●人食いバクテリア。


今日は何を書こうかと、ニュースを見て見ると、

俳優の渡辺徹さんが11月28日、敗血症のため61歳で亡くなられた。

後日、妻の榊原郁恵さんと長男で俳優の渡辺がテレビに出演され、

 

徹さんは長年糖尿病で治療を続け、食事も制限されてきたので、

記者の方から、棺の中に入れたものを尋ねられると、

郁恵さんは「まずは山盛りのご飯」と明かし

もうお父さん、制限ないからって言って。

 でも(徹さんは)今じゃないんだよ

 お前、もう少し前に食べさせてくれよって言ってるね、

 と言いながら一杯山盛りにして...」。と記者の笑いを誘った。



会見の最後、

裕太さんは「この辺りで父と共に失礼させていただきます」と締めくくり、

郁恵さんは「じゃあお父さん、帰るよ」と、

天井を仰ぎ、徹さんに呼び掛けていたという。




なんか、これからも二人を守ってくれる感じしますよね。

 

 

 


さて、


私達一般人にとって、敗血症って普段あまり聞かない病名ですよね。

でも、実は、非常に多い。



2010年~2017年の僅か8年間に日本人で敗血症になった人は、

200万人。そして、その内亡くなったのは36万人もいるのだ。




世界で言うと、毎年2700万人が敗血症になり、その内、

毎年約800万人が死亡している恐ろしい細菌なのである。

これはガンによる死者数を上回っている。




敗血症の原因は細菌感染なので、危険は実に多様な所に存在する。

敗血症の原因となった感染部位のトップ3は

①■肺炎、
②■腹部の感染症、(腹膜炎)
③■尿路感染症です。

尿路感染症は、腎盂腎炎や慢性膀胱炎、尿路の結石などから。

基本的に敗血症を発症しやすい方は、

新生児と高齢者です。

特に皮膚粘膜や臓器機能、免疫機能などが脆弱(ぜいじゃく)な状態である人。



そんな敗血症のニュースを見て、

思い出した事件がある。



それは、まだ大谷翔平選手が、日本にいた最後の年、2017年、

埼玉西武ライオンズの森慎二投手コーチが、敗血症で亡くなった。

体調不調を訴えてから、亡くなるまでわずか3日だった。

敗血症の原因は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症。

別名、人食いバクテリアである。






この細菌に犯されると、

手足の皮膚や筋肉を、まるで食べられた様に、

短時間で壊死させる
ことから人食い呼ばれる。

発症者の30%が死亡する恐ろしい細菌なのだ。

この人食いバクテリアが恐ろしいのは、そのスピード。

森コーチのように急激に症状が進行する恐ろしい細菌で、

昨日までまったく元気だった人でも、3日で死亡する事がある。


2018年7月、

 

アメリカ、ニュージャージー州カンバーランド郡ミルヴィルに住む

エンジェル・ペレスさん(60歳)は、川に入ってカニ捕りを楽しんでいた。

 

ところがその翌日、

右脚下部が深刻な痛みを伴い、腫れ出した。

原因は、川の中にいた人食いバクテリアがエンジェルさんの足首にあった

小さな擦り傷から血管内に侵入
してしまったのだ。

エンジェルさんの右脚は感染症を起こし、

 

腫れあがって変色、皮膚に水膨れができた。

さらに左脚、右手、左腕もあっという間にバクテリアに侵食され、

数週間後に四肢は全体的に黒く変色した状態になってしまった。

エンジェルさんは2日間人工呼吸器を装着され生死の境をさまよった。

命は助かったものの、壊死した両手を切断。

更に、両脚の大部分が壊疽を起こしているために両脚も切断しなければならない

可能性があると医師に告げられた。

また、アメリカのエイミー・コープランドさんは、

川に転落した際にふくらはぎを岩で傷つけ、

その傷口を経路として
人食いバクテリアに感染してしまった。

なんとか助かったものの両手両足を切断した。

人食いバクテリアは、体の表面の小さな傷跡から侵入するのだが、

体に傷が無くても、鼻の穴から侵入するケースも多い。

2019年、テキサス州のリリー・アバンちゃん10歳が、

 

水の中の人食いバクテリアに感染し、脳炎にかかり1週間後に死亡した。

彼女は家の近くの川で遊んでいる時に鼻から体に細菌が入ったとされる。

人食いバクテリアは温かい水を好み、アメリカでは6月~9月に被害が多い。

なので、アメリカでは、川や湖には、

泳ぐ時は、必ず頭は水面から上に出して泳ぐ様に注意書きが貼られている。

 

他にも、

水虫、靴擦れなどの水ぶくれが経路となって感染するし、

タトゥーを入れたばかりの男性が海で泳いだところ、

そのタトゥーの小さい傷から人食いバクテリアが体内に入り込み、

症状を起こして亡くなった。

イギリスのノーフォークに住む女性は、

素手で庭の草取りをしていて、人食いバクテリアに感染した。

原因は素手で草取りをしていた時、草にいた人食いバクテリアが手に付着、

その手で顔を拭いたり、目を拭いたりした時に、目の網膜に傷がつき、

その傷口から人食いバクテリアが感染、
翌日目が大きく腫れて膿が出始めたのだ。


そこで、注意して欲しいのは、

川や海・湖に入る時は、

①■手足・体に傷が無い事を確認してください。

②■頭は常に水面から上に出して泳ぐ事。

③■水に入る時は、湖面や川底などの水底をあまりかき混ぜない様に入る事。

 なぜなら、人食いバクテリアは水底のバクテリアを餌にしているので、

 水底の堆積物をかき回すと、水面に巻き上がって来ます。

④■もし、どうしても番組や企画・旅行などで、

  川や湖・海に入って泳がないといけない時、

  人食いバクテリアがいそうな場所に入る時は、

  鼻をつまむんで入るか、ノーズクリップの使用をお勧めします。




⑤■万が一水面に顔を沈めてしまった時は、すぐにうがい・鼻うがいをする。






日本でも、人食いバクテリアに感染するケースは、多くなっており、

2016年には450人近くが感染した。

その内、東京都で60人、神奈川県で48人が感染した。

そして、去年(2021年)には、

 

全国で634人人食いバクテリアに感染している。


さて、ここまで読まれた方は、

人食いバクテリアに感染しない為には、

川や湖・海に入らないければ良いと思っているでしょうが、

実は、家の中にいても人食いバクテリアに感染してしまう事があります。




愛知県東海市に住む中嶋聖那さん(23)は、

幼い息子2人を育てるシングルマザー。

ある時、2歳の息子と家で遊んでいる時でした。

突然息子に、手を噛まれたのです。(親指と人差し指の間

普段から色々な物を噛む癖がある息子だったといいます。

血が出ましたが、大した傷ではありませんでした。

ところが、数日後、彼女は腰の痛みと高熱に襲われ、病院に。

血液検査をすると人食いバクテリアに感染している事が発覚。

すでに左の卵巣と卵管に菌が侵入しており、すぐに手術して、

処置が早かったので、命は助かりましたが、

 

左の卵巣と卵管は摘出しなければなりませんでした。

実は、およそ30%の子供の喉の奥には、

 

人食いバクテリアがいると言われています。

菌を保菌している子供自身も自分の菌で病気になる事もある。

 

1つの目安として、人食いバクテリアを保菌している児童は、

特に2歳~9歳の子供で、咽頭炎を患う子供です。

A群レンサ球菌(人食いバクテリア)が小学生に起こす

 

最も普通の疾患が咽頭炎だからです。

だからと言って、咽頭炎を患う子供を全てを警戒する必要はありません。

普段の生活で、あんまり子供に噛まれるって事は無いですよね。それに、

 

もし、咽頭炎を患う子供に噛まれたら、

①■まず、すぐにシャワーなどの水で患部を洗う。

②■傷口を消毒する。

それを心がけてください。

また、貴方の子供には、

友達から噛まれたらすぐに水で洗う事を教えておいて損はありませんよ。

 


END

 

参考:Livedoor NEWSより https://news.livedoor.com/article/detail/15184512/
徳洲会グループより https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/1093/article-13.php
Cherish より https://cherish-media.jp/posts/11068