野暮用で中之島中央公会堂へ。

地下1階に入った瞬間、僕のすぐそばで「ヒロさん!」と叫ぶご婦人の声。

 

生ヒロTを見るのが初めてだったので出た声らしいが、その大きさとタイミングにひっくり返るほどビックリした。

 

ベンチに2人で腰掛けていた片方の声だったが、もう1人は僕を知らないらしく「だれ?誰なん?」と友人に問うている。

 

とにかく知ってもらっていたのはありがたい事なので、失礼のないように軽く挨拶し去ろうとした僕の背に僕を知らなかった婦人が「自己紹介して!」と薄ら笑いを浮かべてはいるもののかなり圧のある声音で言った。

 

「ザ・大阪なご婦人」のこの距離感の無さに「プライベートの時に自己紹介まではするつもりはありません。」とさすがの僕もややプルプルしながらその場を去った。

 

かなんわー、あんなん、ほんま。

 

用事もそこそこに中之島から心斎橋に。

そして今度は少し以上寂しさを感じる光景に偶然出会した。

 

アメ村の外れに有り、数回贅沢なすき焼きランチを楽しんだ事もある「はり重大宝寺店」が解体中だった。

 

古い商家を1970年にそのまま店にし、賑やかな喧噪の街の中にあっても一歩門をくぐれば静謐な別世界が広がり、敷地の半分以上の日本庭園や池の鯉、四季折々の木々など昔ながらの佇まいを食事をしながら楽しめる店だった。

 

こうしてまた「昭和」が一つ消えていくのが残念でしかたない。