『MOVE ON』 / HEARTLAND (2005)
1.City of Lights
2.Too Sad to Cry
3.Hell or High Water
4.Hard Hearted Man
5.Where Do We Go from Here?
6.One Fine Day
7.Getting Ready
8.How Was I to Know
9.Take Me Alive
10.Redemption
11.Remember Me?
去年11月に新作を発表したHEARTLAND。
レビューもしましたが、個人的には少し物足りなかったというのが正直な所です。
なので今回は、自分が思うHEARTLANDの最高傑作である7th『MOVE ON』(2005)を紹介したいと思います。
この頃のHEARTLANDは、基本的にボーカルのChris OuseyとギターのSteve Morrisのユニット+ゲストミュージシャンという形態でした。
これ以前と大きく違うのは、スウェーデンのメロハーバンド、GRAND ILLUSIONのメンバーがバッキングボーカルで参加しているところです。
それだけでなく、彼らは作曲にも関与しています。
1.「City Of Lights」
スティーヴの小気味良いリフで始まる、重厚感、ドライブ感に溢れる曲。
クリスのソウルフルなボーカルとスティーヴの唯一無二のトーンを持ったギターがぶつかり合う、アルバムの冒頭を飾るに相応しい曲。
2.「Too Sad To Cry」
おおらかな雰囲気がアリーナロック感すら醸し出す秀曲。
今までのHEARTLANDにはなかったタイプの曲で、シンプルでスッと耳に入ってくるキャッチーさが素晴らしい。
3.「Hell Or High Water」
アダルトで落ち着いた雰囲気の曲で、最初は地味だと思ったが聴いていくうちに大好きになった。
渋めの曲だけど、クリスの湿り気と哀愁たっぷりの歌につい聴き入ってしまう。
4.「Hard Hearted Man」
3 とは対照的なハードでスピード感のある曲。
ギター・ソロ前の、クリスがコブシ全開でシャウトする所が何度聴いてもゾクゾクする。
今回のクリスは気迫がいつもと明らかに違う、と思わせるほど気合いの入った歌を聴かせてくれる。
5.「Where Do We Go From Here」
間違いなく中盤のハイライト。
イントロのキーボードからすでに名曲のオーラを放っていて、メロディライン、曲構成共に一級品。
楽曲も素晴らしいが、この曲は何と言ってもクリスの神懸かった歌唱に尽きる。
特にギター・ソロ後とアウトロのクリスの凄まじいシャウトは鳥肌モノ!!
恐らく彼のキャリアでもトップクラスのパフォーマンスではないかと思う。
6.「One Fine Day」
爽やかで落ち着きのあるポップな曲。
他の曲と比べるとやや地味であるが哀愁もしっかりと感じられるし、リラックスしたムードで和ませてくれる。
7.「Getting Ready」
本作で最もヘヴィかつシリアスな雰囲気の曲で、クリスのパワフルなボーカルを存分に堪能出来る。
そして何と言っても、派手さは無いもののツボを押さえたメロディアスなギター・ソロがこの曲のハイライト。
個人的には本作のギター・ソロの中で一番好きかな。
8.「How Was I To Know」
物哀しい雰囲気のアコギで始まるイントロから鳥肌モノのバラード。
HEARTLANDの作品でここまで“泣き”を強調したバラードは恐らく無かったのではないだろうか?
サビの部分がコーラスのみという斬新な方法は見事に功を奏しており、クリスの圧倒的な歌唱力との相乗効果で感動的な名曲に仕上がっている。
スティーヴのシンプルだけど哀愁たっぷりのギター・ソロも涙を誘う…。
9.「Take Me Alive」
メロディよりもノリ重視の曲で、本作では少し浮いている印象もあるが、6 と同様でいいアクセントになっている。
10.「Redemption」
ギターインスト曲。
スティーヴが奏でる泣きのギターが絶品で、単なる繋ぎの曲とかでは無く、哀愁のメロディが一杯詰まったギターバラードになっている。
11.「Remember Me」
これも 5 や 8 と同等の説得力を持つ文句なしの名曲。
曲構成も歌メロも圧倒的な完成度。
音数が少ないながら一瞬で聴き手を捕らえるスティーヴのギタープレイは流石の一言。
シンプルな構成でありながら、同系統の他バンドと明らかに一線を画しているのは、クリスの個性的な歌メロと歌唱によるものが大きいと思う。
HEARTLANDは1stからこの7thまで高品質な作品を作り続けてきた故に、“最高傑作”は人によって様々だと思います。
これまでの作品は、“クオリティは物凄く高いが玄人好み”という印象で、簡単に言うと少し地味でした。
しかし、このアルバムでようやくその高い音楽性と普遍性、コマーシャル性が融合したと思いました。
僕が本作を最高傑作と思う理由はそこにあります。
5、8、11 と、突出した名曲が入っている事も特筆すべきだし、全体的に言えることですが、GRAND ILLUSIONのメンバーによる美しいコーラスワークが本作とそれ以前の作品に歴然とした差を生み出していると思います。
このアルバムは聴いたことがない人、何ならハードポップ、ハードロックをまともに聴いたことがない人にも自信を持ってオススメ出来るアルバムです。
hirothemのmy Pick
