●失敗した店の開店。

 

 


占いの仕事は、人を診るだけとは限りません。

 

 

ある日、1年前にお店を開店させたのだが、

 

 

どうも客が来なくて困っているという相談がありました。

 

 

こういう場合、その女性経営者の方がついていないという事も考えられますが、

 

 

聞くと、それまではとても順調にお金を稼いでいて、

 

 

貯めたお金を頭金に当てて、自分の店を開店させたというから、

 

 

問題は彼女よりも、開店させたお店かもしれないと思いました。

 

 

そこで後日、お店を診に行く事になったのです。

 

 

 

 


場所はJRの総務本線の駅から歩いて行ける距離だというので、

 

 

当日は電車で行きました。

 

 

駅に着くと、彼女に電話してからお店に向かいました。

 

 

歩いて10分ほどでしょうか、

 

 

クリーム色の外観の彼女の店が見えました。

 

 

スナックです。

 

 

私は店の経営のプロではないので、

 

 

どんな立地がスナックに良いのかは分かりません。

 

 

ただ、駅からは歩いて10分と遠いのですが、近くに住宅地があり、

 

 

店の前には大通りもあるので、夜の需要はある感じはしました。

 

 

2階建てのアパートの様な建物の1階と2階に様々な店舗が入っています。

 

 

彼女の店はそこの1階の真ん中辺りでした。

 

 


開店前のお店に入れてもらい、さっそくお店を拝見させてもらいました。

 

 

カラオケが歌えるスナックの様です。

 

 

私はお酒を全く飲まないので、どんな形態のスナックが良いかは分かりません。

 

 

ここは単純に家相を診るだけです。

 

 

こういう仕事をする時、私はまず家の見取り図を見せてもらうか、

 

 

無い時は、自分で家の見取り図を描いてみます。

 

 

彼女に聞くと、この店は居抜きだったので、見取り図は無いという事でした。

 

 

 

居抜きとは、不動産用語で、居抜き物件の事で、

 

 

前に閉店した店の状態を、そのまま改造しないで使って開店させる事です。

 

 

普通は店を開店させる時は、何もない店舗にキッチンを作ったり、

 

 

椅子やテーブルを買ったり、壁を作ったりして自分のイメージに合った店を作るのですが、

 

 

その分、お金も係ります。

 

 

しかし、前に閉店した時の内装をそのまま使えるなら、

 

 

内装に係るお金が浮く訳で、だいぶ節約出来るのです。

 

 

 


例えば、下の様に、大きな内装はそのまま使い、

 

椅子の形や位置を変える事で、店をリニューアルしてオープンさせれば、

 

 

内装の費用も浮くし、店の開店も早く出来るという訳です。

 

 

だから、余り費用の無い人は、この居抜き物件を探す事が多いのです。

 

 

彼女の場合もそうでした。

 

 

前に閉店したお店もスナックかバーをやっていた店だったといいます。

 

 


さっそく店の見取り図を描いてみました。

 

 

こんな感じだったと思います。

 

 


皆さんも、もし誰かに家相を診てと頼まれたら、

 

 

こんな感じで紙に書いてみることをお勧めします。

 

 

なぜなら、実際に絵に書いてみると大きな視点で見れて、

 

 

分かる事もありますし、なにより、

 

 

依頼者の方が、ああ、真剣に診てくれているんだなと思ってくれます。

 

 

 

さて、ここで問題です。

 

 

この店の見取り図を診て、どこが良くない家相か分かりますか?

 

少し考えてみてから、先をお読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が彼女に指摘した、悪い点は、

 

 

店の入り口でした。

 


家相的に言って、

 

 

入り口に入ったら、すぐ壁に突き当たるのは悪い家相です。

 

 

それもこの店の場合、ドアを開けたら壁、そして入ったらまた壁です。

 

 

 

 


他にもこんな店の相談がありました。

 

 

それはショッピングセンターに出店した質屋だったんですが、

 

 

依頼があった時は、こんな店でした。

 

 


やはり、入り口を入ったら、すぐに壁でした。

 

 

勿論、プライバシーを守りたいという人がこっそり売りに来るから。

 

 

という理由があるからそうしたとの事でしたが、

 

 

お客が来なければ、そんな理由を優先している場合ではありません。

 

 

 


入り口を入ったら、すぐ壁というのは、

 

 

お客に圧迫感を与えてしまい、入りずらくしているのです。

 

 

お化け屋敷ならともかく、人は中が見えない所を入っていくのは抵抗感があるのです。

 

 

 


そこで、両方の店とも、入り口を入ったらすぐ壁というのは止めさせました。

 

 

 

 


質屋でいうと、こんな感じになりました。

 

外から見ると、売り来ている様子が見えてしまい

 

 

プライバシーを気にする人にとっては、嫌かもしれません。

 

 

しかし、蓋を開けてみると、この方がお客が増えたのです。

 

 

今の若い子は、プライバシーよりも、中が見えて安全な方が良い様で、

 

 

むしろ、他の子も売りに来ていると分かった方が安心して中に入れる様です。

 

 


その後、この質屋もスナックも、売り上げが上がったという事です。

 

END


参考:

居抜きの例の画像 a&tより https://www.aandtt.co.jp/inuki-bukken/