適性値の場合は、人間の筋力もそれなりに有る状態。膝や腰でしっかり自重を受け止める事が可能なのでじっくりと屈伸が行え身体の暖まりはゆっくりなはず。

逆に内圧が低いのは筋力が余り無い状態であるものとして、屈伸をするのにフラついたりその影響で自重を支えるために、ときおり早く屈伸運動をしなければなりません。

コレでは身体に負担がかかり、発熱が高くなるのが想像できるかと思います。

異常に発熱してタイヤの内圧が急激に高くなるので結果としてタイヤの破損に繋がります。


そして空気は熱により影響を受けて膨張しますので、走行前に空気圧を正しく調整するのが大切です。

この空気圧は基本的にバイクメーカーが指定している空気圧で大丈夫です。

車両によっては空気圧が書かれたステッカーなどが貼られておりますので車両を確認するか、車両の取扱い説明書を確認してみて下さい。

ただし、ブリヂストンのR11、ダンロップのD213GP(D212GP)、ピレリのディアブロスーパーコルサSCは『タイヤメーカー指定の温間空気圧』の指定が有るのでこの限りではありません。


空気圧計測にはタイヤメーカーが販売しているエアゲージがお勧めです。

 

↑このエアゲージが本当にお勧めです。

タイヤメーカーの販売するエアゲージは校正もしっかりしているので、誤差が少ないです。

ただしエアゲージは精密機械ですので、バイクに積んで行くのは止めた方が良いです。バイクの出す振動って本当に厄介で、エアゲージは簡単に狂ってしまう事があります。


測る物(エアゲージ)は買えてもタイヤに空気をいれる物が無いなんて場合もあるかと思います。

最近は電動のコンパクトなエアポンプも出て来ましたし自転車の空気入れみたいなポンプでも空気を入れる事も行えますが、ソレも買うのは微妙だなって人にはガソリンスタンドでの空気圧調整が有ります。

でも、必ずタイヤメーカーの出しているエアゲージは購入してくださいね。

バイクで出掛けた後に最寄りのスタンドに行く事が有るかと思います。

そのとき、給油と一緒にタイヤのエアーを補充しましょう。

そしてその補充量は規定圧より少し高めにします。

(フロント側が規定250kpaなら270kpaぐらいまで、リア側規定が290kpaなら310~320kpaまで)

この時、規定量より高いからと空気圧を下げてはダメです。

規定量より高くともそれよりほんの少しだけ高くするのが良いかもしれません(規定量250の所

現状260になっていても270までは上げる等)。

規定より高くなっていて更に補充した場合は自宅まで慎重に走行して帰って下さい。

帰宅してからバイクを放置します。

目安としてはブレーキキャリパーやディスクローター、ホイールのアクスルシャフト近くを素手で触って暖かみを感じないぐらいです。

今ぐらいの冬だと全てが冷たい!って感じるぐらいまで放置です。

その後にエアゲージでタイヤの内圧調整をして下さい。

そうすれば高い状態から下げるだけの操作で適性値にできます。


~タイヤのグリップについて~

タイヤにはシリカ等の発熱剤が使われており、一定の温度に上げるとグリップ(路面への食いつき)が変わります。

よく、サーキットを走る人の中に「空気圧を下げるとグリップが増す」と言う人がいますがコレは間違いです。

グリップはコンパウンド(タイヤのゴム)の種類とタイヤの温度状態で決まるので、グリップは空気圧で増減しません。

正しくは「グリップ感が増す」と言うのが正確です。

サーキットの路面は公道のアスファルトより均一に荒く作られていて、タイヤへの負荷が高いです。

なので、同じタイヤで同じ空気圧、走行速度が同じでもタイヤが発熱し易くなっており、空気圧が高くなり易いのです。

なので空気圧を下げて跳ねたりする感覚を抑えたり、空気圧が高過ぎてタイヤが堅く感じるのを下げるために空気圧を落とします。


~タイヤの温め方~

タイヤは温度によりグリップが変化します。

タイヤを温める方法ですが『タイヤウォーマーを使いホイールやキャリパーが熱く温まるまで使って下さい』なんて事を書くと殆どの人が無理だと思いますので、ちゃんと説明します。

タイヤは伸びたり縮んだりして暖まるのです。

そして適性空気圧範囲で有ることを前提条件とします。

F1のスタート前、グリッドにつくとき激しく蛇行させるのを見たことが有るかと思いますが、アレではタイヤは暖まりません。

タイヤを暖めるのはブレーキをかけてタイヤを潰すのです。

普段より気持ち強めでブレーキをかけます。

車体は真っ直ぐで大丈夫です。真っ直ぐ走っているときにブレーキの前後をしっかりかけて加速と減速をいつも以上に早く、強く行えばタイヤもブレーキもサスペンションも温まるのです。

コレを繰り返せばタイヤ周りだけでなく、身体も温まるので一石二鳥かと。


~ここからは自己責任で~

メーカーが指定するタイヤの空気圧は2人乗りで高速道路を飛ばしても問題のない状態にしているのが殆どです。(タイヤの変形を抑えバースト予防をしている) 

個人の責任で試して頂きたいのですが(↑のガソリンスタンドでエア補充の空気圧調整方法も個人の責任でお願いします)、規定値より±20kpaなら問題は無いです。

実際にメーカー指定の空気圧でエア調整をしても走行するとエア圧は上がりますからね。

そして、とあるタイヤメーカーの場合、どんなサイズのタイヤであっても冷えている状態で200kpaまでなら内部構造に影響は出ないと言っている所も有ります。

現状、私のS1000RRに履かしたS23は、フロントは250kpa、リアは290kpaの車両メーカー基準値ですが、走行距離が200kmを越えたらフロント230kpa、リア270kpaまで落としてみようと思っています。


タイヤの空気圧を弄るのも『セッティング』ですからね。

少し増減させてみて、乗り味に変化が出るかとかどの空気圧が好みとか試してみると楽しいかと思います。