『Common Ground』/ BIG BIG TRAIN

 

1. The Strangest Times

2. All The Love We Can Give

3. Black With Ink

4. Dandelion Clock

5. Headwaters

6. Apollo

7. Common Ground

8. Atlantic Cable

9. Endnotes

10. Downstream ❲Bonus Track❳

 

 

BIG BIG TRAIN are

 

Gregory Spawton(B)

David Longdon(Vo)

Rikard Sjöblom(Gt/Key/Vo)

Nick D’Virgilio(Dr/Vo)

 

Additional Musicians

 

Carly Bryant(Key)

Dave Foster(Gt)

Aidan O'Rourke(Violin)

 

 


 

 

第1位は散々迷ったけどやはりこれ。

 

ちょっと前のブログでこの作品に触れたばかりなのにここに選出するのもどうかと思いましたが、やはり作品のクオリティの高さと、シンガーのDavid Longdonに追悼の意を込めて第1位にしました。

 

自分の好きなバンドが期待を上回る作品を作ってくれたことが単純に嬉しく思えたし、今年はプログレの新作で興味をそそるものがあまり無かったので、余計にこの作品に愛着が湧きました。

 

前作同様、この作品がプログレをあまり扱わないBurrn!誌に掲載された事自体が快挙だったし、さらに高得点が付いていたことも嬉しかったな。

 

 


 

 

先日のブログで紹介した 1. 「The Strangest Times」は、改めて聴き直してもやはり素晴らしい名曲。

 

ちなみにこれは亡くなったデイヴィッドが書いた曲。

 

 

 

2.「All The Love We Can Give」は、序盤で少し不安になる。

 

というのも、このバンドはいい感じの展開になりそうな時に期待外れのつまらないコード進行が出てきてガックリ来ることがよくあり、この曲の序盤もそんな雰囲気だった。

 

しかし、2分30秒あたりからドラマティックな展開で見事に持ち直す。

 

デイヴィッドの伸びやかなボーカルも素晴らしいし、中盤の楽器隊のインタープレイも見事。

 

この曲で今回の彼らはいい意味で何か違うと期待が膨らむ。

 

ただ、男性ゲストボーカルの効果は可もなく不可もなくという感じ。

 

 

 

3. 「Black With Ink」1と同様の明るい雰囲気を持つ親しみやすい曲。

 

この曲には2の男性ゲストボーカルに加え、女性のゲストボーカルも参加している。

 

この女性ボーカルはいいアクセントになっていたと思う。

 

 

4.「Dandelion Clock」は個人的に本作で一番好きな曲。

 

ピーター・ガブリエル風のデイヴィッドの歌唱も手伝い、どこか初期ジェネシスの雰囲気すら漂う。

 

そこに彼らの独特な叙情味をブレンドした、しっとりと優しいメロディが身に染みる。

 

後半に出てくる民族音楽的なアレンジも自然に溶け込んでいる。

 

 

 

ピアノの美しい調べにうっとりする小曲 5. 「Headwaters」を挟み、ジャズテイストのイントロで始まるインスト曲 6. 「Apollo」に移行する。

 

タイトル通り宇宙的な雰囲気が漂い、まるでイマジネーションをそのまま音で再現したような圧倒的な表現力に思わず唸ってしまう。

 

楽器隊は飽くまでメロディに重きを置いており、テクニカルな部分は見せつけるのではなく、さり気なく取り入れている所がまたニクい。

 

 

7.「Common  Ground」は先行で配信されていた曲で、最初聴いた時はタイトルトラックの割には少し弱いかな?と思ったが、頭からこうして聴くとバッチリハマっている。

 

これもデイヴィッドが作詞作曲している。

 

 

 

8.「Atlantic Cable」も先日のブログで紹介しているが、間違いなくこのアルバムのハイライト。

 

 

 本編最後の 9. 「Endnotes」はデイヴィッドが朗々と情感豊かに歌い上げるスローバラード。

 

バックに流れるアコギやピアノ、バイオリンなどの伴奏も表現力豊かでつい聴き入ってしまう。

 

後半にブラス隊が加わりオーラスを迎えようとする時、彼らの傑作『ENGLISH ELECTRIC part Ⅰ』に収録されている「Hedgegrow」を思い起こした。

 

あの作品と同様、次作に余韻を残すかのような終わり方だ。

 

 

ボーナスとして収録されている ピアノインストの10.「Downstream」は正直あっても無くてもよかったかな……。

 


 

 

この作品はコロナ事情を反映した内容になっているが、単純に楽曲が素晴らしいので、そういった背景を度外視して聴いても十分に楽しめる作品です。

 

でもやはり、シンガー、マルチプレイヤーでもあり、作曲でも貢献していたデイヴィッドがもうこの世に居ない事実を切り離して聴くことは出来ません。

 

僕はこのバンドのファンと言っておきながら、彼が加入する前のアルバムは持っていません。

 

それは単純に、ネットで試聴していいと思わなかったからです。

 

今回彼が作詞作曲を手掛けた2曲を聴けば、彼の存在が如何にこのバンドに取って重要だったのかを改めて思い知らされます。

 

恐らく来年1月に出る新作を聴いても同じことを思うでしょう。