●自制心。


占いの仕事をしていると、時々、

本人ではなく、子供の将来を占って欲しいという相談があります。

そういう相談をされる方は、ある程度の知り合いとか常連さんに多いです。





ある時、

時々会う社長さんの家に招待された時の事です。

彼には息子さんが2人いたのですが、

その二人の息子さんを占って欲しいと依頼されました。



まぁ、占い師が家に招待された時の、あるあるですね。



その時、

私は長男さんを診て、こう言いました。

「この子は、きっと将来成功しますよ。

 この家を背負って立つ子になると思います。

 だから、この子を大切に育ててあげてください。」


多分、この時、長男が小学生5年くらい。次男が小学生2年位だったと思います。

私はこの時で4回目位、子供達に会った事があり、

見た目は次男の方が可愛いので、母親は次男を可愛がっていたキライがありました。

なので、若干長男が母親の愛に飢えていた感じを受けたので、

上の最後の言葉を付け加えたところがあります。


では、私がなぜ、

きっと将来成功しますよ。

 この家を背負って立つ子になると思います。」と言ったのか。

それは勿論、総合的な判断(手相や顔相、行動・発言・声・生年月日)からなのですが、

その1つが、今日のテーマである自制心でした。


そう、自制心が将来の成功に関係があるのです。

そして、長男さんには自制心があったのです。

ある時、

 

中華レストランで食事を一緒にしていた時、

 

お皿に1つだけシュウマイが残っていたんですね。

 

長男さんはシュウマイが好きだったのを知っていたので私が勧めたら、

 

彼はこう言ったのです。

 

「ああ、でも、

 

 弟が食べると思うから、僕はいいや。」

 

その後、弟さんが、もうお腹いっぱいだと言うと、

 

長男さんは、残ったシュウマイを美味しそうに食べたのでした。

 

 



1970年、アメリカのスタンフォード大学の心理学者・

ウォルター・ミシェル氏とエッベ・B・ベッセン氏が、

大学内の幼稚園に通う186人の4歳児だけを対象に、

1つの実験を行いました。

集められた186人の子は、IQテストでは大差がない子が集められました。

つまり、IQが高い子とIQが低い子を除く事によって、

この実験がIQの良い悪いに関係が無い事を前提に始められました。



①■まず、1人づつ、机とイスしか無い部屋に通し、イスに座らせます。

②■机の上には、マシュマロが1つだけ乗ったお皿があります。

③■そして子供にこう言います。

 「そのお皿に乗ったマシュマロは、君にあげます。食べていいよ。

  ただし、私が戻って来る15分の間に、食べるのを我慢していたら、

  君にもう1つマシュマロをあげるよ。
でも、それまで待てなかったら、 

  ここにあるマシュマロひとつだけだよ。」


 そう言うと、部屋を出て行きます。

 つまり、部屋には、大人はいなくなり、子供一人になる訳です。





この実験は、大人がいない空間で、子供はどう行動するか、

その子供の自制心を試す実験でした。


自制心とは、

自分自身の感情や欲望などをうまくコントロールする精神力です。

例えば、ダイエットすると決めたのに、不二家の前を通ったら、

ついついケーキを買って食べてしまう。なら、

自制心に欠けているのかもしれませんよ。




ちなみに、こういう実験はアメリカの大学ではよく行われています。

私がワシントン州立大学に在学中だった頃も、

サイエンスのテストで赤点を取ってしまった時、

日本なら、追試とか、補習とかあったりするのでしょうが、

当時は、実験に協力すれば点数をもらえました。

だから、私も3回くらいそんな実験に参加しましたよ。





さて、マシュマロの実験の結果は、

3分の2の子供達が、15分我慢できずに食べてしまいました。

3分の1の子供達が、15分我慢できて、もう1つマシュマロを食べる事が出来ました。



この実験のすごい所は、この結果で終わっていないという所です。


研究チームは、その後16年間、子供達186人の追跡調査を行ったのです。

つまり、4才の子が、20才になった時、どうなったのかを調べたのでした。


結果は、歴然だったと言います。

●食べなかった子は、食べた子よりも、成功した子が多かったと言います。

●食べなかった子は、その後、周りから優秀と呼ばれる子が多く、

●大学進学適性試験の結果は、歴然とした差が出たのです。

 食べなかった子は、食べた子よりもテストの結果が、

 210点以上も上だった
のです。

●また大脳を撮影したところ、集中力に関係がある腹側線条体と前頭前皮質の活動に

 明らかな違いがある
事が判明したといいます。

●子供達が40才になった時点でも調査したのですが、結果は同じだったと言います。



この結果、研究グループは、こう結論付けました。

4歳児が将来、成功するかどうかはIQには関係無く、

幼少期に自制心を養えるかによって、その後の人生が成功しやすいかどうかが決まる。




では、子供に自制心をつけさせるには、どうしたらいいでしょうか?

①■まずは、ちょっと我慢すると、より良い事があるという経験をさせましょう。

 例えば、おもちゃが欲しいとダダをこねたら、明日なら買ってあげると、まずは1日我慢させる。

 その次は、2日我慢させる。その次は、1週間後ならこっちも買ってあげるなど。

②■日記をつけるのも、自制心につながります。

③■自分の意思をコントロールさせる出来事を目撃したら、誉めてあげましょう。








最後に、

ここまで読まれた人は、こう思うかもしれませんね。

「私には子供がいないから、関係無いや。」



でも、

そうでも無いかもしれませんよ。




相談に来られる方の中にもいるのですが、

恋人や夫にリクエストされると何でもすぐやってあげる。

言われたら何でも買ってあげる。

来てと言われたら、すぐ行ってあげる。

恋人や夫は、貴方に対して我慢するという事を知らない。


やがて、その恋人や夫を、ダメ人間にしてしまう。




それは、もしかしたら、マシュマロ実験と似ているのかもしれませんよ。




お互いに言いたい事が言える。

お互いに相手の為なら我慢出来る。


そんな関係が、成功する関係になるのかもですよ。


END