吹くからに
秋の草木の
しをるれば
むべ山風を
嵐といふらむ
文屋康秀
◯一般的な解釈
山風は吹くとすぐに
秋の草木を荒らし、それで草木はしおれてしまう。
なるほどそれで山風のことを嵐と書き、それを「あらし」と読むんですね。
・吹くからに
「からに」は〜するとすぐにの意。
・しをる
しおれる
・むべ〜らむ
なるほど〜であるのだなあ。
・山風
山から吹き降ろす風
・あらし
嵐と荒らしの掛詞
嵐という漢字は山と風の二つの文字を組み合わせたもの。
「山」+「風」=「嵐」
◯山口志道の解釈
秋風が烈しく吹いて
草木の枝葉が折れているのを見れば
なるほど、山風をあらしと言う
・しをる
シは水の言霊。
ヲは終わる。
水の流れが終わることをシヲルと言う。
ここでは枝葉が折(ヲ)れたるを枝折る(シヲル)の意。
道のシヲリとは
道の印(シ)に枝(シ)を折る(ヲル)こと。
本のシヲリとは
印折る(シヲル)こと。
紙折る(シヲル)の義。
・むべ
もっともという意味。
うべとも言う。
うべとは自らもっともであると得心すること。
むべの元の語は「無理うべ」
むべとは無理やり何かをされるの意。
草木は自ら折れるのではなく
山風によって無理矢理折られるので
ここでは「うべ」とは言わずに「むべ」と言っているのである。
◯一般的な解釈と志道の解釈の違い
それほど違いはないようですね
◯文屋康秀
九世紀半ばの人。
下級の官人でしたが実力で六歌仙の一人になりました。
この百人一首シリーズでは江戸時代の国学者、山口志道著「百首正解」を現代人にもわかるようまとめています。
山口志道は言霊や神代学に精通しており、ひふみ神示の岡本天明や合気道開祖の植芝盛平、大本の出口王仁三郎らに多大な影響を与えています。
鷹屋敷洋史
参考図書
・「百首正解」山口志道
・「原色小倉百人一首」文英堂
鈴木日出男 山口慎一 依田泰 共著
・「ちはやと覚える百人一首」講談社
漫画 末次由紀 著 あんの秀子
・「千年後の百人一首」リトルモア
清川あさみ+最果タヒ

