●2つの玄関。



まず、下の家の間取りを見てもらいたい。

(実際に扱った物件とは違うが、似ているものを掲載)






上の家は、ごらんの通り二世帯住宅である。

 



右のピンクの部分にご両親が住み、年金暮らし。




左のブルーの部分に息子夫婦の家族が住んでいる。




そして、玄関に近い扉が2つの家族を結ぶアクセスポイントとなっていて、

 



このドアを開ける事によって、お互いの家に行き来出来る様になっている。




しかし、

 



それから3年後、お祖母さんが病気で亡くなってから、



この家族の様子がおかしくなり始めたという。

 

 

 

 



まだお祖母さんが生きている時は、



両方の家族とも幸せに暮らしていたのだが、

 



お祖母さんが亡くなって、翌年から毎年不幸が続く様になったという。

 



まず翌年、残されたお義父さんが認知症になった。

 



その翌年、今度は大学生の息子さんが警察に逮捕された。

 



そして今年、今度はご主人の仕事が大きな負債を抱え、

 



娘さんも大怪我をしてしまったという。




ひとり何も起きていない奥さんが、私に相談してきたのである。

 



順番的に言うと、今度は彼女の身に、何か起きても不思議では無いので心配だと言う。

 



それと、お義母さんが亡くなってから悪い事が続いているので、

 



何かお義母さんの崇りみたいな事が起きているのかもしれないのでは?



という不安があるという。

 

 





なるほど。

 



お義母さんが亡くなってから、立て続けに不幸が起きているとなると、

 



何かお義母さんの崇りがあるのでは?と思ってしまうのもうなずける。

 



そこで彼女に質問してみた。

 



「お義母さんは、どうやって亡くなったのですか?」

 



「見つかった時は、もう手遅れのステージ4の癌でした。」

 



「ちなみに、お義母さんが亡くなる時、



 なにか恨まれていましたか?



 例えば、お義父さんが浮気をしていたとか。



 財産分与の問題があったとか。



 家族の誰かを怨んでいたとか。」

 

 




「いや、私が知る限り、そういう事は無かったと思います。



 最後を看取りましたが、



 お義父さんの事も、私によろしくお願いしますと言って、



 感謝して亡くなりました。」

 




「そうですか。


 お義母さんの生前の写真があったら、見せてもらえますか?」

 

 



お義母さまの写真を見せて持ったのだが、



とても穏やかで優しそうな人だった。

 



実は生前、穏やかで優しかった人は、亡くなった後、



残された家族を呪ったり祟ったりする事はまず無いと言ってもいい。

 



それに彼女に聞く限り、家族を怨む様な事情も見当たらない。

 

 




つまり、お義母さんが亡くなってから続く悪い事は、


お義母さんの崇りでは無い。というのが私の見解である。

 



そこで、次に家相を診る為に、家の見取り図を見せてもらった。

 



それが冒頭に紹介した家の見取り図である。

 

 




この見取り図を診て、まず気になったのは、



ご両親が住んでいたピンクの部分の家相である。



それは、



「トイレとキッチンが壁ひとつで隣り合っているという点だ。」



こういう家相の家に住むと、そこに住む夫婦や恋人は別れやすいのである。

 



お義母さんが、ここに住んで3年でお義父さんと永遠の別れになったのも関係があるのかもしれない。

 



でも、これは今回の問題とは関係が無さそうである。

 



なにしろ、息子の逮捕や夫の仕事の負債、娘さんの大怪我は、

 



いずれも別れとは関係が無い出来事だし、メインは右のブルー部分に暮らしているからである。

 





しかし、他に大きな問題となる家相は見つからなかった。

 



そこで、彼女に色々な話を聞いていた時だった。




私が彼女に、「お義母さんが亡くなってから、何か変化した事ありますか?

 



の質問に対して、彼女が気になる事を言ったのである。

 



それは、お義母さんが亡くなって、お義父さんが一人になってしまったのだが、




お義父さんは自分で食事も洗濯も出来ないので、

 



一緒に住む事になったという。

 



つまり、玄関付近にあったアクセスポイントのドアを常時開けっぱなしにして、

 



二世帯住宅では無く、

 

全体を一軒の家として使う様になったというのである。

 

 



子供達は喜んだと言う。

 



なぜなら、トイレも風呂も今まで取り合いだったのが、2つ使える様になったからだ。

 



玄関も2つになり、子供たちとお義父さんはピンクの玄関を。

 



長男夫婦は今まで通り、ブルーの玄関を使う事になったという。

 

 

 



私はその話を聞いて、初めてこの家の家相の問題点を見つける事が出来た。

 



それが、「2つの玄関」である。



実は、1つの家に2つの玄関があると、良く無いのである。





しかも、その玄関が同じ方向を向いていると、

 

悪い事が起きると言われているのである。

 

 



この家も2世帯住宅の時は、2つの家に2つの玄関だったので、悪くは無かったのだが、




アクセスポイントを常時オープンにしたために、




1つの家に2つの玄関という悪い家相が作られてしまったのである。

 

 

 

 

 

 

 




問題点が発見できた以上、私のアドバイスは単純なものであった。



「どちらかの玄関を封印して使わない様にしてください。」




その後、家族で話し合った結果、



ブルーの玄関を封印し、ピンクの玄関のみを使う様にしたという。



すると、その後は、娘さんも怪我が良くなり、御主人の仕事もなんとか持ち直し、



息子さんは執行猶予になったという。


END