●霊能者にクレームが来る。

 

 


霊能者といえども、私達と同じ人間ですから、

 

 

失敗する事もあれば、ミスする事もあります。

 

 

私が知っている霊能者の方も、普段から自分は普通の人間。

 

 

ただ相談者の亡くなった親とか子供から声を聞いて、それを伝えるだけで、

 

 

通訳の仕事と変わらないのよ。って言ってました。

 

 

 

 

 

また、現れた霊によっては、自分の名前の頭文字しか教えてくれない時もあって、

 

 

そんな時は、「頭文字がAだと言ってます。」

 

 

「アンナかしら、アンジェロかしら、それともアリッサとか、

 

 Aから始まる名前に聞き覚えはありませんか?」

 

 

と相談者に現われた霊に思い当たらないか聞かなければならないそうです。

 

 

 

またある時は、数字の3しか教えてくれない時もあるそうで、

 

 

そんな時は、霊能者がその「3」の意味を推察しなければならないそうです。

 

 

「3」は3日後の事なのか、3ヶ月後の事なのか、3年後の事なのか、

 

 

それとも3週間後の事なのか。

 

 

そして、話の前後から3日後だろう。と伝えると、「外れた」となり、

 

 

実際は3ヶ月後だった。という事もよくあるそうです。

 

 

 

 

そんな感じなので、霊能者と言えども、勘違いがあったり、

 

 

誤訳があったり、言葉足らずでの誤解があったりするそうなのです。

 

 

 

 

 

 

ある時、私がちょうど霊能者の自宅で食事をお呼ばれしていた時に、

 

 

女性の相談者の方からクレームの電話があった事がありました。

 

 

どうやら、霊能者に診てもらったせいで、ご主人が死ぬ所だったというのです。

 

 

死ぬ所だったとは、穏やかではありません。

 

 

クレームの電話は5分位続いたでしょうか。

 

 

「sorry」という言葉が聞こえたので、霊能者の方も謝っていたのでしょう。

 

 

 

電話が終わると、

 

 

私は聞きたいという好奇心と、聞いては失礼だという気持ちの狭間の中、

 

 

ついに好奇心の方が勝ってしまい、霊能者の方に聞いてみました。

 

 

「クレームですか?」

 

 


すると、霊能者の方は、

 

 

「ちょっと言葉足らずな所があったわね。

 

 よくある事なのよ。」と言って話してくれました。

 

 

 


それは前日の事、

 

 

ある主婦の方が霊視の相談に見えたそうです。

 

 

 

 

その時に、奥さんにこんな予言をしたそうです。

 

 

「ご主人、釣りをしにボートで出かける予定はありますか?」

 

 

「はい、2日後に鮭釣りの会に参加する予定ですけど・・・」と奥さん。

 

 

すると、霊能者の方が、

 

 

ご主人が乗っているボートが沈む様子が見えるのよね。

 

 その鮭釣りの会は、行かない方がいいんじゃないかしら。」と予言したんです。

 

 


ちなみに、私が住んでいたアメリカ、ワシントン州シアトルでは、

 

 

とても鮭料理が美味しいです。多分ここで一番のお勧め料理ですから、

 

 

シアトルに来た際には、鮭料理を食べてみて下さい。 (ちなみに鮭(サケ)の卵がイクラです。)

 

 

 

 

余談ですが、って、皆さん「サケ」と言いますか?

 

 

それとも「シャケ」って言いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は両方とも正しい言い方です。

 

 

一般的には、生きている状態や、死んでいても調理前の状態なら「サケ」。

 

 

包丁が入って、塩をふったり、焼いたりした状態を「シャケという事が多いそうです。

 

 

 


だから、水族館に行って、泳いでいる鮭を見て「シャケが泳いでる」とは言わないし、

 

 

鮭の切り身が入っているお弁当を見て「サケ弁」と言うよりも「シャケ弁」と、

 

 

言う事の方が多いのです。

 

 

 

 

 

ちょっと話が脱線してしまいましたので、元に戻します。

 

 

 

 

霊能者の方が、

 

 

「ご主人が乗っているボートが沈む様子が見えるのよね。

 

 その鮭釣りの会は、行かない方がいいんじゃないかしら。」

 

 

と予言したのを受けて、

 

 

奥さんは帰宅すると、すぐにご主人にその事を話したそうです。

 

 

しかし、ご主人は昔から、そういう占いのたぐいを信じないタイプで、

 

 

なかなか釣りに行くのを止めるとは言わなかったそうです。

 

 

第一、ご主人のボートは1年前に買ったばかりの高性能のボートで、

 

 

今まで使っていても、安全で沈むはずも無いものだという自負もありました。

 

 

 


でも度重なる奥さんからの必死の頼みを聞いて、

 

 

それほど言うならと、ご主人は自分のボートを使うのはあきらめました。

 

 


当日は、友人のボートに便乗させてもらい鮭釣りの会に出かけたのでした。

 

 

 

 

ところが、その友人のボートが沈没したのです。

 

 

何という事でしょうか。 

 

 

ご主人は自分のボートを使わなかったせいで、逆に事故に遭ったのです。

 

 

幸い、溺れそうにはなったのですが、仲間に救助されて助かったそうです。

 

 

 

 

もし、霊能者にあんな予言をされなかったら、自分のボートで行って安全だったのに!

 

 

とご主人は怒り心頭だと言うのです。

 

 

奥さんは電話で、「なんで友人のボートが危ないと言ってくれなかったのか

 

 

とクレームしてきたという訳です。

 

 

 

 

 

 

 

ここまで来ると、きっと変えられない運命だったのでしょう。

 

 

そう思わざるおえない時が、たまにあります。


END