ドイツのメロハーバンド、 FAIR WARNINGを語る時、好きなアルバムとして挙げるのは初期の4枚からという人が圧倒的に多いでしょう。

 

SNSを見ていると、バンドの最高傑作として3rd 『Go!』(1997)を挙げる人が最も多い印象です。

 

初期の4枚が強力過ぎるために、2005年に復活 (2000年に活動停止) してからの作品は、“まあまあ”といった評価が多いというイメージです。

 

 

復活直後に発表した『BROTHER’S KEEPER』(2005)もネットの評価はそれほど良くありませんが、僕は好きでよく聴いています。

 

『BROTHER’S KEEPER』 (2005)
 

  1.Don't Keep Me Waiting  

  2.Tell Me Lies

  3.In The Dark

  4.Wasted Time

  5.No Limit【Bonus Track】

  6.Generation Jedi

  7.The Way

  8.All Of My Love

  9.Once Bitten Twice Shy

  10.The Cry

  11.All I Wanna Do

  12.Rainbow Eyes

  13.Push Me On
 
※曲順はマーキー・アヴァロンから発売された時のもので、キングから発売されたリイシュー盤は大幅に曲順が変更されています。

FAIR WARNING:

Tommy Heart (Vo)
Ule W. Ritgen(B) 
Helge Engelke (Gt)
C.C. Behrens (Ds)




「キラーチューンが少ない」

 

ネットではこういう意見が多いです。

 

 

確かに、冒頭の「Don't Keep Me Waiting」以外でキラーチューンはほぼ見当たりませんが、アルバムトータルとして見れば、とても良く纏まった作品だと思います。

 

 

その 1.「Don't Keep Me Waiting」2.「Tell Me Lies」の流れは完璧だと思うし、ヘヴィな 3.「In The Dark」も2nd『RAINMAKER』(1995)の音像を継承したような佳曲です。

 



 

少しレイドバックした雰囲気のバラード 4.「Wasted Time」も、初期のバラード群と比較したら少し落ちるかも知れませんが、とても良く出来た曲だと思います。

 

 

5.「No Limit」は少々理解に苦しみます(笑)。

 

なぜボーナス・トラックをアルバムの中盤に持ってきたのか?

 

しかも 9.「Once Bitten Twice Shy」とクリソツやん!

 

と、ツッコミどころ満載ですが(笑)、僕は両方とも好きで違和感無く聴いています。
 

 

 

 

6.「Generation Jedi」は、若干ヘヴィ過ぎて個人的には一番弱い曲だと思っています。

 

 

ユニークな音で始まる 7.「The Way」も、次作『Aura』(2009) 収録の「Fighting For Your Love」とバッキングパターンがほぼ同じやん!とツッコミたくなりますが、僕は何故か両方楽しめてます(笑)。

 

 

感動的なバラード 8.「All Of My Life」も大好きだし、10.「The Cry」もサビまでの流れが素晴らしく、癒やし効果も抜群で、1 と同じくらいリピートしている大好きな曲です。

 

 
 

 
 
トミーの温かい歌声にウットリする明るめバラード 11.「All I Wanna Do」も、東洋的な音階が印象的な 12.「Rainbow Eyes」も、メロディは並のバンドでは到底書けないクオリティで、何度聴いても飽きない優秀な曲。
 
 
最後の 13.「Push Me On」は、1 の雰囲気と似ていたり、AメロがJOURNEYの「Separate Ways」だったり、これもツッコミどころはあるけれど(笑)、迫力のある演奏と以前と比べてより説得力を増したトミーの素晴らしいボーカルで強引に押し切ってしまう感じです。
 

 
 

 
 
「あの曲と似ている」という部分がダメな人には受け入れられないだろうけど、飽くまで彼らの楽曲群の中での話なので、僕は普通に別物として楽しんでいます。
 
恐らく楽曲そのものがトミーのボーカルの魅力を最大限に引き出しているからだと思います。

この作品での彼の歌唱は、「Save Me」のような天を突き抜けるようなハイトーンは無いものの、その分、中低音域の魅力が存分に発揮されていると思います。

確かにキラーチューンは少ないけど、“アルバムとしての統一感”という意味では、彼らの作品の中でもトップクラスだと思います。
 
明るい曲とヘヴィでシリアスな曲が混在しても、とっ散らかった印象にならないのは、絶妙な音作りがその“統一感”を生み出しているからだと思います。

個人的に、1stは「Crazy」「The Eyes Of Rock」あたりが何度聴いても好きになれないし、2ndは曲によってクオリティにややバラツキがあるイメージです。
 
過去と比較せず、“FAIR WARNINGの新章”として聴けば十分に聴き応えのある作品だと思うし、クセになる中毒性もあります。
 
今からでも再評価されてもいいのでは?と思うのは僕だけでしょうか?(笑)
 

↓オリジナル盤  

 


 ↓リイシュー盤