●落とした財布と、割れた酒瓶。
「不思議な事もあるんですねぇ。」
ある時、こんな話をしてくれた相談者の方がいました。
部屋の掃除をしていた時、袖が当たってしまい、
棚に置いてあった小物入れが落ちたそうです。
「中に壊れ物あったけ?」と中を開けてみると、
元彼がくれたブローチが、一番上にあって、
ちょっと懐かしく思い、
「今頃どうしてかな。」と思ったそうです。
ところが、2日後、友人から電話あり、
昨日、元彼が亡くなったと教えてもらったといいます。
「不思議な事もあるんですねぇ。」と彼女が言うので、
私は、「それは偶然では無いと思いますよ。」と言いました。
「多分、最後に貴方にお礼を言いに来たのだと思います。」
「いい思い出を、ありがとう。」と。
早くは亡くなる1週間前から、こういう風に、
お世話になった人や、好きだった人、お礼を言いたかった人に、
会いに来る事があります。
上の例の他にも、
実際に、その人の姿を庭で見かけて、
こっちを向いているので、入ってくればいいのにと、
外に出たら、誰もいないので、おかしいなと思っていたら、
翌日その人が亡くなっていたり、
夜、テレビを見ていたら、耳元で、
「みゆき!」と呼ぶお父さんの声が聞こえたそうです。
気のせいかな。と思っていたら、
それから3時間後、実家から電話があって、父親が亡くなったといいます。
実際の生活ででなく、
夢の中に出てきて、お別れやお礼を言ってくれる事もあります。
こういう現象を、暇乞い(いとまごい)と言いますが、
中には、暇乞い(いとまごい)に意味を持たせるものもあります。
最後に、こんな例を・・・
ある時、電話相談で、こんな事をぼやく方がいました。
「最近ツイてない事が続いて、参ってます。」
聞くと、
6日前の夜、近くのコンビニに、
おつまみとワインを買いに、自転車で行った時、
ポケットに入れてあったお財布を、自転車をこいでる途中で、
どこかに落としてしまったというのだ。
来た道をくまなく探したそうだが、見つからなかったという。
お財布には、現金の他に銀行のカードも入っていたので、
すぐに交番に落とし物の届出を出した。
ただ、それよりも困ったのは、
その日も次の日もワインが飲めなかったという事だと言う。
それだけでは無かった。
3日前、買ってあったワインを飲もうとテレビの前に持ってきた時、
なんとワインの瓶がテレビの前にあったガラスのテーブルに当たって、
割れてしまったのである。
少し高めのワインだったので、掃除しながら嘆いたという。
そして最悪だったのは、
一昨日、入院中のお母様が亡くなったというのである。
私はその話を聞いて、
「私が思うには、
貴方はツイて無い事が続いているのでは無い様な気がします。」と言いました。
「貴方は、お母様に愛されていたんだと思いますよ。
お母様は、最後に貴方にお別れに来たのです。
普通はお別れの挨拶やお礼をしに来るのですが、
貴方の場合、それよりも、
貴方の体が心配だったり、
そんなにお酒ばかり無茶飲みしていると、結婚出来ませんよ。
と伝えたかったんだと思いますよ。」
「母さんが死んだら、
もう誰も注意してくれないんだよ。
お酒は、ほどほどにしなさいよ。
そして、幸せになるのよ。
さよなら、さちこ。
今まで、ありがとね。」
END