虚偽表示、立件にハードル=行政処分も「切りない」-法改正求める声も

時事通信 11月16日(土)8時25分配信

 メニューの虚偽表示は、ホテルやレストランに続き、大手百貨店でも相次ぎ発覚、消費者の信頼を大きく揺るがす事態に発展した。消費者庁の阿南久長官は「業界全体が汚染されている」と批判したが、刑事事件としての立件には高いハードルがある。行政処分に向けた調査も「切りがない」状況で、全てを調べるのは事実上不可能だ。消費者団体からは「法改正が必要」との声も出ている。
 ◇外食は「性善説」
 食材の原産地を偽る表示に刑事罰を科す法律には、日本農林規格(JAS)法と不正競争防止法がある。ただ、JAS法が規制するのは流通過程にある生鮮食品と加工食品で、レストランなどで提供される料理は、そもそも対象外。不正競争防止法違反での立件には、同業者よりも有利に商品を販売して不正に利益を得る目的や、虚偽と知りつつ、故意に表示したことを立証する必要がある。
 不正競争防止法を所管する経済産業省によると、メニューの虚偽表示は、故意の立証次第で刑事事件に発展する可能性があるが、過去の摘発例は偽装商品を販売したケースばかりだ。宮城大の大泉一貫教授(食品流通事業論)は「(同法は)商品販売業者を性悪説に立って規制している。外食は商品とは違うサービス。客と店員が会話し、信頼関係を築けるため、性善説で考えられている」と解説した。
 一連の虚偽表示が抵触する可能性が高いのは、景品表示法の不当表示(優良誤認)だ。
 メニューを見た消費者が、実際の料理よりも優れていると誤認するか否かが違法性の判断基準で、故意のない過失でも適用できる。メニューに「京地鶏」と表示し、ブロイラーを使った料理を提供したホテルなどが、消費者庁から再発防止を求める行政処分(措置命令)を受けた例などがある。命令に従えば刑事罰は科されない。
 ◇「課徴金導入を」
 消費者庁は、悪質な偽装が疑われる企業に対し、厳正に対処する方針で、立ち入り調査も辞さない構えだ。阿南長官は阪急阪神ホテルズ(大阪市)を「自主的に改善策をやっていけるのか疑問」と批判、同庁は処分も念頭に調査を進める。
 ただ、次々と発覚する虚偽表示を全て調査するのは困難だ。「あまりにも続出しており、切りがない」(阿南長官)状況に、同庁は、業界の「自浄作用」に期待し、日本ホテル協会(東京)などに表示適正化への取り組み強化を求めた。
 主婦連合会の佐野真理子事務局長は「景表法は商品もサービスも網羅して規制しているが、措置命令では抑止力にならない。課徴金を導入するなどの法改正が必要だ」と話している。

食品偽装問題で百貨店協会が特別委を設置へ 加盟大手の相次ぐ発覚で
2013.11.12 10:59http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131112/biz13111211040000-n1.htm


 百貨店のレストランなどで食材偽装表示が相次いで発覚したことを受け、日本百貨店協会が再発防止策などを検討する特別委員会を協会内に設置するよう検討中であることが12日、分かった。同日開かれた自民党の消費者問題調査会で明らかにした。

 同協会は高島屋が偽装表示を公表した今月5日、加盟する百貨店に偽装表示などの調査・対応を要請しており、15日までに調査結果を取りまとめる。調査結果をもとに特別委員会で問題の背景や原因を分析し、再発防止に関する基本方針を策定する考えで、12月上旬に消費者庁に原因や再発防止策を報告する。

 調査会に出席した井出陽一郎専務理事は取材に「レストランの専門分野に(担当者が)どう入り込めるかが課題」と指摘。「信頼回復に向けた対応をしていきたい」と話した。

 調査会には百貨店協会のほか日本ホテル協会や日本中国料理協会など計5団体が出席し、問題の経緯や対応を説明した。

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食材偽装:阪急阪神ホテルズ、リッツ大阪に立ち入り検査

毎日新聞 2013年11月12日 11時05分(最終更新 11月12日 13時08分)

ホテルや百貨店でメニュー表示と異なる食材の使用が相次いで発覚した問題で、消費者庁が阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)とザ・リッツ・カールトン大阪(同区)に景品表示法違反(優良誤認)の疑いで立ち入り調査したことがわかった。一連の問題で、消費者庁が立ち入り調査をするのは初めて。今後、行政処分などを検討するとみられる。

 消費者庁は11、12の両日、阪急阪神ホテルズに立ち入り調査した。同じ阪急阪神ホールディングス傘下のザ・リッツ・カールトン大阪も11日に調査した。

 阪急阪神ホテルズは社内調査でメニューの虚偽表示が相次いで判明。先月7日に消費者庁に報告し、先月22日に発表した。「芝エビ」と表示したメニューで「バナメイエビ」を使用したり、「手作り」と表示した商品で既製品を使用するなど、計24店舗の48商品で実際のメニューと異なる表示をしていた。その後、各地のホテルや百貨店でも虚偽表示が発覚した。

 景品表示法は、実際のものよりも著しく優良であるものと示し、消費者の選択を阻害する表示などを禁止している。阪急阪神ホテルズなどの表示はこうした規定に違反する疑いがあるとみられる。措置命令などの行政処分も検討する。

 森雅子・消費者担当相は12日の閣議後会見で、「違反事実があれば厳正に対処する」と語った。

 阪急阪神ホテルズは取材に「立ち入り調査の内容は答えられないが、調査には全面的に協力していく」とコメントした。

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EUの食品認証制度PR 東京
11月11日 23時12分



全国のホテルやデパートで食材の虚偽表示が相次いで明らかになるなか、ヨーロッパの特定の産地や伝統的な手法で作られたワインやチーズなどの品質を保証するEU=ヨーロッパ連合の認証制度を知ってもらおうという催しが東京都内で開かれました。

EUはフランス・シャンパーニュ地方の発泡性のワイン、「シャンパン」をはじめ、特定の地域や伝統的な手法など一定の基準に沿って生産された特産品について、産地名を入れたブランドとして認め、品質を保証する制度を設けています。
このEUの認証制度をPRする試食会が11日、都内のホテルで開かれ、ヨーロッパの30余りの生産団体が特産品を展示しました。
会場には、ポルトガルのマデイラ島でおよそ500年前から作られ特殊な熟成方法で知られるマデイラワインや、フランス南西部で生産される風味豊かなバイヨンヌ産のハムなどが並び、訪れた人は「品質が保証されたヨーロッパの食材を楽しみたいと感じました」と話していました。
試食会に先立ち、EUで農業政策を担当するチオロシュ委員が記者会見し、日本で食材の虚偽表示が相次いで明らかになっている問題について「EUでは食品の安全性だけでなく、その食品が本物かどうかも厳しく管理している」と述べて品質の管理体制をPRしました。
EUは日本とのEPA=経済連携協定の交渉で日本国内でもEUの制度を認めるよう求めていて、催しを通じて日本の消費者に制度への理解を広げたい考えです。
イカの塩辛も虚偽表示 瀬戸内・産地偽装、逮捕の社長

 魚介類販売業「栄光水産」(瀬戸内市邑久町北島)による産地偽装事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕された社長の山下寿幸容疑者(57)が、農産物直売所・産直市場おく(同町尾張)で「当店手作り」として売っていたイカの塩辛について、「青森県の業者が加工したパック詰めを安価に仕入れ、トレーに移し換えて店頭に並べた」と、新たな虚偽表示販売を認める供述をしていることが8日、捜査関係者への取材で分かった。

 岡山県警生活環境課と瀬戸内署は、不正競争防止法を所管する経済産業省と協議。山下容疑者の製造方法を偽った行為も同法が定める「虚偽表示」に当たるとの判断を受け、立件する方針を固めた。

 捜査、店舗関係者によると、塩辛は青森県の水産業者が北海道沖などで捕れたイカを加工して真空パックに詰めたもので、山下容疑者は岡山市の卸売業者から購入。仕入れ後は数百グラムをトレーに移し換え、「当店手作り」とのラベルを貼って約2倍の値段の1個350円前後で販売していたとされる。

 卸売業者は、山陽新聞社の取材に「9年ほど前から取引があるが、手作りと偽っていたとは知らなかった」とし、直売所の元従業員は「人気商品で、補充のためパックのまま駐車場の冷凍冷蔵車から店内に持ち込んで、他の従業員に『手作りじゃないのがバレる』と注意されたこともある」と証言している。

 県警は、韓国産アナゴを国産と偽ったとして逮捕した山下容疑者と妻の同社役員幸恵容疑者(48)の調べを進めており、直売所で行われていた偽装行為の実態解明を急ぐ。

(2013/11/9 8:31)

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