●オーロラを君と。
電話相談をしていると、
逆に相談者の方から、不思議なお話を聞かせてもらう事があります。
私がこの話を聞いた時、おもわず、
「ご主人、
そばに居たと思いますよ。」と言いました。
彼女の御主人は、とても写真を撮るのが好きで、
結婚する前のデートは決まって、植物園とか景色が綺麗な場所に行ったと言います。
長女が生まれた時も、色々な公園に連れてって写真を撮ったそうです。
そんなご主人の夢は、
いつか家族でオーロラを見に旅行に行く事でした。
しかし去年、御主人は急性のガンで亡くなったのです。
亡くなる一週間前、御主人は死を覚悟したのでしょう。
奥さんにこう言ったといいます。
「一度でいいから、オーロラ見たかったなぁ。
せめて君だけでも、いつかオーロラを見に行ってくれ、
君がオーロラを見ている時、
きっと、側にいるから・・・・
きっと、僕も君の側にいるからね。」
そう言い残して、彼は天国に行ってしまったのです。
彼女と5歳の娘さんを残して。
御主人は、彼女に「君だけは、いつかオーロラを見に行ってくれ」
と言い残しましたが、母子家庭の彼女には、そんな余裕はありません。
仕事をしながら、娘を育てるだけで精一杯です。
せめて休みの日に、近くの公園や遊園地に連れて行ってあげる程度です。
「きっと、オーロラなんて、
一生見る機会なんてないだろうなぁ。」
そう思いました。
夫が亡くなって3年目の春、彼女の誕生日の日の事です。
ほんとなら、毎年ご主人が盛大に祝ってくれていたのですが、
今年も、娘と二人だけで、夫はいません。
それでも、彼女が仕事から帰ると、
娘は学校で習ったと言って、
玄関から居間にかけて、綺麗な色とりどりのテープで飾ってくれ、
画用紙に「お母さん、誕生日おめでとう。」と書いてくれていました。
彼女は娘さんに、
「ありがとう。
とても綺麗なテープね。」と言うと、
娘さんは、
「綺麗でしょ。
オーロラ・テープって言うんだよ。」と見せてくれたのです。
その瞬間、彼女は、
生前の夫の言葉を思い出して、涙が出たといいます。
「君がオーロラを見ている時、
きっと、側にいるから・・・・
きっと、僕も君の側にいるからね。」
END
参考:
オーロラの写真は、フィンツアーより https://www.nordic.co.jp/aurora_fall
オーロラテープの写真は、アマゾンより https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97-3m%E5%B7%BB-8%E8%89%B2-113701/dp/B001J2YIB0


