●あるグラビアアイドルの運命の人。
漫画雑誌にも2回ほどグラビアを飾った事があるという
グラビアアイドルの方のお話です。
彼女は、グラビアをやりながらも、
いずれは女優さんになりたいという夢を抱いていました。
彼女いわく、女優になる為には、
まず大切なのは、芸能事務所選びだと言う。
その芸能事務所のホームページを見て、
所属のタレントさんを調べることによって、
歌手が多い芸能事務所、お笑い芸人が多い芸能事務所。
そして、俳優さんが多い芸能事務所。
と、所属のタレントを調べることによって、
その芸能事務所の得意分野が分かるという。
いずれは女優になりたいという意向は、
直接社長には言えないので、マネージャーを通して伝えていたという。
皆さんは、女優と言うと、
テレビドラマなどに出演している女優さんを思い浮かべるだろうが、
実際はというと、テレビドラマに出るような女優はほんの一部である。
現実は、まずは舞台やミュージカルに出る事である。
舞台やミュージカルを何回かこなせば、一応立派な女優と言える。
だから彼女も、頻繁に舞台やミュージカルのオーディションに応募したという。
しかし、何回受けても落ちてばかり、
やっと合格したのは、ほんのちょい役だったそうだが、
それでも出演したかったのは、その実績が、
次回の応募でアピール欄に書けるし、勿論経験の為でもある。
とにかく舞台の経験がゼロというのは、落ちやすいと彼女は言う。
ほんのちょい役でも有名な舞台だと、やはり効果があるようで、
その後、彼女は何回か合格を勝ち取った。
そんなある舞台稽古での事。
彼女は理想の男性と出会う。
彼は同じ舞台に出演する男性で、まだ駆け出しの2歳年下のイケメンだった。
昔から友人には、将来年下のイケメンと結婚したいと述べていた彼女は、
彼との出会いに浮足立っていた。
そんな時、事件が起きる。
彼との共演場面で、緊張したのもあったのか、足を怪我してしまったのである。
その後、彼も自分のせいで怪我をさせてしまったという気持ちもあり、
何回か彼女をお見舞いに行った。
それがきっかけとなり、何回かデートを積み重ね。
舞台が終わっても交際し、やがて結婚したのである。
結婚を機に、彼女は芸能界を引退した。
彼は実家から通っていたので、
彼が彼女のアパートに引っ越す形での結婚生活が始まった。
念願の年下イケメンとの結婚生活のスタートである。
彼女にとって、全てが順調に思えた。
しかし、運命の歯車は、少しずつ噛み合わなくなって行く。
それは結婚式から始まっていた。
小さな結婚式だったのだが、
最初は参加すると言っていた彼の母親が病気という理由でドタキャンしたのだ。
実際は、この結婚には大反対だった様で、
イケメンの息子を取られたという気持ちもあったのかもしれない。
それに意外な問題が持ち上がった。
それは今まで芸能一筋でやってきた彼女は、
料理が余り得意では無かったのである。
一応彼女が作った物は、何でも食べてくれる優しい彼だったのだが、
1ヵ月経つ頃になると、何かしら理由をつけて、
彼は外食する機会が増え始めたのである。
しかも、ある時連絡を取ると、
なんと、彼は実家で夕食を食べていたのである。
さすがに、それにはショックを受けた彼女は、
翌日から料理教室を探し、料理に真剣に取り組む様になったという。
しかし、せっかく学んだ新しい料理も、
彼がいつ帰るのか分からないので、作る事が出来ない。
そんな頃、追い打ちをかけるように、違う問題も浮上した。
それは、彼がどんな舞台に出演しているのか、
家にあった台本を見ると、濃厚なキスシーンがあったという。
俳優だからそういうシーンもあるのは分かるが、
夫婦なんだから、一言そういうシーンがあるけどいいか?とか
形だけでも相談して欲しかったと彼女は言う。
そんな事もあってか、
以前は多少離れた場所での舞台でも、必ず家に帰ってきていたのだが、
最近は、少し離れた場所だと、その近くのホテルに泊まり帰って来なくなった。
そんな時、彼女はその舞台の出演者を調べて、
独身の可愛い子が沢山いる舞台やミュージカルだと、
彼はイケメンだけに、浮気まではしないと思うが、良い気はしなかった。
半分別居と言ってもいい状態だった。
そんな折、お義母さんから電話があり、
「息子は口では言わないが、貴方と離婚したがっている。」と言われ、
モヤモヤする日が多くなったという。
実はその頃、彼女にもある出会いがあった。
料理教室に通っている生徒の中に、芸人をしているAという男性がいて、
その男性には、夫の事も何でも相談出来る間柄になっていたのである。
芸人をしているだけに、話しやすい雰囲気をもっていて、
Aさんは、彼女よりも3歳年上で、イケメンじゃないけど、
とても優しく包容力がある男性だった。
私が彼女と知り合ったのは、この頃である。
離婚して、Aと付き合った方が良いのか、
それとも離婚しない方が良いのか。という電話相談だった。
その時の私の答えは、
「Aさんは運命の人だと思いますよ。
離婚して、Aさんと結婚する事をお勧めします。」
それを聞いて彼女は、
「私は運命の人じゃない人と結婚してしまったんですね。
失敗でしたね。」
と言ったので、私は、
「それは違います。
貴方が結婚したイケメンの彼も、
貴方にとって、運命の人だったのですよ。」
「えっ、何でですか?
運命の人なのに、離婚ですか?」と彼女。
「貴方にとって、本当の運命の人はAさんだと思います。
でも、もし、貴方がイケメンの彼と結婚していなかったら、
貴方は本命のAとは、出会えなかったはずです。
イケメンの彼と結婚したからこそ、
貴方は自分の足りない事を学び、勉強し、
そして、本当の結婚の在り方や夫婦の理想などを学ぶ事が出来たのです。
つまり、イケメンの彼無しには、貴方はAさんには行きつかなかったのですよ。
だから、イケメンの彼も貴方にとって、絶対必要な運命の人だったのです。」
その後、彼女は離婚し、イケメンじゃない芸人の方と結婚した。
世の中には、大切な子供を授かる為だけに結婚離婚という運命になる方もいます。
それも、失敗ではなく、大切な運命の人だったのです。
つまり、後から考えて、
あの人と結婚もしくは付き合わなかったら、今の幸せな生活は無いという場合、
その人とは最悪な思い出だけだったとしても、
それは貴方にとって、その彼は反面教師であり、
貴方を幸せに導く運命の人だったのです。
END