●開かずの間の正体。
これはまだ、私が千葉に引っ越して来る前の話です。
当時、東京に住んでいて、引っ越し先を探していました。
父の仕事の関係上、父からは、
西武新宿線沿線か、西武池袋沿線で家を探して欲しいと言われていました。
私と母が毎週、賃貸住宅情報誌を買っては駅前の不動産屋を巡っていました。
そんなある日、
西武新宿線の東伏見という駅の南側に、

歩いて15分という一軒家の賃貸物件を見に行った時の事です。
東伏見駅の南側といえば、
ダイドードリンコアイスアリーナというスケート場がある場所です。

その家は、細長い庭が南にあり、二階建ての月20万円の賃貸物件でした。
さっそく不動産屋さんに案内してもらい、内見に行きました。
不動産屋さんがまずカギを開けて、家の中に入ると、
すぐに1階の窓を全て開け放ち、スリッパを出して私達を招き入れました。
続いて2階の窓も全て開け、2階も見ました。
庭には芝生があったのですが、手入れはされておらず、荒れています。
また西側にも幅60cm位の細長い庭があるのですが、
そこは竹が生い茂っていて通れない状態でした。
家の広さは問題はありません。
西武新宿線沿線で、駅から歩いて15分、家賃が月20万円と、
一応父から言われていた条件の範囲内でした。
しかし、その家には、一ヵ所だけ、
どうしても気になる所があったのです。
それは、一ヵ所だけ、
開かずの間があるのです。
周りの状況から考えて、多分1畳か2畳くらいの部屋かそれ以下でしょう。
ドアには、南京錠がかけてあります。

不動産屋いわく、
ここには、大家さんの私物が入っているので、
カギがかけてあります。との事です。
母はそれを聞いて、
「ああ、大家さんの私物ですか。」と余り気にしない様子。
しかし、私は、
これから何年も住む家に、開かずの間があるって嫌じゃないですか!
しかも部屋の中に何が入っているのか分からないのです。
結局、ここでもいい。という母をなだめて、
帰って家族と相談する。として一旦保留としました。
家に帰った後も、あの開かずの間がどうしても気になって、
その日、父には家の候補が見つかった事は言いませんでした。
なぜなら、もし言って、父がそこで良いと言ったものなら、
即決まってしまう可能性があるからである。
私はそれから2・3日ずっと考えていました。
いったいあの開かずの間には、何が入っているのだろうか?
大家さんの私物って何だろうか?
やがて、答えが分かるのですが、
皆さんは何だと思いますか?
あの開かずの間には、大家さんの何が入っているのだと思いますか?
少し考えてみてから、先をお読みください。
私は思い切って、もう一度、
不動産屋さんに聞いてみる事にした。
「いったいあの開かずの間には、何が入っているのですか?
それが分からないと、安心して借りる事が出来ません。」と。
ただ、私も3日間真剣に考えて、
ある程度の予想はついていた。
■まず、大家さんの私物って、変だろう!
たかが1畳か2畳くらいの部屋に入るほどの荷物なら、
物置を買って入れれば良い事だ!
何も賃貸の家に開かずの間を作らなくても良い。
そんな事をしたら、借りる人が引いてしまうし、
いざと言う時、他人の家の中なので使いづらい。
そこで私は、何か移動できない物が中にあるのではと思った。
■次に思ったのは、
なぜ、この部屋だけ、入り口が観音開きなんだろう。という疑問。
普通、部屋のドアって、片側に開きますよね。
こんな風に。

それなのに、開かずの間は、観音開き。

なぜだろう?
考えている内に、上の2つが結びつき、1つの可能性が浮かんだ。
■移動できない物が中にある。
■観音開き。
皆さんは、何だと思いますか?
少し考えてみてから、先をお読みください。
不動産屋さんに聞いてみた。
「いったいあの開かずの間には、何が入っているのですか?
それが分からないと、安心して借りる事が出来ません。」
すると、大家には内緒ですよ。口止めされているので。といい、
こっそり教えてくれた。
「一応私も見せてもらったのですが、
あの部屋には、
作り付けの大きな仏壇があります。」
やっぱりそうなんだ。
私の推測と同じだった。
他人の家の仏壇か。
確かに仏壇よりも、大家の私物の方が聞こえは良い。
さて、開かずの間の中は分かったが、
問題はまだある。
はたして中にあるのは、仏壇だけだろうか?
一緒に位牌などあるのだろうか?
どうせ開かずの間にするのなら、
一緒に使わなくなった仏具なども入れてあるのではないだろうか?
そんな新たな疑問が沸いて来た。
そこで最終判断は、
私のご先祖に聞いてみる事にした。
すると、私の先祖は、「NO」という判断。
結局、東伏見の物件は止める事にした。父にもこの出来事は話していない。
ちなみに、自分の先祖にお伺いを立てる方法は先日書いたので、参考にされたい方は下を。
●意外に当たる、先祖占いの方法教えます。https://ameblo.jp/hirosu/entry-12629654159.html
それから、約1ヶ月した時、
気になって、あの東伏見の物件を、もう一度見た時、
もう誰かが借りたのか、賃貸物件から無くなっていた。
その後、あの家を借りて住んだ人が、どんな人生を歩んだのか、
知りたい気もする。