●供養する順序と待遇の差。
このお話は、昨日のブログ(●実家の白猫が招く家庭不和)の続きです。
従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12457307575.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
これは10年以上前に頂いた電話相談です。
彼女は結婚して20年になる奥様で、大学生になる長男と、
高校生になる長女がいる4人家族というごく普通の家の方でした。
ところが、約2年半前に実家から連れてきたという猫がいるそうで、
どうもその猫が来てからというもの、段々と夫との間に喧嘩が増え、
不仲になっている様な気がすると言います。
正確に言うと、猫がこの家に来たのが、2年半前の夏。
彼女が御主人と喧嘩が始まったのが、約2年前だったという。
そして、今では家族4人が顔を合わせる夕食時しか夫とちゃんと顔を合わる時がなく、
その時さえ、ほとんど会話も交わさないという。
ただ、彼女の本音としては、離婚はしたくないと私に言う。
本当は喧嘩もしたくないのだが、なにか知らない内にキツイ口調になっているという。
実際、彼女に喧嘩の主な原因を聞いても、はっきりした原因は思いつかないらしい。
普通は夫の浮気とか、ギャンブルとか、無駄遣いなど
はっきりした喧嘩の原因があるはずなのに彼女の場合、心当たりが無いのだ。
しかし、1つはっきり彼女が感じているのは、18年間仲が良かったのに、
実家の猫が家にきてから、段々と夫との仲が悪くなっていったという事だった。
そんな電話相談でした。
はたして、この可愛い猫が彼女と夫の仲を悪くさせようとしているのだろうか?
しかし、シロが原因だという何の確信も証拠も無い。
そこで彼女にこんな質問をしてみた。
「猫のシロちゃんの元の飼い主である貴方の御両親は、御主人の事を嫌いだったり、
別れた方がいいとか離婚した方がいいとか言った事はありましたか?」
「いえ、両親は結婚には賛成で、夫の事を嫌った事はありません。」と言う。
「今までご主人が、シロちゃんに対して酷い仕打ちをした事はありますか?」
「無いです。」
どうもシロが家庭不和の原因だという感じが見えて来ない。
そこで、一旦猫の事から離れて考えて診ることにした。
さて、そうなると占い師がまず考えるのは、いつから喧嘩が始まったのか。である。
当然、それは今から2年前となる。
「今から2年前に猫の事以外に貴方の家で何か変わった事は起きませんでしたか? 」
すると、2年前にだいぶ家の中に中古品が増えたと言うので、
彼女にその増えた中古品を撮った写真を見せてもらう事になった。
その写真の1枚は、庭にある倉庫の中で、倉庫の中に赤い自転車があった。
その中古の赤い自転車が2年前に増えたものだという。
しかし、次に見た部屋の写真を見て「えっ?」と思った。
その写真には、思わぬ物が映っていたのである。
見せてもらった写真は和室の写真で、
そこには仏壇があります。
それも2つです。
もともとあった仏壇の隣の押し入れの片側の上段に、
もう一つ、仏壇が置いてありました。
1つの家に、2つの仏壇という相談は電話相談で何回かありますが、
実際にそういう場面を見たのは、多分これが初めてか2回目位でした。
滅多に無い事ですが、少子化になっている現在、
これからはこういうケースは増えるのかもしれません。
彼女に聞くと、こんな事情があったといいます。
実は2年半前、彼女の実家で独り暮らししていたお母さんが亡くなったそうです。
彼女は一人っ子だったので、彼女意外に子供はいません。
そこでまず、彼女はお母様が飼っていた猫のシロをこの家に引き取り、
その後、遺品整理を行い、処分できる物は処分して、使える物は引き取り、
父母の位牌がある仏壇は、ここに持って来たという訳でした。
庭の物置にあった赤い自転車も亡きお母様が使っていた物だったのです。
つまり、2年前にだいぶ家の中に中古品が増えたと言うのは、
実家を整理して、使える物を持って来たという意味だったのです。
今から考えて見ると、
彼女から、実家から猫のシロを連れてきたと聞いた時に、
気が付いてもおかしくなかった事でした。
ちょっと驚きはしましたが、
実は1つの家に、2つの仏壇があってもいいのです。
写真を見る限り、旦那さんの仏壇の方が立派ですから、それは良い事です。
奥さんの仏壇がだんなさんの仏壇より若干上なのは気になりますが、
でも押し入れの下段に置くと、猫や犬が供物を食べたり水を飲んだりしますので、
上段に置いて押し入れのドアは普段は開けておくという形なら許せる範囲でしょう。
2つの仏壇の位置も、隣り合わせなら、許せる範囲内と言えるでしょう。
これがどちらかの上になってる上下の位置なら問題ですし、
また2つの仏壇が対面した位置に置いたりすると、
その家庭は離婚すると言われているので、この様に同じ方向を向いているか、
別の部屋に安置するのがいいのです。
ただ、困ってしまいました。
猫には問題は無いとして、
1つの家に2つの仏壇を置いても問題は無いとしたら、
いったい何が、彼女の家に悪い作用を及ぼしているのでしょうか?
しかし、御主人と喧嘩が始まったのが、約2年前だった事を考えると、
仏壇がこの家にやってきた時期と重なるので、とても怪しいと言わざるを得ません。
そこで、しばらく上の写真の2つの仏壇をじっと見て考えていました。
すると、ある事に気が付いたのです。
なんと、2つの仏壇には大きな差があったのです。
皆さんは、気が付かれたでしょうか?
私は上の写真の2つ仏壇に差がある事に気が付くのに5分もかかりました。
もし、5分以下で、上の2つの仏壇の差が見つけられる方は、
きっと私よりも能力があり、観察力の優れた方です。
少し考えてみてから、先をお読みください。
なんと、彼女が実家から持って来た押し入れの仏壇には、
ご主人の仏壇には無い物があるではないですか!
それは花です。黄色い花です。
つまり、新たに増えた仏壇には生花があり、
元からある仏壇には、生花が無いのです。
しかも、それは花だけではありませんでした。
写真ではちょっと分かりずらいのですが、
実家から持って来た仏壇には、黄色い花以外にも、
ロールケーキと、ご飯とお水が供えてあるといいます。
彼女に、どうしてこういう差が生じているのか聞くと、
もともと彼女が嫁いだご主人の家では、普段、仏壇には特に何も供えず、
朝起きたら扉を開けて明かりを点けるだけだったといいます。
ところが、彼女の実家では、
お父さんが亡くなってから、ご飯を新しく炊いたら、まず仏壇にあげ、
お父さんが甘党だったので、たまに好物だったロールケーキをあげ、
お父さんが好きだった黄色い花を生けていたそうです。
彼女は仏壇をここに引き取ってから、その時の供養を続けていたのです。
彼女に悪気は無かったのですが、結果、供養に差が生じてしまったのです。
そして、もう1つ問題がありました。
写真からはわかりづらいのですが、
リビングが写真の左の方にある関係から、
朝起きると、左からこの仏間に入って来るので、
まず最初に、奥さんの実家の仏壇の扉を開き、電気を点け、お祈りし、
その後で、夫の実家の仏壇の扉を開き、電気を点け、お祈りすると言います。
つまり、毎回夫の仏壇が後まわしになっているのです。
私は彼女に言いました。
今の状態では、夫の先祖霊は貴方の事を良く思いませんよ。
自分達が、粗末に扱われているという気持ちがわいてきて、
それが霊障となって、夫婦喧嘩に発展しているのかしれません。
つまり、ご主人が不機嫌になる姿は夫のご先祖の気持ちの表れだったりするのです。
「貴方は、ご主人の家に嫁いだのですから、
もうご主人の家の人なのですよ。
だから、まずご主人の仏壇の供養をしてから、実家の仏壇の供養をしてあげて、
それから花やご飯やお水は、どのご先祖様も喜ぶ行為ですから、
実家の仏壇にだけあげるのではなく、あげるなら、
まずご主人の仏壇にあげて、それから実家の仏壇にあげる様にしてみて下さいね。」
ちなみに、
男性が養子に入った場合は、今回のケースの逆になります。
つまり、ますおさん状態で婿入りした時で、実家の仏壇を持ち込んだ場合は、
まず、奥さんの仏壇を先に供養してから、自分の実家の仏壇の供養をします。
それから順序の事を言うと、
もし神棚があるなら、まず神棚。そして仏壇の順序でお祈りします。
それには理由があります。
なぜなら、例えば仏壇にお祖父さんの位牌があるとします。
でもお祖父さんは生前、神棚にお祈りしていた人でしょう。
それが、亡くなった今、神様より先に自分を優先されてお祈りされると、
心苦しくなってしまうのです。だからまず神棚、そしてお祖父さんという順序で。
あと、今回の様に、実家の仏壇を引き取れないという事もあるでしょう。
そういう場合は、近くのお寺に相談して永代供養してもらう事です。
そのお寺によって預かり期間は10年かもしれないし、33年かもしれませんが、
いずれの場合も、期間が過ぎた後は位牌はお焚き上げしてくれるでしょう。
その後、彼女は夫の仏壇をまず優先して供養し、
実家の仏壇に花や供物や水をあげる時は、
まず夫の仏壇にも同じ物を供える様にするようにしたといいます。
すると、あれだけ仲が悪かった夫婦関係が元の仲が良い関係に戻ったそうです。
そして今では猫のシロもご主人にすり寄って来る事があるそうです。
END