●買わない方が良い土地。
皆さんは、競売(けいばい)というのをご存知でしょうか?
普通、私達が土地や家を買う場合、
駅前などにある不動産屋さんに行きますよね。
でも、そこにある物件は、当然不動産屋さんの手数料や儲けが含まれているので、
結構高いというか、相場通りの値段が提示されているはずです。
実は、もっともっと安く土地や家を買う方法があります。
それが競売(けいばい)です。
競売とは、国や県が、儲け無しで売りに出す物件です。
なぜ儲け無しで売るかと言うと、
例えば、千葉県なら、
県民の中には、税金を滞納して払わない人がいますよね。
そうなると、県の税務署は、税金を払わないもしくは、払えない人の、
土地や家を売って、そこから税金を強制的に払わせる訳です。
つまり、税務署は、一日でも早く税金を徴収したいだけ、
だから、儲けなど度外視してでも、税金滞納者の土地や家を早く売りたいのです。
従って、普通に買えば3000万円のマンションが、
競売で買えば1900万円で買えるという例もある訳です。
これに目を付けたのが、私の今日の依頼者でした。
彼はこういう競売物件を買って、転売するビジネスをしているのです。
例えば、彼が4年前にした転売では、
元々7000万円で当時建てたという豪邸が競売にかけられました。
現在は築40年という事で、古くなった上に、相場も調べてみると、
現地の不動産屋さんの査定では、3000万円という事でした。
競売物件は、みんな最低入札価格というのが決まっています。
例えば、上に豪邸の場合、最低入札価格が1500万円でした。
そこで彼は、1550万円で入札。
結果、彼が落札に成功して、その築40年の豪邸を買ったのです。
直ぐに彼は、その豪邸を1980万円で売りに出しましたが、
1年経っても売れません。
そこで、彼は、次の手を打ちました。
内装と外装を450万円かけてリホームしたのです。
すると、その僅か3か月後に、2980万円で売れたのです。
つまり、差額の980万円高く売れたという訳です。
ただ、実際は、そこから不動産取得税(70万)や登記費用(40万円)などが引かれて、
儲けは、770万円となりました。
ちなみに、今年千葉県で競売された物件の結果は以下です。
こんな例をあげると、誰でも簡単に儲かる様な気もしますが、
実際は、よく調べる能力が無いと危ないです。
例えば、競売物件に入札する前に、現地に赴き、その家を調査する訳ですが、
実際にその家に行ってみると、まだ誰かその家に住んでいた事があります。
つまり、税金滞納者が住んでいるまま、その家を競売にかけられた訳です。
そうなると、厄介です。
何しろ、誰かが住んでいるなら、転売出来ません。
居住権を立てに、なかなか出て行かないでしょうし、
その人から家賃を取りたいとこですが、今まで税金も払わなかった人達ですから、
家賃を取れるかどうかも分かりません。
また、ヤクザが住んでいるというケースもあります。
その場合、立退料目当てなので、500万円払えば立ち退いてやると言われたりします。
と、ここまでが競売(けいばい)物件の一般的な説明です。
では、
占い師である私が、どうして依頼されたかと言うと、
競売物件の中には、買わない方が良い土地や家があるからです。
例えば、事故物件。
首吊りがあった家とか、幽霊が出る中古物件とか、
お墓の隣の家とか、
そして、今回紹介する土地とかです。
ある時、彼が入札したい土地があるので診て欲しいと依頼してきました。
さっそく、その競売にかけられいる土地に行ってみると、
その土地は、広くて環境も申し分ない場所にありました。
彼はその土地の立地なら、すぐにでも転売できるし、
自分がそこに家を建てても良いとまで言いました。
しかし、その土地には、1つ難点があったのです。
それは、土地の一カ所にポツンと祠(ほこら)が建っていたのです。
家は取り壊れたのに、祠だけ残っているのって、おかしくありませんか?
そこで通りかかった付近の人に聞いてみると、
ここに元住んでいた方は、立て続けに不幸な死をとげたといいます。
実は、祠、特に狐さんを祀ってある祠を取り壊して、
その上に家やマンションを建てると、
崇りで死んだり、重い病気になったりする事がよくあります。
だから、祠を撤去する場合、十分に今までのお礼を言って、
神社やお寺の方に相談してから撤去しないといけないのです。
その事を彼に言うと、
彼は祠など買ってからすぐに取り壊してから、
土地を転売すればいいと簡単に考えていたらしく、
しかも自分の家もそこに建てにくいと分かると、入札を断念しました。
その後、その土地は大手不動産屋さんが落札していましたが、
ちゃんと祠にお礼を言ってから撤去した事を祈るばかりです。
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