黒猫の祟り。寝るのが怖い。


これはアメリカでのお話です。


一人の女性が、霊能者の所に相談にみえました。

彼女は、飼っていた黒猫に酷い事をしてしまった。と言い、

その怨みから、時々彼女の夢の中に出てきて彼女を威嚇するのだと言う。





今から約7年前、

彼女は保護団体から一匹のメスの黒猫をもらい受けました。

そして、名前をネロと名付けたと言います。

彼女いわく、ネロとは、イタリア語で「」を意味しているそうです。

彼女の父親がイタリア系の人だそうです。


彼女はネロの事をとても可愛がったといいます。

食事も半分市販品、半分手作りの物をあげ、

猫用のケーキも、日本では余り見かけませんが、

犬猫兼用フードと卵を使って作ったといいます。





ところがある日、急にネロが何も食べなくなったのです。

心配して獣医さんに連れて行くと、

腹膜炎を発生しているとして、薬物治療を行う事に。

その日はネロを獣医さんの所に預け、

翌日、ネロを受け取りに行くと、獣医さんから言われたのは、

もう末期に近いという事。安楽死させた方がいい事。でした。

それを聞いて、彼女は泣きながらネロを自宅に連れ帰りました。

多少薬の効果があったのか、自宅に帰ってきたのが嬉しかったのか。

その日のネロは、いつもの食事を美味しそうに食べてくれたそうです。


いつものネロに戻った様な気がして、

彼女は獣医さんが言ったのは、きっとウソに違いない。

ネロが死ぬはずないと、自分に言い聞かせたといいます。




しかし、3日後、またネロが何も食べなくなったのです。

彼女は、また獣医さんから薬を処方してもらおうと思い、

ネロをケージに入れて連れて行こうとしました。


ところが、その日に限って、ネロはケージ入ってくれません。

今までそんな事は一度も無かったのに、

無理にでも入れようとすると、爪を立てて抵抗するのでした。

彼女に爪を立てたのも最初の頃だけで、それからは一度も無かった行為です。


結局、逃げ回るネロを父親と一緒に追い詰めてました。

体力が弱っているネロは、最後は父親と私に捕まえられて、

強引にケージに入れられて、無理やり獣医の所に連れて行ったのでした。


しかし診断の結果は、もう薬を処方しても無駄だと言います。

彼女は獣医さんに30分も説得されて、

結局ネロを安楽死させる事に同意してしまったのでした。


本当は、最後にネロと、ちゃんと「さよなら」をしたかったのですが、

検査の為に麻酔をかけられていて、

ちゃんとした「さよなら」も出来ずにそのまま安楽死となったのでした。


自宅に帰った彼女は、もう後悔で一杯でした。

なんで、安楽死に同意してしまったんだろう。

なんで、連れて帰って来なかったんだろう。

なんで、目が覚めるまで待って、

 

     ちゃんと抱いてあげて「さよなら」してあげなかったのだろう。

それに、なによりも、

なんで、あんなに行くのを嫌がったネロを無理やり連れて行ってしまったんだろう。

きっと、ネロは知っていたんだ。

それなのに、それなのに、

 

私はなんてネロに酷い事ばかりしてしまったんだろうか。



それからは、ネロのケージや玩具、皿や毛布を見るたびに自分を責めたといいます。

「ネロ、ごめんなさい。本当にごめんなさい。」






ネロが亡くなってから、4ヵ月が過ぎた時でした。

初めてネロが彼女の夢の中に出てきたのです。

しかし、夢に出てきたネロは、

 

やはり彼女に怒っているかの様に彼女に向って威嚇するのです。

「シャー!!」

目も怒っています。

朝起きても、夢の中でネロが彼女に向って威嚇している姿が忘れられません。

車で仕事に向かっている途中でも、夢での出来事がショックで運転に身が入りません。

そのショックが段々心臓にまで響いてきます。

やがて心臓が痛くなり、危なく車を電柱にぶつける所でした。

幸いその場にいた人に助けられ、救急車で病院に運ばれたのでした。


そんな事が1ヵ月の間に3回もあり、

とうとう彼女は、寝るのが怖くなってしまったといいます。

寝なければ、夢も見ないし、怒ったネロに会う事もないからです。




しかし、そうなると、今度は寝不足による居眠り運転で、

また車を電柱にぶつけそうになってしまったのです。

もう彼女は、どうしたらいいか分からなくなってしまいました。


こうして、彼女は霊能者に、

ネロの怨霊を鎮めてもらおうとやって着たのでした。





さっそく霊能者による霊視が始まりました。







すると、霊能者の方が、最初に言った言葉が、

「あなた、

 狭心症(心臓発作が起きる病気)なの?」



「はい。」



「そう。

 貴方の守護霊さんが言うんだけど、

 貴方は小さい頃から、心臓が弱く、

 狭心症で、いつもニトロを持ち歩いているって。(発作の時に服用する為)」



「はい、今日も持ってきています。

 

いつ発作が起きるか分からないので。」



「そう。

 それから、猫のネロの事なんだけど。


 ネロちゃん、貴方の事、

 怨んだりなんかしていないわよ。

 獣医の所に連れて行ったのだって、ネロの為に連れて行こうと思ったのでしょ。

 安楽死だって、ネロちゃんが苦しまない様にと思ったのでしょ。

 ネロちゃん、分かっている。

 だから、貴方の事、怨んで無いわよ。

 むしろ、その逆なの。


 貴方が狭心症になりそうな日を、一生懸命に貴方に教えているのよ。」







 

 「ネロは、ママに出会えて幸せでした。

  ネロは、こんな恩返ししかできないけど、

  今日はママ、危ないんだよ。

  気を付けてね!」


  
END


PS.
写真は、https://www.pinterest.jp/pin/732820170590193787/ より