ちょっと郊外の田園地域、熊本駅まで自転車で30分ほどの中学校に通っていた僕は、街中の高校に進学したことで、それまでとはまるで違う世界に足を踏み入れることになりました。
自分ではいたって普通のサラリーマン家庭の子どもだと思っていたのですが、新しいクラスメイトには、いわゆる“坊ちゃん”“お嬢さん”タイプの子も多く、なんだか背伸びしたような環境に感じたのを覚えています。
彼らが持っているギターも、自分のものとはまったくレベルが違う。見た目も音も、まさに「いいギター」。しかも、クラシックからハードロック、ジャズ、フュージョンまで、聴いている音楽の幅も想像を超えていました。
当時の僕はというと、ベンチャーズが大好き。でも、それを堂々と言えるような雰囲気ではありませんでした。今思えば、自分の好きなものを口にできなかったのは、ちょっと情けないですね。
そんな中、友達にいろんな音楽を教えてもらったり、レコードを貸してもらったりして、僕の音楽世界は一気に広がっていきました。
アル・ディメオラ、リー・リトナー、ラリー・カールトン、渡辺香津美……そう、フュージョンの入り口に立ったのもこのころでした。
そして、ある日。
当時「すご腕」だと(僕が)思っていた友人が、「Led Zeppelinの映画、一緒に観に行こうぜ」と誘ってきました。
その映画は『狂熱のライブ』。ツェッペリンといえば「天国への階段」を知っているくらいで、正直詳しくはなかった僕ですが、面白そうだと思って一緒に観に行くことにしました。
(ペンタブ壊れているので他の方のイラストです)
映画館のスクリーンに映し出されたジミー・ペイジは、まさに衝撃的でした。
レスポールを低く構えて、前傾姿勢で奏でるあのギター。
見たこともないアクション。聴いたこともないフレーズ。理解不能なほどの速弾き。
そして、静かな曲ではまるで水のように澄んだ、美しいメロディーと音。
「なにこれ……ギターってこんなに表現できるのか……」
スクリーンの前で、僕は完全に心を撃ち抜かれました。
(例えるなら、『シティーハンター』の香の100tハンマーを食らった感じ)
その瞬間から、ジミー・ペイジは僕の中で“神”になりました。
ちなみに、後年、福岡で行われたPage & Plant(ペイジ&プラント)のライブで、実際にジミー・ペイジをこの目で見たとき、ようやく長年の“呪縛”から解放されました(笑)。
レスポールについては思い入れも強いので別のブログで・・・
今でもギターを手に取ると、あの映画で聴いたフレーズが自然と出てきます。
音楽の原点って、いつまでも自分の中に残るものですね。
いつもこんな感じで遊んでいます!
