●家族を襲う、犬の祟り(たたり)。
この話は、私がアメリカに留学に渡る約5年前に起きた事件だという。
私が霊能者に方に、何か印象に残っている事件はありましたか?と聞いたところ、
教えてもらった事件の1つである。
私が留学したアメリカ、シアトル市に隣接したワシントン湖を挟んで、
Bellevue(ベルビュー)という高級住宅地が多く立ち並ぶエリアがある。
この話は、そのベルビューに住むサンダース一家4人に起きた事件である。
最初に異変が起きたのは、
彼らが飼っている愛犬・ゴールデンのクミィが夕飯を全部吐いた事が始まりだったと言う。
それまでは、夕飯どころか、吐いた事など一切無かったので、
始めは、こういう事もあるのか位にしか思わなかったという。
ところが翌日は、朝ごはんも吐き、夕飯も吐いたのである。
電話で知り合いの獣医に聞いたら、子犬の場合は栄養不足になりやすいけど、
成犬の場合は健康なら2日位は食べなくても大丈夫だそうで、
吐いた物に血が混じっていたり、下痢が伴っていたり、
吐いた後、ぐったりしていなければ様子を見ては。と言われたという。
しかし、今度は拒食症が始まったのである。
出された食事には、近づいてクンクンと匂いを嗅ぐのだが、それだけで食べないのである。
娘のエステルちゃんが、他の種類のドッグフードを買って来ても、ダメだった。
どうやら今までのフードが飽きたという訳では無かった様だった。
また、医者から食欲が落ちる時は、運動不足だったり、
スキンシップが足りない時にも起きると言われたので、いつもよりも散歩コースを伸ばしたのだが、
逆に食べてないだけに、体力が無い様で、クミィは散歩の途中で動かなくなったという。
そうこうしている内に、もう4日も食べないので、
家族はさすがに心配して医者の所に駆け込んだ。
すぐに点滴と血液検査が行われたという。
しかし、特に異常が見つからない。
原因不明の拒食症だと獣医さんも首をかしげたという。
その後、食欲増進剤も処方されたのだが、効かなかった。
ちなみに、アメリカの医療は日本に比べてべらぼうに高いのは有名だが、
それは獣医費も同じである。
日本だと、犬の点滴代が2000円ほどだと思うが、
アメリカだと、それが1万6000円である。
また、相談者の一人がハワイに愛犬を連れてった時に、具合が悪くなり、
獣医に見せたところ、大した病気でも無かったのに2日入院で40万円取られたという。
同じアメリカでもハワイ州とアラスカ州は、医療費がべらぼうに高いので注意が必要だ。
その後、一日おきに皮下点滴や静脈点滴を行ない、皮下輸液も行ったという。
しかし、クミィはどんどん痩せていった。
最後は家族会議をして、クミィの安楽死する事にしたのである。
もちろん、それはクミィに辛い思いをさせない為でもあったのだが、
家族にとっては、かさむ医療費の問題もかなり頭にはあったという。
だから、安楽死には多少の罪悪感があったらしい。
クミィの遺体は、裏庭に埋め、娘のエステルがその上に十字架の杭を建てた。
普通は、ここで終わりなのだが、
この家族の悲劇は、ここから始まったと言う。
最初の異変が襲ったのは、娘のエステルだった。
それは愛犬クミィを安楽死させた僅か2週間後の事だったという。
突然エステルが夕飯を全部吐いたのだ。
そして、翌日も。
3日後には、食べ物を一切口に出来なくなり、拒食症となったのである。
それは不吉な事に、愛犬クミィがたどった道とまるで一緒だった。
娘のエステルは、急きょ病院での検査入院となった。
4日経っても、エステルの拒食症の原因は分からなかった。
そうこうしている内に、今度は長男のジムが突然夕飯を吐いたのである。
そして、妹のエステルを追う様にしてジムも拒食症になってしまったのだ。
ジムもエステルと同じ病院に入院し、点滴治療をしているという。
この時、奥さんは一連の子供達の拒食症は、
何らかの愛犬クミィの祟りではないかと思ったという。
安楽死させてから、わずか2週間後に次々と子供達を襲った拒食症。
夕食を吐いた事といい、点滴を打った事といい、
それは安楽死させたクミィと同じ状況だったからである。
もし、そうなら子供達は死ぬのか。
奥さんはそう思うと、裏庭のクミィの墓を見るのも怖くなったという。
旦那さんは、偶然だ、考え過ぎだと言うのだが、
奥さんは、怖くて、怖くて、
子供達はこのままだと、近く退院してこの家に戻ってくるさえ危険だと感じた。
こうして、奥さんは、
どうしたら、愛犬クミィの祟りを静められるのか、
霊能者の所に、相談に来たのである。
やがて、世にも恐ろしい祟りが明らかになるのである。
後半は、明日のブログに続く。