●亡き父のお勧め。

 




ある時、「どの家が良いか選んで欲しい。」

という電話相談を頂いた事があります。




彼女は、現在アパート暮らしで、夫婦と子供2人の4人家族。

神奈川県内に中古の一軒家を探していました。

ご主人は仕事が忙しいので、彼女が住宅情報を片手に、

色んな中古物件を探していて、良いと思った物件があると、

お母さんに子供の面倒を見てもらい、

弟に一緒に下見に行ってもらっていました。

そして、最終的に良い物件を週末夫に見てもらうという事でした。





そんな感じで2ヶ月ほど家探しをした結果。

ご主人も賛成してくれた家の候補が3つ残りました。

どれも良い所もあれば、悪い所もあり、一長一短で決めかねていると言います。

そこで、占い師の意見も聞いてみようという事になったそうです。


という訳で、私にその判断のお鉢が回って来たのでした。


家の候補が3つなので、選ぶのは簡単そうに見えますが、

実は、住む家の選択は、ちょっと難しいのです。

家相だけを診るのであれば、簡単かもしれませんが、

住む家を選ぶにあたっては、家相だけでは選べないのです。


今回候補に挙がった3つの家を、ただ家相から見るなら簡単ですが、

他の要因が色々あり、どの家が、家族にとって一番良いか、

とても難しい判断なのです。



■Aの家は、一番家相が良いと判断出来ました。

 でも、駅から遠く、学校へも歩いてかなりあるという立地。

 スーパーへの買い物も車でしばらく走らないといけません。

 ただ、庭がすごく広く、奥さんが希望していた家庭菜園を作る場所や、

 ペットが走り回る事も容易なので、犬も飼える様になります。

 駐車場も2台分あるという家です。



■Bの家は、家相は悪い所はありませんが、

 Aほど庭が広くありません。

 ただスーパーは自転車で行ける範囲にあり、

 小学校も歩いて10分程度です。

 でも、価格はこの家が一番高い。



■Cの家は、家相はちょっと気になる点がありますが、

 家の価格が一番安いのです。

 ただ、200m先に墓地があったり、庭がほとんど無いという感じです。

 だから、奥さんが長年夢見ていた家庭菜園は出来ません。

 また、家がやや長い坂を上がった所にあるので、

 自転車や歩きなどはちょっと大変という立地。

 しかし、家から見える景色は良いという。




たった3つの中の選択ですが、難しいでしょ。

家だけじゃなく、普段の生活や将来設計、周りの環境など、

そこに実際に住むとなると、考える要因は沢山あるのです。


だから、家相が良いからAの家にしなさい。とは簡単に言えないのです。


実際は、家の写真や見取り図も見せてもらいました。

その結果、私の見立てでは、■Cの家が良さそうな感じは受けました。

でも、決め手はありませんでした。

■Aの家も、家相は良く、長年の奥さんの夢だった家庭菜園が楽に作れます。



そんな時でした。

 



彼女がこんな話をしたんです。



「■Cの家を見に行った時、

 リビングから見える景色が、素敵で、

 その時、ふと、

 お父さんが生きていたら、きっとこんな家、喜ぶだろうなぁ。」

 と思ったそうです。



その言葉を聞いて、

私は、彼女に■Cの家を勧めました。





実は、何かを買う時とか、何かを選んでいる時

もし、ふとなにげなく、亡くなった人の事が、良い感じで頭に浮かんだら、

それは、その亡くなった人が、

これが良いよ。」と勧めていたり、

貴方がこれを買う様にと、その亡き人が示唆していると考えられるのです。



今回は家でしたが、

ネックレスを買う時も、お肉を買う時も、

旅行を選ぶ時も、ネットで服を買う時も、

 

はたまた、友人に飲み誘われた時も、

貴方が、何か判断する時、

 

ふと、

亡くなった人が、良い感じで思い出したなら、

「賛成している。」

亡くなった人が、悪い感じで思い出したなら、

「反対している。」

と、考えられるのです。


もし、そんな事があったら、

故人の意見も参考にしてみてあげてください。

きっと何か、

 

私達には分からない結果を知っていて勧めているのかもしれませんよ。





その後、彼女は■Cの中古物件を買ったという。

 

 



それから約1年が過ぎた頃、また電話相談を受けた時、

彼女はこんな話をしてくれた。

 

 



「あれから、日本中が自粛になり、夫の給料がかなり減ったので、

 安い家にしておいて良かったです。

 リビングからの景色がとても良いので、癒されています。

 また、家庭菜園ですが、近くに土地を貸してくれる農家があって、

 今では、色々な野菜を植えて、楽しんでいます。

 あの時は、ありがとうございました。」



END