●運が良い弟と、運が悪い兄の違い。
一度、双子の男性のお兄さんの方を鑑定した事がありました。
写真も見せてもらいましたが、
やはり双子だけあって、兄弟の顔はそっくりでした。
つまり、顔には違いは無いという事です。
それなのに、兄は常に運が悪く、弟は常に運が良いといいます。
同じ家庭で育ち、同じ財産を持つ親の下で食べ、同じ地元から近い大学に行った。
そんな双子の兄弟でしたが、
お兄さんいわく、二人に違いが出始めたのは、大学3年の時からだと言います。
大学3年になると、弟には彼女が出来たそうだが、
お兄さんには出来なかった。
二人は共に帰宅部だったので、クラブ活動で差があった訳では無いという。
またクラスは違えど、学校の成績は同じ位だったので、頭が良い悪いの問題でも無いという。
大学を卒業すると、弟は地元の有力企業に就職出来たが、
お兄さんは、その会社には落ち、東京にある企業に就職したという。
それから4年後、弟は付き合っていたその彼女の家の婿に入り結婚した。(養子)
奥さんの家は、地元でも有数のビルを持つ地主さんだそうだ。
しかしその頃、お兄さんは付き合っていた女性と別れたという。
そして現在、弟家族には2人目の子供が産まれ、先日出産祝いに行ったというが、
彼の方は未だに彼女もいないし、仕事もパットしないという。
いったい二人の兄弟の幸不幸の差はどうして起きたのか、教えて欲しい。
そんな相談だった。
つまり、仕事、女、金。と全てにおいて弟に負けている兄は、
弟の事をうらやましく思い、同時に自分が惨めに感じてしまっているのである。
ただ、お金を払って相談しに来ている彼には直接言わなかったのだが、
この時、私は心の中でこう思っていました。
もし、資産家の女性と結婚したのが弟さんではなく、見ず知らずの人だったらどうだろう。
きっと彼は、それに対して何にも思わなかったはずである。
しかし、それが弟さんである事が、彼自身を惨めに、そして負けていると落ち込ませている。
兄弟の成功を涙を流して喜ぶ人もいれば、彼の様に羨む人もいるのである。
どうして、ただ単に兄弟の幸せを喜んであげられないのか。
もしこれが逆の立場だったら、弟は兄の成功を喜んだかもしれない。
そんな性格の違いが、これまでの幸不幸を分けたのかもしれない。
ただそれは私の推測に過ぎない。なぜなら彼の弟の性格までは正確には分からないからだ。
あと、こうも思った。
彼は自分が不幸だと位置づけているが、はたしてそうだろうか?
両親もご健在で、就職もしている。
病気も怪我もしないで、元気に働いている。
30代で彼女がいないのはよくある事だ。
ただ弟さんと比較するから、自分が不幸に見えるのである。
とりあえず、彼にはこんな話をした覚えがある。
「貴方はまだ30代と若いです。
これから先、どんな人生が待っているか分かりません。
弟さんよりも幸せになるかもしれませんよ。
それに人の幸せの形は、それぞれ違いますから、
弟さんの幸せのゴールの形と、貴方の幸せのゴールの形は違うのです。
だから、弟さんを含めて他人と比べない方がいいですよ。
貴方なりの幸せを追い求める事です。」
その昔、ソクラテスという人が、
「 私は豚となって楽しむより、人となって悲しみたい。 」という名言を残した。
しかし現代、ブタと比べたら、自分はどんなに幸せな人生かと思う人はなかなかいない。
そして、目の前の彼もその一人だった。
彼はとにかく、こう言うのである。
「一般論はいいですから、
弟と私がどうしてこうも違う人生を歩んでいるのか、診て欲しい。」
しかし、そう言われても、
二人は、双子だから生まれた日も一緒で、
顔相もほとんど一緒なので、私の専門も通用しない。
育った環境も、親の教育や親の遺伝も一緒。
手相は多少違うのだろうが、弟さんの手相が分からないので比べられない。
普段なら、ここでギブアップなのだが、この時の私は違った。
なぜなら、双子が違う人生を歩む。
どこでどういう違いが二人を分けたのか?
彼の話を聞いている内に、私も興味を持ち始めたのである。
兄弟だけに、今までのお互いの人生はだいたい把握しているはずだ。
こんなチャンスは滅多にない機会かもしれない。
それに相談者の意向にそって考えてあげるのもサービスの内だ。
私はいつの間にか、彼に二人の生い立ちから尋ね始めていた。
小学校時代は、瓜二つと言われ仲良かった兄弟。
中学・高校と同じ学校で共にサッカー部だったという。
練習も一緒、休日もサッカーづくしとほぼ変わらない生活。
その他にも、良い事、悪い出来事も聞いてみた。
例えば、ボランティア活動をしたとか、誰かを助けたとか、
猫を殺したとかの殺生を行ったとか、悪い行いをしたかとか。
しかし、特に目立つ良い事も悪い事も二人ともしていないという。
生活面で、二人の兄弟に目立つ違いはまったく無いのである。
しかし、1時間も話している時だった。
私は二人の運を分けたと思われる出来事を、
ついに見つけたのである。
それは二人の趣味を聞いた時だった。
後半は、明日のブログに続く。