●悪い事が次々起きる正夢をみる。
良い夢を見て電話相談してくる人は余りいません。
夢に関しての相談があるとすれば、大抵が悪い夢を見たという相談です。
その中でも、特に印象が残っているのは、
悪い事が次々に起きる正夢をみてしまう。という相談です。
正夢とは、夢で見た事が、その後現実となる夢の事です。
似た様な言葉で予知夢というものがありますが、
正夢は、自分に起きる出来事が現実となるのに比べて、
予知夢は、他人の家が燃えるなど、自分の事だけでは無く、
他人に起きる事も含まれます。
つまり、正夢は予知夢の一部なわけです。
さて、悪い事が次々に起きる正夢を見るという相談者ですが、
まず最初に彼女が見た正夢は、会社を辞めるという夢だったといいます。
すると、しばらくして本当にリストラされてしまったのです。
友人にその事を話すと、「良かったじゃない。そんなに良い会社じゃなかったから」
と慰めてくれたそうです。
次に見た夢は、彼氏にフラれるというものでした。
会社を辞める夢が本当になったので、もし彼氏にフラれる夢も本当になったら、
嫌だなと思っていたそうです。
ところが、それからしばらくして彼氏から「大事な話があんだけど。」
と言われて、「まさか!」と思ったら、「別れよう。」だったといいます。
会社を辞めても、彼氏がいたのでそう深刻には考えていなかった彼女でしたが、
会社をリストラされてたタイミングで、彼氏にもフラれたので、
そのショックは大きかったそうです。
そして、つい一ヶ月前に見た夢が、愛犬が亡くなるという夢だったそうです。
すると、本当に愛犬が亡くなってしまったのです。
大好きな愛犬だっただけに、夢を見てからは「どうか本当になりません様に・・」
と毎日お祈りしたそうですが、ダメでした。
こうして彼女は、
■会社を辞める正夢を見る。
■彼氏にフラれる正夢を見る。
■愛犬が死ぬ正夢を見る。
という3つの夢が、次々と正夢となってしまったそうです。
この相談を聞いて、私が最初に彼女に聞いたのは、
「正夢を見る様になったのは、いつ頃からですか?
小さい頃から見てました?」
すると、彼女は、
「小さい頃の事は分かりませんが、
正夢を見たのは、私が知る限り、会社を辞める夢が最初です。」
「愛犬は、何歳だったのですか?」
「12歳でした。」
実は彼女、何度かそれまでにも電話をくれていた方だったので、
記録ノートを見ると、愛犬の名前は「ロン」と書いてあります。
そして、3年前に母親を亡くしていて、
その時は、ショックで悲しくて2ヵ月も泣いて暮らしていたという方でした。
つまり、彼女が正夢を見始めたのは、母親を亡くしてからだったのです。
そういう状況などを全て考えた上で、私が彼女に言ったのは、
「多分、貴方が会社を辞める事も、
彼氏にフラれる事も、愛犬が亡くなる事も、
全て変えられない運命だったのだと思います。」
「では、どうして3つのショッキングな出来事の正夢を見たのかですが、
私が思うには、貴方のお母さんが、見させたんだと思います。
どういう事かと言うと、
貴方はショッキングな事が起きると、
何日もその事から立ち直れない時があると、お母様が心配して、
それが起きる前に、正夢を見させて、
貴方に心の準備をさせているんじゃないかと思います。
だから、愛犬のロンちゃんが亡くなった時も、
正夢が無かったら、もっと悲しくて立ち直りが遅くなったと思いますよ。」
正夢には、そんな愛情が隠れている事があるのです。
「ロンちゃん、亡くなるけど、
運命なのよ。だからそんなに悲しまないでね。
かあさん、こんな事しか出来ないけど、頑張るのよ。」
END