十二日から全国運用が始まった消費者ホットライン。全国共通の番号にかけると、市町村や都道府県など最寄りの消費生活相談窓口に転送される。開始四日目で利用件数が一万件を超え、埋もれていた相談の掘り起こしへの期待も高まるが、課題も多い。(服部利崇)
ホットラインの番号は「0570・064・370」。消費者庁によると、運用開始から十七日まで六日間の利用件数(窓口の時間外などで直接相談できなかったケースも含む)は一万二千百四十七件だった。
自治体の窓口対応は平日のみが大多数だが、ホットラインは土日祝日も対応する。開始後初の土日となった十六、十七日の利用は二千百三十二件。ダイヤルすると、最寄りの窓口が開いている場合はその窓口に、そのほかは国民生活センター(東京)に転送される(業務時間外は最寄りの窓口の番号案内)。
同センターにはその二日間、業務時間(午前十時~午後四時)内に五百四十八件が転送された。同相談部は「二十回線を準備したが相談員はフル稼働だった」。福島瑞穂・消費者担当相も十九日の会見で「平日だと職場にいてかけにくいので、土日のホットラインには一定の役割があったと思う」と自賛。だが、実際に相談に応じた件数は二百九十八。差し引き二百五十件は直接対応できなかった計算で、体制に課題が残る。
◇
使い勝手の悪さを指摘する声も。相談に直接対応してくれるのは、日中だけの自治体がほとんどで、PHSやIP電話からはかけられない。また相談を転送するには郵便番号の入力を求められるなど=イラスト、手間がかかる。福島県消費生活課の稲村忠衛課長も「郵便番号を知らない人やお年寄りはやりづらいシステム」と批判的だ。
運用開始も大幅にずれ込んだ。昨年九月の消費者庁発足後、速やかに始めるはずだったが、光回線やIP回線を使う窓口には転送できないというシステム上の問題が発生。予算や人員を確保できず、ホットライン対応体制が整えられない窓口も多い。結局十二日の段階で全国八十一の窓口には転送できず、最寄りの窓口の番号案内のみとなった。
この中には、盛岡市のように転送を自ら辞退した窓口もある。吉田直美・同市消費生活センター主査は「窓口番号を市民に十分周知してきた。ホットラインの番号を広報すると、かえって市民が混乱する」と説明する。
実際、山梨、島根など四県と一緒に昨年九月十四日からホットラインを先行実施している福島県では、実施後に相談件数が減少している。実施から年末まで二千三百八十件の相談を受けたが、昨年同期比で二百八十三件も減った。
◇
消費生活相談に熱心な地域とそうでない地域で、相談員の能力に差ができることも懸念材料。日本消費者連盟の山浦康明事務局長は「力量や知識に差があれば、回答内容や解決手段にも影響する。番号は全国統一なのに、結果として地域間の不公平も生じかねない」と指摘する。
相談内容は、国民生活センターと全国の窓口をオンラインで結ぶPIO-NET(パイオネット=全国消費生活情報ネットワーク・システム)に蓄積される。山浦事務局長も「情報提供するのは国民。国は情報を管理するだけでなく、集めた情報を生かす視点が不十分。データベース化するなど、国民に使い勝手のいい情報システムにしてほしい」と要望する。東京新聞より
食品表示・賞味期限のウラ側―食品の読み方「常識・非常識」/岩館 博人

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ホットラインの番号は「0570・064・370」。消費者庁によると、運用開始から十七日まで六日間の利用件数(窓口の時間外などで直接相談できなかったケースも含む)は一万二千百四十七件だった。
自治体の窓口対応は平日のみが大多数だが、ホットラインは土日祝日も対応する。開始後初の土日となった十六、十七日の利用は二千百三十二件。ダイヤルすると、最寄りの窓口が開いている場合はその窓口に、そのほかは国民生活センター(東京)に転送される(業務時間外は最寄りの窓口の番号案内)。
同センターにはその二日間、業務時間(午前十時~午後四時)内に五百四十八件が転送された。同相談部は「二十回線を準備したが相談員はフル稼働だった」。福島瑞穂・消費者担当相も十九日の会見で「平日だと職場にいてかけにくいので、土日のホットラインには一定の役割があったと思う」と自賛。だが、実際に相談に応じた件数は二百九十八。差し引き二百五十件は直接対応できなかった計算で、体制に課題が残る。
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使い勝手の悪さを指摘する声も。相談に直接対応してくれるのは、日中だけの自治体がほとんどで、PHSやIP電話からはかけられない。また相談を転送するには郵便番号の入力を求められるなど=イラスト、手間がかかる。福島県消費生活課の稲村忠衛課長も「郵便番号を知らない人やお年寄りはやりづらいシステム」と批判的だ。
運用開始も大幅にずれ込んだ。昨年九月の消費者庁発足後、速やかに始めるはずだったが、光回線やIP回線を使う窓口には転送できないというシステム上の問題が発生。予算や人員を確保できず、ホットライン対応体制が整えられない窓口も多い。結局十二日の段階で全国八十一の窓口には転送できず、最寄りの窓口の番号案内のみとなった。
この中には、盛岡市のように転送を自ら辞退した窓口もある。吉田直美・同市消費生活センター主査は「窓口番号を市民に十分周知してきた。ホットラインの番号を広報すると、かえって市民が混乱する」と説明する。
実際、山梨、島根など四県と一緒に昨年九月十四日からホットラインを先行実施している福島県では、実施後に相談件数が減少している。実施から年末まで二千三百八十件の相談を受けたが、昨年同期比で二百八十三件も減った。
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消費生活相談に熱心な地域とそうでない地域で、相談員の能力に差ができることも懸念材料。日本消費者連盟の山浦康明事務局長は「力量や知識に差があれば、回答内容や解決手段にも影響する。番号は全国統一なのに、結果として地域間の不公平も生じかねない」と指摘する。
相談内容は、国民生活センターと全国の窓口をオンラインで結ぶPIO-NET(パイオネット=全国消費生活情報ネットワーク・システム)に蓄積される。山浦事務局長も「情報提供するのは国民。国は情報を管理するだけでなく、集めた情報を生かす視点が不十分。データベース化するなど、国民に使い勝手のいい情報システムにしてほしい」と要望する。東京新聞より
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