●全ての苦難から脱出する方法。
さて、まず全ての苦難とは、どういうものでしょうか?
皆さんは、四苦八苦(しくはっく)
という言葉を聞いた事があるかと思います。
この四苦八苦こそ、
私達が生きている間に体験する、全ての苦難です。
詳しく言うと、四苦は、
①■生苦(生まれる苦しみ)
②■老苦(老いる苦しみ)
③■病苦(病の苦しみ)
④■死苦(死ぬ苦しみ)
の事で、産まれたからには避けられない苦しみだと言います。
上の四苦に、新たに4つの苦難、
①■愛別離苦(愛するものとの別れによる苦しみ)
②■怨憎会苦(憎しみを感じる人と会わなければならない苦しみ)
③■求不得苦(求めても得られない苦しみ)
④■五蘊盛苦(欲求が満たされても、新たな欲求がまた生まれ、
際限がなく欲求が満たされない苦しみ)
を加えて、四苦八苦となります。
つまり、今貴方が苦しんでいるなら、上のどれかに当てはまる訳です。
さて、そんな全ての苦難から脱出する方法があると言うのです。
まず、皆さんは、諸行無常(しょぎょうむじょう)という言葉をご存知でしょうか?
お釈迦様いわく、
この世は、諸行無常の世界だと言います。
諸行無常とは、仏教の基本的な教えの一つで、
すべてのものは常に変化し続けていて、
夫婦関係も友人関係も財産も、いつかは解消される日が来て、
1つとして留まり続けるものは無いというものです。
私達の人生も、親子も夫婦も愛情も車も、必ず最後は別れで終わるという事です。
つまり、もっと簡単に言うと、
「会うは別れのはじめ」なんて言う時もありますね。
多くの人が苦しむのは、
大抵そんな必ず来る別れを、受け入れられないからだと言います。
来るものは拒まず、去るものは追わず。という格言がありますが、
これは中国の孟子(もうし)という思想家が、
「自分を信じられずに去っていく者を引き留めることはしないが、
自分を信じて頼ってくる者はどんな人物でも受け入れよう」
と説いた事に由来しています。
つまり、この世は諸行無常の世界だから、
来るものは拒まず、去るものは追わず。の気持ちで、
別れを受け入れる事が苦しみから逃れられる。という事。
また、ブッダは、こう説いています。
「苦しみの新しい間を楽しみと言い、
楽しみの古くなったのを苦しみと言う」
これをもっと分かりやすく言うと、
■苦しみの数だけ楽しみがあり、
■楽しみの数だけ苦しみがある。 と言うのです。
どうい事かと言うと、
怪我や病気をしても、それが治った時や軽くなった時の喜びや楽しみは、
怪我や病気をした人にしか分からないものです。
つまり、苦しみの数だけ楽しみもやって来るという教え。
そして、
楽しかったデートも楽しかった旅行も、いつか終わります。
そんな時、ああもう終わってしまったという悲しみがやって来ます。
だから、私達の人生には、
出会いの数だけ別れがあり、
楽しみの数だけ苦しみがある。とブッタは説いたのです。
最後に、
全ての苦難から脱出する方法。ですが、
それは、
貴方が苦難の中にいる時、こう考える事です。
貴方は、今日、産まれたばかりの赤ちゃん。
つまり、過去の事は全て忘れて、
貴方は今日、産声をあげて生まれた命です。
マイナスからのスタートかもしれませんが、新たな人生の始まりです。
中には、超貧乏な家に産まれた赤ちゃんかもしれませんね。
中には、親から望まれない命として産まれたかもしれませんね。
中には、財産も親も何もかも無い捨て子として産まれたかもしれませんね。
中には、余命が余り無い赤ちゃんとして産まれたかもしれません。
でも、これだけは言わせてください。
何もかも失って産まれた貴方だとしても、
それでも貴方の未来は残っているのです。
(ちなみに、短命な赤ちゃんなら、亡くなっても早く生まれ変わり、
今度はきっと長命な命を授かるでしょう。そんな楽しみがあります。)
お金が無くてもいいのです。
地位も仕事も家も友達も無くていいのです。
ただ周りの人の甘えるだけでもいいのです。
周りの人に、ただ助けてもらっていいのです。
だって、
貴方は、
今日産まれたばかりの赤ちゃんなのですから。
END