2021年11月21日、イギリスのプログレバンド、BIG BIG TRAINのシンガー、David Longdonが56歳という若さで亡くなりました。

 

死因は事故らしいです……。

 

 

 

僕がBIG BIG TRAINを知ったのは、つい去年で、『Grand Tour』がYou Tubeのオススメに出て来たのでチェックしたのがきっかけ。

 

『Grand Tour』(2019)
 
 
プログレのいわゆるテクニックの応酬的な派手さは無く、ゆったりとした曲が多いが、随所に散りばめられた、物悲しくも優しいメロディにすぐに虜になりました。
 
プログレ歴の浅い僕にはとても入りやすいアルバムだったと思います。
 
すぐに色々と他のカタログもチェック。

 
中でも一番好きなのが、『ENGLISH ELECTRIC Part Ⅰ』
 
 
『ENGLISH ELECTRIC Part Ⅰ』(2012)
 
 
“北部の炭鉱町から南部にあるチョークの白い丘へと英国を巡りながら、その土地土地で暮らす人々を描いたコンセプト・アルバム”(カケハシレコード参照)。
 

コンセプト云々を抜きにしても、最初から最後まで緊張感が漂う、素晴らしいアルバム。
 
David は、実に半数の曲の作曲に関わっており、彼がいなければこの大傑作は生まれることはなかったと言っても過言ではないでしょう……。
 
 
個人的に最も好きなのが、「Judas Unrepentant」という曲です。
 
この曲にはDavidが作曲にクレジットされており、その彼の歌う伸びやかで情感豊かな歌唱が、この中世的なイメージの楽曲をよりドラマティックにしています。
 

 


ライブバージョンも実に素晴らしいです!


 


Part Ⅱも中々聴き応えがあり、一聴の価値がある作品だが、Part Ⅰの完成度には及びません。

 

『ENGLISH ELECTRIC Part Ⅱ』(2013)

 

 

Davidが加入したのは、2009年発表の『Underfall Yard 』からになりますが、それ以前のアルバムと比較すると、音楽的にかなり進歩したことが伺え、如何に彼の加入がこのバンドに大きな影響を与えたのかが伺えます。

 

 

このバンドは、アルバムによってクオリティにかなり波があると言うのが個人的な意見です。

 

 

しかし、2017年発表の『Grimspound』以降は、安定した高品質のアルバムを連発しており、中でも最新作である、『Common Ground』は、会心の一作!と言い切れるほど、素晴らしい内容でした。

 

 

『Common Ground』(2021)

 

 

コロナ禍で制作されたこともあり、歌詞の内容もそういった情勢がモロに出ています。


しかし音楽的には、希望に満ち溢れた冒頭の「The Strangest Times」を始め、これまでの“内省的で暗めの曲が多いバンド”というイメージを払拭するような、いい意味で期待を裏切られた作品でした。

 

 

 
 
個人的ハイライトは、15分を超える大作、「Atlantic Cable」です。
 

 

5つのパートに分けられたこの曲には、“皆で一つになって困難を乗り越えて行こう”というメッセージを汲み取ることができ、思わずグッと来てしまいます。

 

4つめのパートはインストルメンタルで、このバンドではめったに聴くことの出来ない、スリリングな演奏のバトルが繰り広げられ、このバンドの演奏力の高さを再認識させられます。

 

流石に『ENGLISH ELECTRIC Part Ⅰ』には及ばないものの、このバンドのポテンシャルの高さを改めて認識させられ、今後の活動を大いに期待させる作品でした。

 

 

そんな中、次作のリリースが来年2月(新作からわずか半年強というスパン!!)にあるというニュースもあり、喜んでいた矢先に………。

 

 

 

次の作品がDavidにとって遺作になることは、ファンにとってもバンドにとっても途轍もなく辛い事実です。

 

バンドとして上昇気流にあっただけに余計に……。

 

 

物凄く複雑な気持ちで最新作のリリースを待たなければなりませんが、バンドにはどうかこの苦難を乗り越え、さらなる高みを目指してほしいです。

 

 

 

R.I.P. David Longdon