●呪う剥製、喜ぶ剥製。

 

 


死んだ動物に綿を詰めたりして生きている時の様子に作った物を剥製といいます。

 

 

今日は、そんな剥製(はくせい)に関してのお話です。

 

 


ある時、まだ私がアメリカに行く前、

 

 

霊能者の所に一組の夫婦が相談に来たそうです。

 

 

御主人は車の助手席から降りると、杖をつきながら歩いて来ました。

 

 

奥さんが運転して来て、彼を降ろすと彼の後から家に入ってきたそうです。

 

 

相談があったのは、御主人の方でした。

 

 

御主人は約1ヶ月前から右足がまったく動かなくなったそうです。

 

 

そこで病院に行くと、片方の足だけが麻痺するのは、

 

 

脳梗塞などの脳に異常があるのかもしれないと言われ、脳の検査をしたそうです。

 

 

ところが、脳にも右足そのものにも異常は無かったそうです。

 

 

しかし、このままでは仕事が出来ないので、

 

 

困ったあげく、霊能者の所に相談に来たといいます。

 

 

ちなみに、御主人の仕事は、山のガイドの仕事をしていて、

 

 

足が不自由だと、勿論山などには登れず、仕事がまったく出来ないといいます。

 

 

 

 

 


さっそくご主人の霊視が始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、沢山の剥製が見えたそうです。

 

 

そこで、霊能者の方がご主人に、

 

 

「なにか、剥製を沢山お持ちですか?」と聞くと、

 

 

御主人は、「はい。趣味で剥製を作っていて、売る事もあります。」といいます。

 

 


実は、御主人の仕事は、ハンターをガイドする仕事をしていて、

 

 

自分でも野生動物を一緒に狩りをするといいます。

 

 

そして自分で殺した動物を剥製にして、家に飾っているそうです。

 

 

 

更に霊視を続けると、

 

 

沢山の剥製の内、鹿(しか)の剥製が気になるのよね。

 

 

と霊能者が言いました。

 

 

すると、御主人が、

 

 

「ああ、鹿が一番最近に剥製にしたものです。」と言ったのです。

 

 

時期にすると、ちょうどご主人の足が動かなくなったあたりでした。

 

 

しかも、御主人いわく、

 

 

その撃ち殺した鹿のお腹には、まだ子供がいたそうです。

 

 

 


つまり、彼は妊娠中の母親鹿を撃ち殺し、

 

 

その遺体を剥製にして家に飾って楽しんでいたのです。

 

 

 

そしてその後、御主人の右足が、

 

 

まるで剥製になった様に、動かなくなったのでした。

 

 

 

霊能者の方は、御主人にその鹿の剥製に心から謝って、燃やしてから、

 

 

土に埋めてあげる様にいい、

 

 

出来ればもう鹿は殺さないと、

 

 

その墓の前で誓ってあげて欲しいとアドバイスしたそうです。

 

 


すると、段々と右足も動く様になってきているといいます。

 

 

 


私はその話を聞いて、

 

 

「やっぱり、動物を剥製にすると良い事無いですよね。」と言うと、

 

 

霊能者の方が、意外な事を言ったのです。

 

 

 

 

「私もそう思っていたんだけど、

 

 そうでもないのよ。」

 

 

 


と言うのは、霊能者の方が高校生の時、

 

 

シアトルにある博物館に行った時でした。

 

 

そこに立派な鹿の剥製が展示してあったそうです。

 

 

 

その鹿の剥製を見て、彼女は思わず、

 

 

「立派な角(ツノ)」って言うと、

 

 

その鹿の剥製から、彼女だけに聞こえる声で、

 

 

「ありがとう。」って言ったのだそうです。

 

 

興味を持った彼女は、しばらくその鹿の霊と話をしたそうで、

 

 

それによると、その鹿は怪我をして保護されたそうで、

 

 

その後しばらく保護施設で生活していましたが、

 

 

病死して、剥製になったそうです。

 

 

その時、霊能者の方が鹿に、

 

 

剥製にされてしまって、怨んでいますか?」と聞くと、鹿の霊は、

 

 

「そんな事無いよ。

 

 助けてくれた恩返しが出来たし、

 

 沢山の人の役に立ってるし、

 

 多くの人がボクを見て、凄いって言ってくれるんだ。」

 

 

と言って、むしろ喜んでいたと言うのです。

 

 

 

同じ剥製の鹿なのに、こうも違うのかと驚きました。

 

 


皆さんも、

 

もし、博物館か、友人の家で、動物の剥製を見たら、

 

けなすのではなく、その動物を誉めてあげましょうね。

 

もしかしたら、貴方の言葉を聞いていて、喜んでくれるかもしれませんよ。


END