人はいさ
心もしらず
故郷は
花ぞむかしの
香に匂ひける
紀貫之
◯一般的な解釈
古今集にはこうある。
かつて長谷寺参詣の常宿にしていた家を、梅の花のころ久方ぶりに訪ねた折、その家の主人が疎遠の恨み言を言ったので、この歌で応じたとある。
あなたは、さあどうだろう。
人の心は私にはわからない。
昔なじみのこの土地では、梅の花だけが昔と同じ香りが匂うのだよ。
・人は
宿の主人。
・いさ〜ず
さあ、〜ない。
相手の気持ちを軽くいなすような言い回し。
「いさ〜知らす」は現在の「いざ知らず」
・ふるさと
以前住んでいた里
・花
一般には桜を指すが、ここでは梅。
◯山口志道の解釈
しばらくぶりに来てみれば、互いに人の心は知らねども、ここに来て見れば、この梅の木のことはよく覚えていて、昔と同じように匂うのを目の当たりにして、確かにここに宿泊したことがあるよと云うなり。
・古今集にこうある。
初瀬の宿の主人は私がこの宿に泊まったことがあるのかどうか覚えてないと言ったのに対して、そこに立っていた梅の木の枝を折って詠んだ歌である。
・いさ心も知らず
主も私もお互いにその心はわからない。
・花ぞ昔の香に匂ひける
ただ単に梅の匂いがすると言っているのではなく、
その懐かしい梅の匂いに昔の主人の心ざしが厚いことも一緒に思い出されるの意。
・いさ
少し。
知らすの枕詞。
いさ知らすで、確かには知らず。
◯一般的な解釈と志道の解釈の違い
だいたい同じことを言っているのだろうけど、志道の方が深読みしていると思われました
◎宿の主人が男性なのか女性なのかでも解釈が違ってくるようです。
こういう時は女性だと思って思いを巡らせると楽しいですよね
女性だとしたら、
この女主人の気持ちは
もう!
こんなに私のことを待たせておいて!
あなたのことなんか知らないんだから!
プンプン
さとう珠緒さんて40過ぎても20代に見えるくらい若々しいですよね
奈良県初瀬観光協会
長谷寺(初瀬寺)
◯紀貫之 きのつらゆき
868?〜945
三十六歌仙の一人。
「古今集」の中心的な選者。
「土佐日記」の作者。
この百人一首シリーズでは江戸時代の国学者、山口志道著「百首正解」を現代人にもわかるようまとめています。
山口志道は言霊や神代学に精通しており、ひふみ神示の岡本天明や合気道開祖の植芝盛平、大本の出口王仁三郎らに多大な影響を与えています。
鷹屋敷洋史
参考図書
・「百首正解」山口志道
・「言霊秘書 山口志道言霊霊学全集」八幡書店
・「原色小倉百人一首」文英堂
鈴木日出男 山口慎一 依田泰 共著
・「ちはやと覚える百人一首」講談社
漫画 末次由紀 著 あんの秀子
・「千年後の百人一首」リトルモア
清川あさみ+最果タヒ



