ロイヤルエンフィールドに試乗してきた。

だいぶ昔の話で去年の秋のことだけど笑


ショットガンという2024年夏ニューモデルの試乗車があるディーラーを昨年秋、調べて… (書きかけで放置になってました💦)

メールで試乗を希望!

今回の真打、
ショットガン650
の他に以前から気になっていた
INT650 
スーパーメテオ650
の2車を加え計3台、欲張りか!はいそうでーす(笑)

幸いにも3台ともOKと返信メールがきて…

試乗日にオールドトライアンフでズゥゥオーと、東京都杉並区の
ロイヤルエンフィールドtokyo centralへ向かった。(去年の秋ねw)


こちらの3台に試乗!




まずはこの INT650から


カタログ
マフラーと足回り以外はなんとなく僕のトライアンフに似てる。それだけトラディッショナルなスタイルと言う事。




以下が諸元
 


お値段



エンジン性能は他の2台とほぼ同じ。各発生回転数がほんのちょっと低いだけ。そしてこの2気筒エンジンは270度クランクを採用している。

車体の重さはフレームが他2車とは違うためか、217kgと他よりも少し軽い。

ちなみにフレームはイギリスのハリスパフォーマンス社(今はロイヤルエンフィールドの子会社)が設計したもので英国バイクの走りの伝統を体現出来るようなフレームらしい



さて試乗!

シート高は805mm。またがるとポジションはほんのり軽い前傾。
足付きはそこまで良くなくて、両足親指母指球が着くくらいだったかな?正直そこはあまり覚えてない…


エンジンをかけると良く消音された、それでも音質は好ましい排気音。


なかなか低音の響く良い音



乗ってまたがった状態での両足で前に進む取り回しでは大した重量感は感じない。

スタートすると、スタタタタッ!と軽めの排気音を伴ってトルクフルに車体を前に進める。インジェクション的な不自然さはほとんどない。


2〜3分進んだり止まったりして……
……変なクセ、違和感、乗りにくさなし!
第一印象、完成度高!

アクセル開けたらバッ!とは出ず、優しい感じで(遅いと言うことではなくドンツキなし、みたいな)開けた分だけリズミカルなパルス感を伴って前に出る。

回転上昇もスムーズだが加速度的、2次関数的な盛り上がりではなく素直に直線的にエンジン回転と車速を上げていく。

 
街乗り程度ではグリップやステップを震わせるような気になるような種類の振動はほとんどない。
まあ乗ってきたのが振動多目なオールドなトライアンフってのもあるかもだけど?
でもバランサーもあるしとにかく振動は少ない。

シフトチェンジも適度なストローク、適度な硬さで気持ち良くギヤチェンジ出来る。
ここらへんは僕のsr400よりも具合がいい。

僕のシフトの好みはショートストローク過ぎないもの。レースではないししっかりとした変速感が欲しい。INT650は正にそれにかなった変速具合。

5分程度走って、第一印象のバイクとしての作り込みはとても上質でナチュラル。
現代トライアンフの水冷2気筒エンジン車と同等レベルの作り込みをしてるなーと感じた


直進時の重量的な雰囲気は…僕のオールドトライアンフよりも25キロ以上重い車体だが重厚な感じはほとんどなく、sR400とオールドトライアンフのちょうど間くらいな感じ(笑)。


軽快だけどsRほど柔軟な感じ(はっきり言えばふにゃふにゃした感じ)はしない。しかし足は固くもなくトライアンフの旧いタイプの前後サスに比べて格段によく動くサスで乗り心地が良く軽く感じる。すべてが適度。さすが現代のオートバイ!


試乗コースにはコーナーはなかったけど軽いスラロームをしても極自然な感じ。トライアンフの3気筒トライデントのようなヒョイヒョイヒョイ〜!といかにも身体能力高げにスラロームする雰囲気ではない。そこまでマスの集中化はされてないし、もう少しホイールベースが長いバイクに乗ってる印象。 

実際車体は大きめ。
INT650の全長は2119 mm
sr400の全長は2085mm。

交差点でもやはり同様でsR400とオールドトライアンフの中間のような、軽快さとしっかり感を伴った特性を感じる。
(リヤステアとかを体感出来るような試乗コースではないし、都内吉祥寺近くのため交通量もそれなりにあったので比較的前に座っていた)


僕なりにまとめると……もしオールドトライアンフを持っていなければ3車の中で一番欲しいと思ったモデル。

劇的な官能性ではなく、イギリス流スポーティなDNAを継承したトラディショナルでオーソドックスな乗り味。
まさにツイードジャケットのようなバイク。

で初心者には乗りやすく…
ベテランには奥が深いだろう。…いや実際深いと思う。


排気音は街中では十分だけど、多分ワインディングとかでは少し寂しいと思うのでリプレイスマフラーがあれば交換したいかな?


コーナーのあるところでの試乗は出来てないのでぜひコーナーリングが出来るようなところで乗ってみたいと思った。


とにかく「変なクセ」や「味ではない乗りにくさ」がなくて良く出来た、仕上がったオーソドックスなバイクだ。もちろんセル始動なので上がりのバイクにも打ってつけかな?





ところで…

現在はインドのバイクメーカーである、ロイヤルエンフィールドとはそもそも如何に?

以下はロイヤルエンフィールドに興味のある方だけ向けの内容になります!

どんなメーカーなのか簡単?に説明しておこう。

真顔


元は長ーい歴史を持つ英国の大老舗ブランド!
プジョー、トライアンフを交えた3社でどこが最古のモーターサイクルメーカーか論争が起こるほどの古いバイクメーカーだ。


二度の世界大戦では軍用バイクその他ライトウェポンを英国を始めとする各国の軍へ数多く供給し企業として発展を遂げた。

メーカーHPより


インドへは輸出から始まったが、1955年にインドの企業と提携して「エンフィールド・インディア」を設立、翌年にはインドでのライセンス生産が始まった。


1960年代後半に英国本国のブランドとしては紆余曲折あって消滅したが、インドでの生産は継続され逆に英国に輸出するようになり人気を博す。


インドでは長い間、50年代の車体構造やエンジン機構をほとんど変更せず継続して製造していたので
「本物のクラシックバイク」と呼ばれマニアから重宝された。


こんな感じ



1994年、インドの商用車などを扱うアイシャーモーターズグループの傘下に入りさらに発展。

2015年にはイギリスのモーターサイクルデザイン・製造会社のハリスパフォーマンス社を買収。同年アメリカのハーレーの本拠地でもあるウィスコンシン州ミルウォーキーに国外初の直営販売会社ロイヤルエンフィールド・ノース・アメリカを設立。

2017年には英国にテクニカルセンターをオープン。インドのテクニカルセンターと共に難易度の高い研究開発を行い、空冷エンジンのまま欧州の排ガス規制などにも対応する新たなモデルを次々に開発した。


裏話的には、トライアンフ社が空冷2気筒の開発継続を諦め、総水冷化への流れになった時に、それに納得出来ないかなり多くのエンジニア達が空冷エンジンの活路を求め、ロイヤルエンフィールド社に移籍したようである。


「本物のクラシックバイク」を古式ゆかしく製造していたメーカーから、最新技術で欧州の厳しい排ガス規制をもクリア出来るこだわりの空冷エンジンを載せたモデルを開発、世界へ向けて提供するグローバルテクニカルカンパニーへと進化した印象だ。


因みにインドは現在バイクの販売台数が中国を抜いて世界一位!


そう…世界の3大バイクメーカーを抱える日本から見たらどうせインド製だろ?と言う見方は今や完全に的外れで、非常に高い商品開発力、エンジニアリング技術を持ち、世界中に販売されるプロダクツも信頼性が高い。日本のメーカーもうかうかしていられないのである。

特に感性に訴えかけると言う面では日本車を置き去りにしている、と評価する批評家もいるほど。

だいたいヤマハさんなんて空冷のsr400諦めちゃったからねー



ひと昔前のまだエンジン機構がOHVの頃の製品はいわゆる外車にありがちなオイル漏れ、故障の頻発などが個体によってはあったらしいが、OHCエンジンになってからは完成度が格段に上がっていて壊れにくいバイクとなっているようだ。


ロイヤルエンフィールドとはそんな感じのバイクメーカーです。説明終わり(笑)




僕もロイヤルエンフィールドには以前からかなり興味があったけど最初はやはり、現在はインドメーカーでインド製、というところがイメージ的にネックだった。

しかしバイク単体としては英国のバイク造りのスタイル、走りの伝統を引き継いでいるとの事だし、実際のデザインやエンジン形式もツボだったのでその魅力にあらがえなくなった。


それにそもそも欧州ブランドバイクでも製造はインドというメーカーモデルも結構あるし、日本メーカーだってインドはもとよりタイや台湾での現地開発が先行しているケースも多い。しかもそれらはもしかしたらヨーロッパや日本で作るよりもきちんとしたものが出来ている可能性もある。


インドやタイは1年を通して日本よりも暑いうえ、未舗装の道もまだ多く使用環境は過酷だ。
交通の中に占めるバイクの割合も大変多く、家族を何人も乗せたりする。日本や欧米よりもかなりハードな使われ方をしているのだ。ヤワなバイクでは見向かれもしないだろう。


伝統とスポーティーさを重んじるイギリス車、質実剛健で高速巡航性にこだわるドイツ車、芸術的なスタイルと走りの官能性のイタリア車、高性能と信頼性の日本車、とそれぞれお国柄があるのでどの国のどのブランドかというのにはこだわったとしても、どこの国で作ったかというのはもはやあまり気にするべきではないのかもしれない。

(どのメーカーも人件費安いとこで造りたいのよー)


実際ここ数年でロイヤルエンフィールドの日本でのディーラー数はかなり増えて、バイク販売数も毎年どんどん増えているらしい。


一番人気のクラシック350。同社の屋台骨を支えるモデル。
女性にも大人気!デザインは僕もこれが一番好き。



僕も数年前にINT650とコンチネンタルGT650が単気筒から新たな空冷2気筒へとモデルチェンジした時には、(これは欲しいかも!?)とすぐに東京の某老舗ディーラーへ見に行った。

あわよくば試乗も!と思ったがそこには展示車しかなくて実走することは叶わなかった。


そして昨年日本発売されたショットガン650
かっちょええ!
今風に言うと カッコよ !…(笑) だったっけ?


ではあと2車の試乗編へと続く