●難病の弟。
霊能者の所に、結婚の相談に来た女性がいました。
彼女は2日前に、ハンサムな青年にプロポーズされたのですが、
それを受けるべきかどうか、では無く、
受ける前に、自分の家庭の事情を話した方がいいのかどうかで迷っていました。
と言うのは、彼女は母子家庭で育ったのですが、母は病気がちなうえに、
6歳年下の弟が難病で、きっと将来彼女が面倒を見ないといけないので、
その事を彼氏に言った方がいいのか、それとも言わない方がいいのか。
それを迷っていて、プロポーズの返事が即答できないでいたのでした。
そんな事情が無ければ、すぐにでも結婚したい相手でした。
友人に相談すると、一人の友人は、
どうせいつかは分かるのだから言った方がいいんじゃない。と言ましたが、
他の多くの友人達は、そんな事、言わなくてもいいんじゃない。とか、
結婚して夫婦になったら、もうそんな事分かってくれるわよ。と言います。
彼女自身としては、隠し事をして結婚したくないので、出来れば話した方がいいけど、
結局結論が出せず、迷ったあげく霊能者の所の相談に来たのでした。
さっそく霊視が始まりました。
しばらくすると、
亡くなった彼女のお父さんの霊が現れたそうです。
そして、こう言ったそうです。
「明日にでも、彼氏に難病の弟の事を、包み隠さず全部話しなさい。」
それだけ言って消えていきました。
翌日、彼女は霊能者に言われた事を信じて、彼氏に全部話しました。
弟が難病である事。
将来自分が面倒をみないといけないだろうという事。
将来、弟の医療費もみてあげたい事。
母親が病気がちである事。など。
すると、それを聞いた彼氏の反応は、
「へぇー そうなんだ。」と、特に驚いた様子も無く、
普段と変わらずデートを続けたと言う。
そんな彼氏の反応を見て、彼女は「話して良かった。」と心で思い。
プロポーズを承諾したのでした。
ところが、二日後、その彼から電話があり、
プロポーズした事は、取り消してくれと言うのである。
理由を聞いても、何も言わずに切られてしまった。
しかも、一ヶ月後に、彼は他の部署の子を婚約したのである。
彼女はショックで、会社を辞めたのでした。
その時ばかりは、弟の存在をわずらわしく思ってしまった。と言う。
「弟さえいなければ・・・・」
でも、帰宅し、
「お姉ちゃん、お疲れさま。」と言う弟の無邪気な笑顔を見ると、憎めなかった。
自分が家族を支えなければならない。
新たにそう思った彼女は、とりあえず近くのスーパーでまた働き始めた。
すると、彼女の熱心な働きぶりと優しさに感心した支店長に気に入られ、
その10歳年上の支店長と結婚する事になったのである。
しかも、今度は当初から弟の事から家庭の事情の事まで話していたので、
なんと彼は、最初から弟さんとお母さんを引き取って、
一緒に暮らそうと言ってくれたのである。
その後、家族全員が一緒に暮らせる様になった彼女だが、
風の噂で、こんな話を耳にしたと言う。
それは彼女とのプロポーズを取り消して、他の部署の子と結婚した元カレは、
現在、離婚調停中らしいというのだ。
しかも原因は彼の浮気とDVらしいのだという。
結婚のお礼と報告にやって来た彼女に、霊能者の方はこう言った。
「弟さんの事は大変だと思う。
でもね。
貴方の弟さんは、貴方を幸せに導く為に生まれて来たところもあるのよ。
元カレさんは、弟さんの試験に落ちたのね。」
霊能者いわく、
一見、貴方が現在、とても不利な条件の中にいても、
それが貴方を守っていたり、不幸から遠ざけている事がよくあるのだという。
そして、
結婚前の彼氏に、真実を話すかどうかで迷った時、
大抵は、真実を話す。が正解の場合が多いのだと言う。
END