●同行二人。(どうぎょうににん)


皆さんは、同行二人(どうぎょうににん)

という言葉をご存知でしょうか?



この言葉の意味を知るには、、

一人の有名なお坊さん(僧侶)の事を知る必要があります。


彼が生まれたのは、讃岐の国。今の香川県です。

誕生日は6月15日と言われていますが、正確には分かっていません。

幼い頃から大変な秀才で、幼名は真魚(まお)と呼ばれていました。

真魚(まお)は15歳で叔父から論語などを学び、

18歳で京の大学寮に入ります。

大学での専攻は明経道でした。

優秀な真魚(まお)は、まだ大学生なのに、

既に官僚候補として将来を嘱望されていました。


ところが、大学で教えられる儒教を学ぶ過程で、

俗世の教えが真実でないことを感じ、もっと仏教を学びたいと思い立ち、

せっかく合格した大学を辞めてしまいます。

今で言うと、大学中退です。

しかも、官僚の地位が確実と言われていたのも捨てて、

修行の旅に出かけてしまうのです。

真魚(まお)は、真実を求め諸国のお寺や山を巡り歩きます。

そんな真魚(まお)に転機が訪れたのは、19歳の時でした。

高知県の室戸岬にある洞窟に籠って修行をしている時です。

突然、口の中に明星が飛び込んできて、悟りを開いたと言います。

(ちなみに、ここで言う明星とは、仏様を意味するとされます)

彼は、この室戸岬にある洞窟での修行中、

目にしていたのは、だけでした。
 


そんな中、悟りを開いたという事を重視して、

それ以後、自分の事を空海と名乗る様になります。



ちなみに、空海の死後100年後に、

醍醐天皇から「弘法大師」の諡号が贈られましたので、

空海の事を弘法大師とも呼ばれる様になりました。


さて、空海と言えば、中学などで、

真言宗の開祖。という功績を学んだ事でしょう。

しかし、私が彼の功績をもう1つ挙げるなら、

四国八十八カ所の巡礼。

そうあの、お遍路さんの基礎を築いた人なんですね。

空海が42歳の時、つまり空海が厄年を迎えた時、

88の煩悩を消し、88の功徳を成就させる為に、

四国一円を修行した事に由来しているのです。



そんな四国八十八カ所の霊場を巡るお遍路の旅は、

とても大変です。全工程を歩くと、約1200キロですから、

一ヶ月~二ヶ月かかりますし、車やバスで行っても、

一週間~二週間かかると言われています。

お遍路の旅は、空海が生まれた香川県が終点となっています。

 

私はまだ行った事はありませんが、

まさに修行の場です。

なにしろ88ヵ所もまわるのですから、

きっとどこかで、もう止めたい。もう家に帰りたい。

なんで私はこんな事をしているんだろう。と挫折しそうになるでしょう。

そんな時です。

同行二人(どうぎょうににん)という言葉が出るのは。


たとえ貴方が一人で、お遍路でキツイ思いをして歩いていても、

足にまめが出き、くじけそうになっていても、

お遍路の旅は、いつも弘法大師が側にいて、一緒に巡礼しているんだよ。

だから、貴方ひとりじゃなく、弘法大師と同行二人だよ。頑張って。

あなたは孤独ではなく、いつだってお大師様がそばにいるよ。という意味なんです。

ちなみに、お遍路をする時に使う杖(金剛杖)は、

 

弘法大師の化身と言われています。

 

 



そして、この同行二人(どうぎょうににん)。

四国のお遍路さんの時だけじゃなく、

仕事で一人辛い思いをしている時や、

家に帰って来て、一人泣きたい時も、

同行二人(どうぎょうににん)。


貴方は一人じゃないよ。

亡くなった両親や祖父母、夫や妻や子供が、

いつだって、貴方の側にいるよ。一人じゃないよ。



だから、一人で辛い時、悲しい時、

亡くなったあの人が、側にいてくれると思ってください。

一人で落ち込んでいる時、

どうか同行二人(どうぎょうににん)。を思い出してみてください。



貴方は、ひとりじゃないよ。頑張って。

いつだって、貴方の側にいるよ。




END