●水子の呪い。

 

 

水子についての相談は、

 

 

若いお母さんからの電話相談では、結構多い方の相談です。

 

 

電話をしてきたのは、28歳になるお母さんでした。

 

 

彼女には既に、4歳になる長女がいるのですが、

 

 

1年前に赤ちゃんを流産してから、

 

 

家族がその水子に呪われていると言うのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、具体的にどんな状況なのか彼女の話を聞いてみた。

 

 

 

 

彼女は約1年3ヶ月前、待望の第二子を妊娠した。

 

 

夫婦は今度は、男の子だったらいいね。と期待を膨らませたという。

 

 

ご夫婦は、エレベーターの無い賃貸アパートの2階に住んでいて、

 

 

階段は危ないからと、まだ長女を一人で外出させていなかった。

 

 

奥さんも妊娠が分かってからは、なるべく買い物に行く回数を減らし、

 

 

階段の上り下りには、特に注意していたという。

 

 

ところが、ある雨の日、

 

 

彼女はその階段で滑ってしまい、お腹を打ってしまったのである。

 

 

結果、妊娠10週目だったお腹の中の胎児は流産してしまったのだ。

 

 


ご主人は、「お前が無事ならいい。」と言ってくれて責めなかったそうだが、

 

 

彼女としては、夫が期待していただけに、申し訳ないという気持ちだったという。

 

 

 


しかし、事態はそれで収まらなかった。

 

 

 

彼女が流産してから2ヵ月が経った時、娘さんが階段で転んだのだ。

 

 

幸い擦り傷程度ですんだのだが、転んだ場所が彼女が流産した場所と同じ場所だったという。

 

 

それから、1週間後、彼女がご主人の誕生日を祝おうと、

 

 

ワインを買って、階段を上っている時、

 

 

なんとそのワインの入った袋を階段にぶつけて割ってしまったのである。

 

 

しかも、そのぶつけた場所が、流産した場所と同じ所だったのである。

 

 


そして決定的だったのが、今から1ヵ月前、

 

 

ご主人が遅刻しそうになって、急いで家を出た時だった。

 

 

階段でこけて、足を挫いてしまったのである。

 

 

ご主人に話を聞くと、やはり彼女が流産した場所とほぼ同じ所でやってしまったという。

 

 


現在、彼女は流産した水子の呪いが怖くて、引っ越しを考えている。と彼女は語った。

 

 

 


そんな電話相談だった。

 

 

 

 

 

 


流産は、期待していた子供を失うだけに、そのショックを引きずっている人は多い。

 

 

酷い場合には、自分が人殺しをしてしまったかのように自分を責めている方もいる。

 

 

今回の場合は、

 

 

その上に、亡くなった水子から呪われているのではないか、という相談である。

 

 

 

 

 

彼女の話を聞いて、まず私が言ったのは、

 

 

「一連の階段での事故は、水子の呪いではありませんよ。」

 

 


「ホントですか?」

 


「ホントです。

 

 水子はまだこの世に生まれいないので、

 

 貴方の娘さんを狙ってやれ!とか、

 

 あの人が貴方のご主人だから転ばせてやろう。とか、

 

 ワインの瓶がぶつかる様にして割ってやろう。

 

 なんていう高等な計画を立てる事なんか出来ないのです。

 

 偶然起きた事だと思っていいです。」

 

 

 

それでも、彼女は胎児を自分の不注意で殺してしまったと云う罪悪感が拭え切れない様だったので、

 

 

私はアメリカの霊能者から教えてもらった事を彼女に話した。

 

 

 

 

霊能者いわく、

 

 

人をナイフで刺し殺すのと、流産するのとは、まったく違うのだという。

 

 

なぜなら、お母さんのお腹の中の胎児は、

 

 

妊娠33週目(正確には、この世に生まれる8週間前)までは、

 

 

魂は霊界とこの世を、常に行ったり来たりしているのだと言う。

 

 

ほとんどの魂は、一度決めたのだからと心変わりはしないのだが、

 

 

その間、やっぱりこの世に来るのは止めようとか悩んだり、

 

 

怖いから止めようと思ってしまう魂もあるという。

 

 

「だから、貴方の場合で言えば、お腹を打った時に、

 

 やっぱ怖いと思って、霊界に戻ってしまったので、

 

 別にその子を殺した訳では無いのですよ。

 

 自分の意志で、またスタートラインに戻ったのです。

 

 だから、その子はまだ生きています。そんなに自分を責めないで。


「ごめんね、また生まれて来てね。」って言ってあげましょうね。」

 

 

 

 

 

 

この相談は、ここまでだったのだが、

 

 

実は、彼女には言っていない事が1つだけあった。

 

 

それでなくても、彼女は自分を責めていたので、

 

 

これ以上彼女を責める様な事は言わない方がいいだろうと判断して言わなかったのである。

 

 

 

それは、お腹の中の胎児は、

 

 

お母さんお父さんが話している事を聞いているという事である。

 

 

彼女は、特に悪気があった訳では無いだろうが、こんな事を夫婦で話したという。

 

 


今度は、男の子だったらいいね。」

 

 

 

もし、生れてくる予定の子が、気の弱い思い遣りのある女の子だったらどうだろう。

 

 

やっぱり、生れるの止めよう。と思ってしまう事も希にあるという。

 

 

流産は多少なりとも、次の妊娠や母体にも影響がある。

 

 

出来れば、無事産まれるまで、女の子でも男の子でもいいというスタンスが望ましい。

 

 

 

 

 

 


最後に、

 

妊娠33週目までの子が、止めようと思わず、

 

 

無事生まれてくる為に、こんなアドバイスを。

 

 

 

 

■まず、背筋をのばして、肩の力を抜きます。

 

そして腹式呼吸でゆっくり息を吸って、ゆっくり息を長く吐きます。

 

その時に、お腹を凹ます様な呼吸はしない事。

 

 

■次に、お腹を優しくさすりながら、胎児に話かけてあげてください。

 

「ここは、良い家ですよ。

 

 パパもママも、貴方の事を愛していますよ。

 

 安心して、生れて来てね。待ってますよ。」

 

 

 

そうすれば、赤ちゃんも安心して、健康で生まれる確率が高くなり、

 

 

そして、きっと、こう思ってくれますよ。

 

 

 

「ママの所に、産まれたいな。」

 

END