●隣の家の木。
ゴールデンウィークも終わり、5月も半ばに入りますが、
皆さんは、先月の4月、民法が改正施行されたのをご存知でしょうか?
具体的に言うと、隣の家の木問題です。
どういう事かと言うと、
隣の家の庭に生えている木の枝が、

どんどん貴方の家に侵入してくる事ってありますよね。
そうなると、次のような問題が起きるかと思います。
①■貴方の庭の景観が悪くなる。
②■伸びて来た枝に当たって怪我をする。
③■伸びて来た枝の枯れ葉が沢山敷地内に落ちる。
④■伸びて来た枝に止まった鳥の糞が敷地内に落ちる。
⑤■伸びて来た枝と共に、毛虫が敷地に入って来る。
⑥■伸びて来た枝や葉によって、太陽が遮られる。
⑦■伸びて来た木の実や果実などが落ちて来て危険。
それらが隣人トラブルになった事も多数ありました。
しかし、今までは、
隣の家の木から伸びて来た枝を、貴方が勝手に切る事は出来ませんでした。
つまり、今までこうでした。
①■隣の家に、伸びて来た枝の伐採をお願いする。
②■隣の家の人は、やってくれない。もしくは断られた。
③■伸びて来た枝を切る裁判を起こす。
④■裁判で勝ったら、執行官立ち合いの元、強制執行で伸びて来た枝を切る。
と、なかなか面倒でした。
では、それが先月の民法改正で、どう変わったかと言うと、
①■隣の家に、伸びて来た枝の伐採をお願いする。
②■隣の家の人は、やってくれない。もしくは断られた。
ここまで変わらないんですよね。
つまり、新しくなった民法でも、一応隣にお願いする前に、
貴方が勝手に切ってはいけないので注意しましょう。
さて、ここからが、先月から施行された新しい民法です。
③■伐採をお願いしてから2週間経っても、何もしてくれない。
④■貴方が勝手に、敷地内に伸びて来た枝を切って良い。
ただ、隣人といつも連絡がつくとは限りませんよね。
例えば、
①■隣の家が別荘で、連絡する方法が見当たらない。
②■隣の家が空き家。
③■隣の家が廃墟。

④■隣は木が生えた土地だけや倉庫だけで、そこに住んでいない。
こういう風に、隣の土地の所有者が誰だか分からないとか、
誰か分かっても、どこにいるか分からない。という場合、
●貴方が勝手に、敷地内に伸びて来た枝を切って良い。
ただし、登記簿謄本や役所で確認したかどうかが問われます。
また、緊急性がある時は、
●貴方が勝手に、敷地内に伸びて来た枝を切って良い。
例えば、こんなケース。
①■切らないと火事の延焼の危険がある。
②■建物の修繕や増築が、枝を切らないと実施出来ないという場合。
ちなみに地下茎。例えば、隣の家の竹やぶの竹の根っこが、
貴方の敷地に土の中から侵入してきた。と言う場合は、前の法律でも
●貴方が勝手に、敷地内に伸びて来た地下茎を切って良い。
最後に、ちょっと面倒なケースがあります。
それは、隣の家の土地が複数の人の物の場合。
つまり例えば、隣の家の土地を3人が所有している。
そういう場合、気をつけないといけないのは、
その3人の土地の所有者全員に、切って欲しいと連絡しないといけません。
ただ、今までは3人全員が切る事を承諾しないと切れませんでしたが、
今回の民法改正で、
3人の土地の所有者の内1人の承諾で切っても良いとなりましたし、
当然、連絡がつかないとか、2週間経っても何もしてくれない。という場合は、
●貴方が勝手に、敷地内に伸びて来た地下茎を切って良い。
これで少しは、隣人トラブルが減るといいですね。
END
