「悲しいほど美しい」桐教会~(第4回)
桐教会へ行くには、若松大橋を渡って中通島へ戻り、そこからさらに30分ほど南下します。
若松島と中通島の間はリアス式海岸が続き、走っていて飽きることがありません。大小さまざまなワンドが点在し、道路から10mほど先の海には作業小屋の筏が浮かんでいます。
「この風景、どこかで見たことがある……」
しばらく走っていて、ふと気づきました。
釣りユーチューバーの“バラシスタさん”や“ぬこまた釣査団さん”の動画で見た場所だ、と。筏の床板を外すと、とんでもない魚種と数が現れるあの映像。
「ああ、ここだったのか」と妙に納得。次に上五島に数日滞在できる機会があれば、ぜひ体験してみたい釣りです。
Yahooカーナビに導かれ、リアス沿いの筏や小さな集落を横目に走り、桐教会に到着しました。
観光客は他に1組だけで、ちょうど帰るところでした。この日は旅2日目(実質初日)ですが、前日に引き続きかなり寒い。熊本から佐世保へ向かう道中でも、吹雪いている場所が何か所もあったほどです。
桐教会は、ネットの写真や動画でもよく紹介されていますが、実際に立ってみると印象はまた違います。
山に囲まれた小高い丘の上に建ち、瀬戸を見下ろすように静かに佇む教会。そこに、緑がかった透明度の高い、清流のような海が重なります。
この風景を前にして、上五島が持つ独特の雰囲気――
私は上五島を表す言葉としてつかわれる「悲しいほど美しい」という言葉が一番しっくりくる気がしました。
アンビエンスという言葉が近いのかもしれませんが、なかなかぴったりくる単語が見つかりません。
教会の階段を下り、透明な水面を覗くと、流れの中に無数の魚影が見えます。
目の前を、40cmほどはありそうなイラ(ベラ科の魚)が悠然と泳いでいくのが見えました。
しばらくその場に立ち、環境と空気に身を浸したあと、桐教会を後にします。
次に向かったのは、昭和36年に国の天然記念物に指定された神秘的なスポット「奈良尾のあこう樹」。
ガジュマルをさらに巨大化させたような姿で、大きな根が神社の参道をまたぎ、その間を通ると長生きできると言われています。
樹齢は約670年。あこう樹としては日本一とのことです。地元の看板には650年とありましたので、看板ができてから20年ほど経っているのでしょう。
見学していると、80歳くらいの地元の男性が声をかけてこられました。熊本から来たと伝えると、まるでガイドさんのように、この木が学者による再調査前は750年とされていたことや、地下水の話などを詳しく教えてくれました。
とても満足そうに話されていたのが印象的です。
こうして、えび屋さんをチェックアウトしてから午前中があっという間に過ぎました。
お昼ごはんは、有川方面へ向かう途中にある五島うどんの名店「竹酔亭」で“地獄炊きセット”。

朝食はえび屋さんでお腹いっぱい食べていましたが、桐教会と奈良尾を歩き回り、胃袋の状態は万全です。
店内には有名人のサインがずらり。目の前には、ギター侍・波田陽区さんのサインもありました。熊本のテレビCMでは今でもよく見かけるので、密かに応援しています。
地元の方と観光客、どちらも多く、人気のほどがよくわかります。
地獄炊きセットは釜揚げスタイル。麺が細く、他県のうどんとは食感がまったく違います。あごだしももちろん美味しいですが、玉子醤油もおすすめです。
麺の細さが一番の特徴。釜揚げでもこしがあります。うまい!
次回は2日目午後の部からスタートします。
五島うどんも食べる事が出来、青方・有川を経由し上五島の教会の中でも、最も有名と言っていい「頭ヶ島天主堂」を訪れます。




