●アルビノ事件。
私がアメリカに居る頃、
霊能者の所に、一人の女性が相談にみえた。
女性の相談内容は、ただ右腕が痛いというだけのものだったのだが、
後にこれが、世にも恐ろしい事件につながっていた事は、
まだこの時点では、私には想像もつかなかった。
女性は、約半年前、
一軒の平屋の家に引っ越して来てから、
急に右腕が痛み出したという。
それは急な激痛で、持っていた皿を落として割ってしまうほどだったという。
痛み自体は、3秒くらいもので、それが過ぎると何も無かったかの様に、
右腕のどこも痛くなくなっているのだという。
一緒に暮らしている夫や娘には特に異常は無い。
痛くなるのは、彼女だけだった。
もしかしたら、この急な痛みは、
骨肉腫などの恐ろしい病気の前兆なのかもしれないと心配した彼女は、
すぐに医者に行って診察を受けた。
しかし、どんなに検査しても、右腕や内臓などに問題は一切見つからなかった。
一応痛みに効く薬などを処方されたというが、
たまに襲って来る痛みは、段々と激しくなっていく様だったという。
夜中に襲って来ると、飛び起きて起きたしまうほどになり、睡眠にも支障をきたすことさえあった。
半年が過ぎた頃、彼女はある事に気が付く。
それは、急な痛みが襲って来るのは、決まってこの家に居る時だけなのである。
パートで働いている勤務先や、外出先、
シアトルにある実家に来ている時は、何日泊まっても右腕が痛くなる事は無かったのである。
これは、もしかしたら、
家に問題があるのではないか!
そう言えば、彼女の右腕が痛み出したのは、
あの家に引っ越してからだ!
それまで住んでいた家では、右腕が痛くなる事など無かったのである。
こうして彼女は、実家の母親の勧めもあって、
霊能者の所に相談に来たのである。
さっそく霊能者の方は、
彼女から手渡された家の写真を持ちながら、霊視を始めました。
2分くらい経ったでしょうか。
写真に手を当てながら、霊能者の方は、
恐ろしい事を口にしたのです。
霊能者いわく、
黒人の男性と女性が見え、
やがて、二人が口論となり、
大きな肉切包丁を持ち出した男性が、女性の右腕を切り落としたというのである。
つまり、彼女が引っ越した家は、以前、
女性が右腕を切り落とされるという惨劇が起きていた家だったのである。
それを聞いた彼女は、驚いて、
すぐに夫に電話した後、引っ越した。
すると、それからは右腕が痛くなる事は無くなったという。
この相談自体は、これで終了したのだが、
これには続きがあった。
引っ越してから、右腕が痛くなる事は無くなったのだが、
不思議に思った彼女は、
本当に以前住んでいた家は、霊能者が言った様に、
男性が女性の右腕を切り落としたという事件があったのか、調べたてみたくなった。
そこで、以前住んでいた時に顔見知りになった隣人などに、
昔、あの家でそういう事件があったのか聞いてまわったという。
すると、ひとりの隣人の息子さんが警察関係者だといい、
その隣人の方も、実際どうだったのか感心が沸き、調べてもらったという。
そして分かったのが、
実際にそういう事件が、あの家で起きていたという事。
犯人は、タンザニアからやってきたアフリカ系の黒人で、
どうやらタンザニアで事件を起こし、アメリカに逃げてきたらしいというのである。
彼がタンザニアで起こしたらしいという事件が、
世にも恐ろしいアルビノ事件だった。
アルビノとは、遺伝的な問題でメラニン色素を作る機能が失われ、肌や体や毛が白くなる。
例えば黒人なのに、まるで白人の様な容姿で生まれて来るのである。
こういう現象は日本では、約2万に一人に起きるという言われているが、
アフリカでは1400人に一人の割合で存在するという。
しかもアフリカでは、悪い呪術医師や悪い呪術師がいて、
アルビノの人肉を食べると幸福になると言い広めているのである。
白い肌の人間の体は神聖で、その体で作った薬を飲むと幸福になる。とか、
目の悪い人は、アルビノの人の目を食べると、良くなるとか。
アルビノの女性とセックスすると、エイズが治るとも言われ、
アルビノの女性が強姦される事も起きています。
また、アルビノの体の一部を煮て作った薬を飲むと、家が繁栄する。とか。
選挙があると「当選する為に」とアルビノの人を食べる為の襲撃が増える言います。
これを鵜呑みにして信じてしまった人達が、アルビノになった人達を襲い殺して、
その体を高く売ったりしているのである。
切断された腕は、闇マーケットで高額で今現在も売買されているという。
友達と川へ遊びにいく途中にアルビノハンターに捕まってしまい、
背中から銃で撃たれ、
頭部を切断され、舌や性器をくりぬかれるという残忍な事件が起っています。
過去10年でアフリカの28カ国で約700件の襲撃が起きているのである。
アルビノとして生まれたタンザニアの女性・マリアム・スタフォードさんは、
来日して、10年前に起きた悪夢の様な出来事を語ってくれました。
急に隣人の男性を含む男4人が、彼女の家に乱入してきて、
一人が彼女をベッドに押さえつけ、一人がナタで彼女の右腕を切断したのです。
男は切り取った右腕を、ほかの男たちに投げ渡しました。
私は叫び、必死に抵抗しましたが、左腕も切り落とされてしまったのです。
おなかにいた6カ月の胎児も失いました。
一緒にいた2歳の息子は無事でしたが、事件の一部始終を目撃しました。
腕を失い、2歳の息子を抱くことさえできなくなりました。
何もできないという現実は受け入れがたいものでした。
フィアンセも、私の元を去っていきました。
やがて、何も出来なくなった自分を、
彼女は「人間以下の存在」だと思う様になりました。
自分自身を責めました。
私は人間として足らない存在で、人に迷惑をかけるだけの、
人間ではなく、単なる『モノ』なのかもしれない。
そんな絶望の中にいたマリアムさんを救ったのが、アメリカでした。
事件から1年後の2009年、アメリカに招待され、無償で義手を手に入れました。
アメリカの議員にも会いました。
アルビノ狩りの悲惨な状況を終わらせて。と訴えました。
すると、アメリカの議会下院がアルビノ狩りを非難する決議を採択してくれました。
アメリカの人々は私の勇気をたたえ、尊敬してくれました。
そして今は、「襲撃した男たちを、許したい。」と言います。
許さなければ、心の平和を取り戻すことはできません。
私は、自分の人生を前に進めなければなりません。
仕事で自立するのが今の目標です。
その姿をほかのアルビノの人たちに見せたいと思っています。
2018年10月、マリアムさんはアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(標高5895m)に、
他のアルビノの女性6人とともに登りました。
たとえアルビノであっても、
両腕がなくても、
出来ない事は何もないということを示すために登りました。
私にとって、襲撃を受けてからの人生が最大のチャレンジです。
そのチャレンジのシンボルとして、キリマンジャロを登りました。
アルビノは単なる遺伝子疾患にすぎません。
私たちは「貴方と同じ人間なんです。」

今、アメリカでは黒人差別の問題が、大きな社会問題となっているが、
アフリカでは、まったく逆の差別が起きている事も、忘れてはならない。
END
参考:しゃえま偶感 https://shae-bear.com/archives/2477
Withnews(ウィズニュース)https://withnews.jp/article/f0181221002qq000000000000000W06810101qq000018512A



