●いちご
クリニック。
今日はクリスマスイブなので、
クリスマスにちなんだお話をいたしましょう。
私がまだ、電話占いをしていた頃、
落ち着いたクリスマスや正月はありませんでした。
何しろ、世間の方々がお休みで家に居る時に相談が増えるからです。
そんな時、相談と一緒に、その家で起きた出来事などを話してくれる事があります。
ある時、4歳の娘さん(アミちゃん)をもつお母さんが、
クリスマスで起きた出来事を話してくれた事がありました。
クリスマスからさかのぼる事、約一ヶ月前、
お母さんは、娘のアミに、
「今年はサンタさんに、何を頼むのと聞いた。」
すると、アミちゃんは、迷わず以前から行きたいと言っていた
「ディズニーランド」と答えた。
その後、その事をご主人に話すと、ご主人は、
「今年のクリスマスは、出来る限りの事をしてあげたい。」と言い、
奥さんに、
「なんなら、近くのホテルの予約を取って、
ディズニーランドとディズニーシーの両方に行って来なさい。」
と予算はいくらでも良いと言ってくれた。
ところが、クリスマスから10日前に、
娘にもう一度、
「アミはサンタさんに、ディズニーランドをお願いするのよね?」
となにげに聞くと、
「いちごクリニックにする」と言う。
なんと、あんなに行きたかったと言っていたディズニーランドでは無く、
ネットで調べると、4000円位の品なので、
金額的には助かるが、夫と話して、
今年はなるべく豪華なプレゼントをと考えていただけに、
どうしたものかと考えてしまった。
どうやら、昨日友達のよう子ちゃんの家に遊びに行った時、
よう子ちゃんがもっていた「いちごクリニック」を自分も欲しくなったらしい。
その事を夫に話すと、
「アミが欲しがる物を買ってあげなさい。」と言う。
「ディズニーランドは、クリスマスプレゼントじゃなくてもいいさ。
正月にでも、二人で行って来なさい。」という返事だった。
やがて、クリスマスの朝0時。
こっそりとアミの枕元に「いちごクリニック」を置いてあげた。

お母さんは、アミが起きるのを待って、
どんな風にアミが喜ぶか、薄目を開けて見ていた。
あんなに行きたかったディズニーランドよりも欲しかった「いちごクリニック」だ。
アミはどんなに喜ぶんだろう? と期待を持って・・・・
しかし、プレゼントに気づいたアミは、
特に喜ぶようでも無く、すぐに紙包みを開け、
「いちごクリニック」を確かめると、すぐにたんたんと中を開け始めた。
特に感動している様子も無く。
これには、ちょっとがっかりしたと言う。
ところが、その直後だった。
アミが、お父さんが寝ているベッドに走って行ったのである。
いそいで私もついて行くと、
アミは、何やら夫に渡していた。
そして、夫はそれを受け取りながら、泣いているではないか!
後から分かった事だが、
アミはよう子ちゃん家に行った時に、
サンタさんにもらった「いちごクリニック」で病気が治ったという話を聞いたという。

そして、翌日、
夜中に私と夫が、寝室で、
もうガンに効く薬が無いらしい。という話をしていて、
二人で泣いていたのを、アミは隣の部屋で聞いていたらしい。
そう言えば、何度かアミが私に、
「それ、なあに?」と聞くので、
「これは、お父さんのお薬よ。
これで病気が良くなるといいんだけどね。」という会話をしていた。
自分があんなに行きたかったディズニーランドを変えてでも、
夫の事を思ってくれたアミに、胸が熱くなった。
「アミ、サンタさんに頼んだの。
これでパパの病気治してね。」
夫は、アミから受け取った薬(のどあめ)を口にしながら、泣いていた。

END