●亡き義母の衣服。

 

 


以前電話相談で、こんな相談を頂いた事があります。

 

 

「先日、夫のお母様が亡くなりました。

 

 葬式も済まし、一応の相続の手続きも終わったんですが、

 

 今、ちょっと悩んでいる事があるんです。」と言う。

 

 

 


何を悩んでいるのかと、話を聞いてみると、

 

 

それは、義母の形見分けだと言う。

 

 

形見分けとは、亡くなった人の遺品を、

 

故人の親族・親友などに分け与える事です。

 

 


つまり、無料で義母の物をもらえるという事です。

 

 


では、なぜ彼女は悩んでいるのでしょうか?

 

 

その理由は2つあると彼女は言います。

 

■まず、第一は、彼女と義母は生前とても仲が悪かったそうです。

 

それは結婚する前からで、二人の結婚に終始反対していたのが義母でした。

 

結婚が決まった後も、仮病で結婚式に欠席したほどです。

 

その後も、彼女への風当たりが強く、影で夫に暗に離婚を勧めたり、

 

夫が出世しないのは私のせいだと言いふらしたりしたといいます。

 

 

■あと、彼女のご主人は次男で、義母の形見分けと言っても、

 

まず最初に長女が義母の良い物を全て貰っていったそうです。

 

次に長男の嫁が、残った中から良い物を貰っていったそうです。

 

そして最後に次男の嫁である彼女に、

 

残った遺品の中から、何か形見に選べというのです。

 

夫から写真を見せてもらったのですが、良い物など残っている訳はなく、

 

宝石や価値あるバック等は全て長女が持っていき、

 

残った物の中でも良い物は、長男の嫁が持って行ったそうで、

 

もう残っている義母の遺品は、

 

●使い古した洋服

●くたびれた流行遅れのバック

●安物のアクセサリーやイミテーションの宝石

●流行遅れの古い靴

 

と、ロクな物が残っていないと言う。

 


彼女は出来れば、何も貰いたくないらしいのだが、

 

 

夫は、何か1つでも貰ってくれないと、兄妹達に悪く言われるので、

 

 

何か形見に選らんで貰って欲しいと言うのである。

 

 

 


そんな変わった相談でした。

 

 

 

 

さて、何も貰いたくないという彼女ですが、

 

 

実は当たっています。

 

 

生前、喧嘩ばかりしていた人の物はもらわない方がいいです。

 

 

昔、喧嘩ばかりして憎み合っていた人が亡くなった時、

 

 

価値のある着物だからと貰った人がいました。

 

 

ところが、その後その人がその着物を着るとなぜか具合が悪くなったのです。

 

 

だから、生前敵だった人が着けていた物は、着けない方がいいのです。

 

 

 

 

 


ただ、問題は最低でも1つは形見を貰わないと格好がつかないといいます。

 

 

そこで、何か形見の中にご主人が使える物は無いかと聞いたのですが、

 

 

男性が使える物は、全て義父が受け継いでいるので無いといいます。

 

 

 


彼女も、全て女性物だから、夫が使える物は無いし、

 

 

子供も男ばかりだから、使える物が無いと言う。

 

 


彼女には、子供が二人いるのだが、二人とも男児だという。

 

 


それを聞いて、彼女にこんな質問をしてみた。

 

 

「亡くなったお義母さんは、息子さん達の事はどう思っていましたか?

 

 また、お義母さんはご主人の事は、愛していましたか?」

 

 


すると、亡きお母さんは、夫の事は大好きだったといいます。

 

 

大好きだったからこそ、彼女に取られた感が強く、

 

 

彼女を憎んだ面もあったはずだといいます。

 

 

また、孫達の事も大好きで、彼女ぬきでよく孫と夫に自宅に来させていたそうです。

 

 

そして、息子達と遊園地やディズニーランドにもよく行ったそうです。

 

 

 

 

それを聞いて、私は彼女に、こうアドバイスしました。

 

 

お義母さんの洋服を2・3枚もらってきなさい。

 

 特にカーディガンとか、上着とか羽織れる洋服なら、サイズが合わなくても、

 

 背中にかけるだけでも着れますから。」

 

 

選ぶポイントは、

 

●色は明るい方がいい。オレンジとか

 

●ズボンやスカートよりも、心臓があたる上半身に着る服の方が良い

 

●よく使っていた服や、生前気に入っていた服の方が良い

 

 


では、なぜそういう服を貰った方がいいかと言うと、

 

 

先に例を挙げた様に、嫌いな人が着ると具合が悪くなると言いましたが、

 

 

好きな人が着ると、その逆の現象が起きるのです。

 

 


例えば、この先、息子さんが重い病気になったり、

 

 

夜中突然の病気になって困った時、

 

 

亡き義母の服をかけてあげたり、寝ている布団の上にかけてあげ、

 

 

「どうかお義母さん、息子の病状を良くして下さい。」とお願いします。

 

 

すると助けてくれる事がよくあるのです。

 

 

それは将来、ご主人がガンになったり怪我した時にも使えます。

 

 

愛する息子の為ならと、病状を良くしてくれたり、死ぬ所を助けてくれたりします。

 

 

 


たった、一枚の義母の洋服が、息子や夫の命を救うという事もあるのです。

 

 

だから、ありがたく貰っておきなさい。

 

 

貴方の子供とご主人の為に。

 

END