●約束のレモンパイ
アメリカでは、自宅でパイを焼くというのが普通に見られました。
特に知り合いの家庭で、ヘビーローテンションの様に作られていたのが、
アップルパイと、レモンパイでした。
日本では、余り売られていないレモンパイなので、
多分、レモンパイという物があるという事すら知らない人が多い事でしょう。
でも、アメリカではレモンパイは家庭の味として、よく夏場に作られます。
材料はレモンですから、味は甘酸っぱいく冷蔵庫で冷やして食べると癖になります。
アメリカではヘルシーなデザートとして、とても人気があります。
(レモンパイの作り方 https://cookpad.com/recipe/1382550)
ある時、霊能者の所に、
小学生の娘さん(ローザ)を亡くされたお母さんがみえたんですね。
亡くなったのは2年前だそうですが、
今でも朝起きた時は、娘の写真に「おはよう」と挨拶し、
夜寝る前には、娘の写真に向って今日あった事を話して寝るという毎日だそうです。
ただ、そんな事をしても、本当に娘に通じているのか、
聞いてくれているのか、それを霊能者に聞きたくてやってきたのでした。
お母さんは、その事は霊能者には言わずに霊視が始まりました。
すると、
霊能者が、お母さんに、
「お母さん、毎日、娘さんの写真に向って色々話してあげてるんですね。」
と言うと、少し涙ぐんで「はい。」と言うお母さん。
「娘さん、とっても喜んで聞いているそうですよ。」
他にも、娘さんからのものと思われる言葉を沢山授かり、
お母さんはとても満足して、霊視は終了しました。
ところが、
お母さんが霊能者の方にお礼を言って玄関に向かって歩き始めた時でした。
霊能者の方が、お母さんに、
「良かったら、レモンパイ食べていきませんか?
さっき焼けたので、良かったらどうぞ。」と言ったのです。
丁度午前中の予約は、彼女が最後だったのもありました。
アメリカでは霊視が自宅で行われる場合、たまにこういう場面があるそうです。
すると、
レモンパイを勧められたお母さんが、
その場で崩れ落ちる様にして、しゃがんで泣き出したのです。
お母さんが急に泣き出したので、
霊能者の方はビックリしたそうです。
レモンパイ一切れくらいで、そんなに感激されたのは始めてだったので。
しかし、お母さんが感激して泣いたのには、大きな理由があったのです。
実は、娘さんが病床で亡くなる一週間前、娘さんとある約束したそうです。
「ママ、天国ってあるのかなぁ。」
「さぁ、ママには分かんないわ。」
「もしもね。
もしもだよ。
ローザが天国に行ったらね。
ママに会いに行くからね。
その時、ローザが本当に話しているという証拠に、
ローザが大好きなレモンパイを合図にするからね。」
と、言ったそうです。
そして、霊能者の方にも不思議な事があったそうです。
それは、前日の夜の事。
滅多にデザートのリクエストした事が無い娘が、急に、
「お母さん、明日の朝、レモンパイ焼いてね。」とリクエストしたそうです。
そして、相談者の霊視が終わって、お母さんが玄関に向かっている時、
霊能者の耳に、「レモンパイ」、「レモンパイ」という言葉が聞こえて、
ああ、そう言えば、今朝レモンパイを焼いたんだっけ。と思い出して、
お母さんに勧めたのでした。
「かあさん、
ローザは、天国で元気になったのよ。 だから心配しないでね。」
END

